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淡路島一周歩きの旅!〜前編〜    【2日目】
● 2005年8月14日(日) くもりのちはれ 兵庫県一宮町〜兵庫県西淡町 53,777歩




よくよく見ると、ここはキャンプ場ではなく、キャンプ場の隣にある
芝生公園。こんなに不法侵入者が多くては、取り締まれないか。


そない有名ではないが、松の多さに圧巻する「慶野松原」。
松原のスキ間で、BBQしている人がちらほら。実に楽しそう。

時計のない生活

最近、旅をするときは時計を持たない。
理由は純粋に、腕時計を持っていないためである。

また、今年に入ってからは昼間、携帯電話の電源を切っている。
理由は純粋に、野宿が続いた場合にバッテリ切れがあっては困るからである。

以上のことから、実は旅の最中はあまり時間を把握していないことがわかるだろう。
旅日記に具体的な時間を記しているが、たいがいヤマカンである。
店先とか公園にある時計をちらっと見て、だいたいの時間を把握している程度である。

時計がなくては困ると思いきや、意外にこれがいいものである。
以前までは、時間と地図とにらめっこして「とにかく先へ」とせっついていたクセが、だいぶなくなった。
それにより、旅としての心のゆとりができたのだ。

日常時間に追われる毎日だからこそ、こうやって本当の意味で「時間を忘れる」ひとときが貴重だと思う。



淡路島南西、西淡町の名物は「瓦」らしい。ところどころに
瓦屋や瓦のオブジェが点在。じっくり見てる余裕があればなぁ。

東屋

東屋とは家屋ではなく、四方の柱と屋根によって作られた、簡単な休憩所のことである。
遊歩道やちょっとした公園などでよく見かけるものだ。
ほとんどの場合壁はないが、ちょっとした雨ならテントを濡らさずにしのげるため、野宿の場所としては最適である。

しかし通常は、屋根以外に何の設備もない。
本文にあるとおり、野宿をするにはあらかじめ、飲み水は確保する必要がある。

夜中でもカップルがいちゃいちゃしに来たり、地元の人が散歩で通る場合もあるので、まわりの町並みなどを十分観察したうえで、野宿できるかどうかを判断しよう。
写真の撮影頻度

旅をしているときは、基本的にあまり写真を撮らない。
もともとそんなに写真が好きなわけではない。
何なら、被写体のない風景写真をシロウトが撮るという行為に、嫌気を持っていた時期さえある。

でも今は見てのとおり、それなりに写真を撮るようにしている。
これはひとえに、HPでアップすることを意識しているうちに、自然とクセがついてしまったのである。

とはいえ、やはり撮影頻度は人よりも少ないと思う。
例えばこのページ、さっきからコラムばかりであるが、これは撮影した写真が少ないため、場所をかせいでいるのだ。

せめてカメラをもっといいもの使ったりすると、撮影に興味が出だすのかな?
選択肢

旅をしていると、非常にしばしば選択肢にぶち当たる。
それが道の分岐であったり、昼食のタイミングであったり、宿の選択であったり。
選択を誤ると、大きな痛手となる・・・ほどオーバーな事件は今までないが、選択肢を目の当たりにしているときは、そのくらいの気持ちになってしまう。

ウジウジしているとただ時間だけが過ぎてしまうため、決断はパッパとするようにしている。
よく言えば、「第六感の鍛錬」とでも言うべきか。

でも、決断力って日常でも大切なことやもんね。
大げさに言えば、旅は「日常生活の縮図」とでも言うべきか。

何にせよ、50年後にNHKのアノ番組に出演したら、この言葉を使ってやる。



次の日の朝撮影した、キャンプ場の様子。写真ではわからないが、
海のすぐ向こうに橋がく見える。伊毘の集落は、最高の穴場だ!
風呂なし生活

今回、旅を断念したくなった一因として、お風呂に入っていないことがある。
悪いクセで、旅のときはついついお風呂を入らなくなってしまう。

自転車で走っているときは、1日のほとんどは人とすれ違わない場所を走っているので、平気なのだ。
しかし、歩き旅となると、どうしても人との距離が近くなりがち。
そんなときにクサかったら、相手に対して失礼やし、そんなクサい自分もイヤ。

やはり日本人には、お風呂が必要なんだな。
覚悟していたこととはいえ、許せないものは許せない。
昨夜は、夜中遅くまでえんえんと花火の音がしていた。
どでかい音が、10分くらいおきに鳴らされた。

けっこう大人の人いっぱいおったはずやのになぁ。
ひょっとしたら、ものすごい勢いで、日本人の常識レベルは低下してるのか?


寝不足ながら、朝は5時半に起きた。
意外にも、早い時間から多くの人が起きていた。
みんなが寝静まってる中、1人だけ起きてる感じが好きなのに。


1時間後に、出発。
足の調子は、ぜんぜん平気。
相変わらず、可能な限り路地裏を歩いた。

出発してすぐ、近道をしてやろうと、とある港へ進もうとしたところ、女の人に声をかけられた。
「淡路島一周、大変やねぇ。このへん何もないやろ?」と、まるで僕の行動や心境を、ズバリ言われた。
ふつう、「どこから来た?」とか「どこ行くの?」など、声かけられるときは、疑問形から入るのに。

その後、近道を教えてくださったり、「よく休んで、よく水飲んで、ムリしないようにね」と、まるでお母さんのようなアドバイスをいただいた。
こういう何げない出会いは、旅の途中でふと思い出すと勇気になる。


港から進むと、相変わらず何もない道へと出た。
ただ漠然と進むのも何なので、地図をチェック。
すると、先に集落があり、そこからすぐのところに温泉がある。
今からだと、きっと昼ごろ集落につくだろう。
コンビニもあるだろうから、ここで昼食をとり、真昼は暑いだろうから温泉で休憩しよう。

そう目標を作って歩いてみた。
が、休憩をくり返すごとに、予定が少しずつ遅れているのがわかる。
「こらイカン」とあせると同時に、現在自分が全然楽しめていないことに気がついた。

焦っては、楽しめるわけがない。
温泉は入らなくても死ぬわけではないんだし、落ち着こう。
自分に何度もそう言い聞かせ、とりあえず気分を盛り上げることに注意した。


途中、地図にあった「慶野松原」なる地域を歩いた。
松がものすっごく生えている場所が、遊歩道となっている。
こいつは涼しいし、気分がいい。

ここをずっと通り抜けたい・・・気持ちとはうらはらに、急激にノドがかわいてきた。
まさか松林にポンと自販機があるわけないんで、しぶしぶ府道へ戻ることにした。


松林の近くにコンビニがあったので、のどを潤すのと昼食をとるため、立ち寄った。
このときすでに、午後2時。
まだ目的である集落や温泉には、着いていない。
足に負担ないよう、1時間くらいおきにゆっくり休憩しているから、思ってた以上に時間がかかってしまうようだ。

コンビニ横でごはんを食べていると、すぐ目の前に若いお兄ちゃん達の集団がやって来た。
20歳前後だろうか、見るからに悪そうなツラ構えだ。
でも話してることは、「BBQどこでやるか」とか、「タマネギどこで買うか」とか、かわいらしいもの。
別にこちらに何をしかけてくるわけでもなかったが、ただ心の中では「こっち関わるなよ〜」と、ビクビクしていた。


食後は、午前中ほとんど隠れていた太陽がすっかり顔を出した。
おまけに、道は田舎道どころか、ほぼ山道だ。
途中休憩したくても、影となるものがないため、全然休めない。
当然、暑さがこたえる。

もうだめだ。
帰りたい。
歩きながら、ただ弱音ばかり吐いていた。

やっぱり、歩き旅には向いていないのだろうか?
歩き旅のときは、いつも2日でギブアップするもんな。

それと、足の裏に違和感を感じはじめた。
見ると、案の定両足小指にでっかいマメができている。
さらに、杖をついて歩いてるため、杖を持っている手のひらに血マメができている。
極めつけは、またずれ。
太もも同士が擦(す)れ合って、大きなミミズバレができている。
特にまたずれは、シャレんならないくらい、痛い。


しかしながら、先ほどからバスはおろか、タクシーの姿が見えない。
どうやら、今日は引き返しようがないらしい。
とりあえず帰宅はムリなんで、とりあえず前へ進むことに専念した。


午後5時を過ぎたころ、丸山という集落にたどり着いた。
やたら、民宿や旅館が多いところだ。
今日は屋根のあるところへ泊まり、とりあえずゆっくりしよう。
そう考え、片っ端から宿屋をあたることにした。

が、どこも一杯!
さして名物もなさげなこの土地には、何やら家族連れがやたら泊まりに来ている。

今のテンションで、キャンプや野宿はしたくない。
根気よく、さらに宿をあたってみた。
が、結局は一緒だ。


午後6時、いくら探しても見つからない宿をあきらめ、野宿をすることでハラを決めた。
そう思って集落を少し離れると、道路脇に東屋のある小さな休憩所を発見。
よし、ここで野宿しよう!

・・・と思ったはいいが、1つ重大なことに気がついた。
持ち合わせの飲み水が、ほとんどない!
当然、近くに自販機はない。
集落に買いに戻るのもいいが、ゆうに片道10分はかかる。
来た道戻って、また同じ道を歩くほど屈辱的なことはない。
ここは泣く泣く、素通りすることにした。


海岸沿いの道から、山道へと差し掛かったころ、雨がポツリと1滴落ちた。
降るか?
この時間に降られては、テントの張りようがない。
かといって、宿屋はない・・・
一気にあせりだした。

それにしても、野宿とハラ決めたんなら、なぜ飲み水を買っておかなかったのだろう?
さっきの東屋以外にも、海岸には野宿できそうなスポットがいくつかあったのに、飲み水がないせいですべて素通りだ。
自分自身の段取りの悪さに、心底ハラがたった。

歩いてすぐ集落があったので、とりあえず自販機でお茶を買った。
ついでに宿も確保・・・といきたいところだが、ここには宿が見当たらない。


民家もすぐに通り過ぎた。
そこに待っていたのは、すごい山道。
歩道はもちろんなく、路肩は狭い。

どうやらそろそろ日没の限界らしく、歩く度に暗くなっていく。
暗いのにこんな道を歩くのは、めちゃくちゃ危ない。
完全に暗くなくとも、例えば自分が原チャリだったら、こういう道はものすごく飛ばすだろうから、とにかくこわい。

途中で2箇所ほど、草が生い茂りつつも、辛うじてテントが張れそうな空き地があった。
またずれは痛く、疲労はピークなので、いっそここで泊まろうと本気で考えた。
しかしこんな場所では、とても熟睡できないだろう。
特に、野生動物に襲われそうだ。

見えない目的をただひたすら追い続け、ただ自分をムリヤリ元気づけながら歩いた。


久しぶりに、道が分岐している。

まっすぐ行くと、先へ進める。
先には何があるか不透明ではあるが、30分以上歩くと道の駅があることは間違いない。
しかし道の駅で野宿できるかどうかの保証はない。

左へ曲がると、市街地があるらしい。
山道を下るわけなので、海沿いに出られたら、何とか野宿はできそうだ。
しかし砂地がなく、民家の多い市街地だったら、野宿はできない。

いくらか迷ったが、後者の道に賭けてみた。


市街地というよりは、閑静な民宿街。
道沿いには、ずらっと民宿が並んでいた。

いくらか玄関をのぞいてみたが、いずれも玄関に靴がいっぱい。
こりゃ、泊まれそうにない。

諦めて先を進むと、「キャンプ場」の文字が。
テントがいくらかあって、そこそこにぎやかだ。

よかった。
久しぶりに聞く人々の話し声を聞いて、安心感がどっと押し寄せた。


場所を確保して腰を降ろしたころには、あたりは真っ暗になっていた。
まさに、間一髪。
しばらくはテントをたてるでもなく、ただ疲れを癒すべく、ボーっと座りこんだ。
目の前に、淡路島と徳島を結ぶ「大鳴門橋」が、幻想的にライトアップされているのを見ながら。

少し回復したころに、ようやくテントを張り、周囲を散策。
防波堤をはさんで向こう側へ歩くと、どうやら管理塔らしき建物があった。
とりあえずトイレでタオルを濡らし、体中を拭いた。
そう言えば、2日立て続けにお風呂入ってないなぁ。

そう思った矢先、トイレのすぐ近くにシャワー室があることに気がついた。
入りたいところだが、着替えも石鹸も、テントの中だ。
取りに行くには面倒な距離にテントを張っているので、しぶしぶ諦めた。
まったく、何から何まで段取り悪いな!


相変わらず、花火がほうぼうからあがる。
まぁ、今はそれにハラをたてる体力も残っていない。
花火がなりやむのを待ってから、ゆっくり寝るとしよう。

どうせ、明日は帰るつもりだし。
何なら明日は、ゆっくり寝ようかな?
そう思いつつも、携帯の目覚ましはしっかりと午前5時半にセットした。


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