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淡路島一周歩きの旅!〜沼島編〜    【2日目】
● 2005年9月18日(日) はれ 兵庫県南淡町(沼島)〜兵庫県南淡町 24,644歩




沼島の夜は、非常に静か。夜中に車が走らないだけで、これ
ほどまでに静かなものなのか。当然、静かな朝を迎えられる。


遊歩道と呼ぶには、あまりに荒れすぎているお遍路道。
名物と思っていたお遍路も、今となっては昔の産物なのか?



標識を頼りに向かった灯台は、存在感こそあれど、ただ
建っているだけで展望ものぞめないし、休憩もできない。



沼島のシンボルであり、インパクトの強い岩、上立神岩。もっと
近づいてみたかったが、クルーザーなどからでないと無理らしい。

おのころ伝説

むかしむかし、イザナキとイザナミという2人の神様がいました。
2人の神は、まだ大地のない下界を、天沼矛(あめのぬぼこ)という矛でかき回しました。
天沼矛を取り出し、そのとき天沼矛からしたたり落ちた塩が固まり、「おのころ島」ができたそうです。

この「おのころ島」が沼島である、といわれている。
しかし実際、淡路島という説もあれば、友が島であるという説もあり、明確ではない。
どうやら「古事記」に記されているらしいので、興味のある方はいちど調べてみよう。



空が広く、海が見下ろせる丘。これでも昔は、松の木が生い茂る
遊歩道だったとか。森林再生のため、若い松があちこちで見られる。
沼島のみどころ

沼島の名物を、簡単に紹介します。

【八十八箇所めぐり】
本文にもあるとおり。
八十八箇所にあるお地蔵さんを訪ねながら、島を一周できる。
場所により景色が変わるため、ハイキングとして持ってこい。

【上立神岩】
沼島のシンボルである、神岩。
タテ長にそびえ立つ姿は圧巻。
徒歩では近くにたどり着くことは不可能で、あらかじめクルーザなどの予約が必要。

【だんじり祭り】
五月に開催されるお祭り。
沼島中心にある八幡宮の下で、だんじりが集結する。
実物は見ていないが、写真を見る限り、かなり活気がありそうだ。

【おのころ神社】
イザナギ・イザナミの神様がまつられた神社。
木に囲まれた、険しく急な山道を抜けて行かなければならない。
こういう人里はなれた場所だからこそ、神聖に感じられる。

【はも料理】
沼島の名産品は、はも。
夏場が旬なので、この時期にはぜひとも味わいたい。
はじめて「はもしゃぶ」を作った、「旅館木村屋」がおすすめらしい。



静観な近代的マンションかと思いきや、全校生徒わずか14人の
沼島中学校校舎。すぐ隣には小学校が併設されている。



おのころ神社にそびえ建つ、日本の創始者といわれる神様、
イザナギ・イザナミ神。古事記や日本書紀に登場するらしい。



沼島から淡路島へ帰るフェリーでの、夕焼けのショット。
普段よりも余計に、夕焼け空が悲しく感じられた。
昨夜は、日記を書いた防波堤のすぐ近く、フェリーターミナルの横でテントを張った。
思っていたとおり、非常に静かで安心できるな夜だった。

にもかかわらず、寝つきが非常に悪かった。
午後9時にテントに入ったのに、11時くらいまでは眠れなかった。
生活のバイオリズムが平日モードのままであることと、昨日はあまり歩いてないことが原因だろう。

起床は、午前5時半。
予想どおり、この時間からすでに釣り人がいっぱいいる。
中には、明らかに昨夜釣りをしていた人もいる。
この人ら、いつ寝るんやろ?


特に急ぐ理由はないので、いつになくゆっくりと朝を過ごし、午前7時にスタート。
まずは、フェリーターミナル前の地図を確認。
どうやら昨日は、わからんなりにも無事、お地蔵さんを9番までまわれたらしい。

朝のすがすがしい気分の中、歩き始めた。
途中すれ違う町の人は、みんなあいさつしてくださる。
朝から町をウロつく旅はあんまり経験ないとはいえ、町から温もりを感じられたのは、はじめてだ。


民家をすり抜け、まずは10番・11番を巡った。
次からは、どうやら山道に入るらしい。
相変わらず何の標識もないまま、山道の入り口らしきところを発見。
えっ、これ上るの?
そんな印象を受けるほど、非常に素朴な上り坂だ。


山道は険しい。
道そのものがあまり手入れされていないらしく、途中でくもの巣にひっかかるわ、足元は雑草に当たりまくるわ、大変である。
きっとこれは、中級レベルの登山者が歩くコースじゃないのかな?
とても、半そで半パン姿で歩く道ではない。

そんな険しい道の脇に、お地蔵さんがポツポツと点在する。
お地蔵さんは、基本的に同じ番号のものが、2体1セットで置かれている。
お地蔵さんを合掌しているすぐ右手には、次のお地蔵さんが見えるほど、お地蔵さん同志の間隔がせまい。


順調に追っていたが、25番と26番が見当たらない。
あらかじめデジカメで撮影した地図の写真を確認すると、どうやら右手に脇道があるようだ。
が、脇道らしきものがない。

唯一歩けそうな道は、かなりの急坂。
道というよりは、ただ山菜取りか何かをしているうちに、自然に開かれた獣道だ。
降りてみたが、やがて道が閉じて行く。
ここではない。

30分くらい、ひたすら周囲をウロついた。
同じところを何度も何度も歩いて、まわりから見られたら、さぞかし不審だったろう。
その間1人たりとも、道に人が来なかったからいいけど。

結局、25番と26番はあきらめた。
番号を飛ばしたのはスッキリしないけど、ないものは仕方がない。


相変わらず人通りも標識もない山道を、さらに進んだ。
久しぶりに標識を見て、近くに灯台があるとのことで見に行った。
が、まぁ何の変哲もない灯台が立っているだけ。
せめて休憩できるベンチでもあったらいいのに、「ここから先立ち入り禁止」とあり、灯台の足元まで進めない。

そこから、またひたすら歩いた。
途中で何度か道の分岐があり、そのたびデジカメで撮影した地図を確認し、方向確認。
もう標識はあきらめるとして、せめて八十八箇所めぐりの地図の印刷物でも、作ってくれないかなぁ。


とある分岐で、どう考えても道がわからない場所にたどり着いた。
右へ行くと、町に戻る。
まっすぐ行くと、別の道。
左へ行くと、行きたい道。

だから左へ行ったのだが、道が海へ降りる勢いの階段に変わった。
仕方なく降りていくと、やがて階段は崩落していて、真下には真っ黒な断崖がずらりと並ぶ。
思わず息をのみつつ、視線を左へ向けると、海岸に1本の長細い岩がたっている。
これこそが、沼島のシンボル、上立神岩。

日本列島の、はじめにできた島だという伝説があるらしい。
伝説云々はあまり信じるほうではないが、その豪快な姿には、しばし見とれてしまった。


しかし、行きたい道が見当たらず、さっきの分岐へと戻った。
実はこのとき、飲み水が残りわずかだった。
できれば町へ戻って給水したいのだが、一度山を降りてまたのぼり直すのはキツイ。
増して、時間が経つにつれどんどん暑くなってきてるので、今のうちに八十八箇所まわっておきたい。

また、行きたい道へ進むと、「八十八箇所接待所」なる場所がある。
ここでは、何かしら給水できそうだ。

とりあえず、先へ進むことにした。
とすると残った道は、まっすぐ進むしかない。
まっすぐ進んだら、途中で道が分岐しているかも知れないし。

案の定、まっすぐ進んでも、あるはずのお地蔵さんは見当たらなかった。
接待所もなし。
これで、43番・44番もパスすることとなった。


太陽は照り、ますます気温が高くなる。
そういえばさっきから、全然休んでいない。
体力的にも、かなりキツイ。

左手に、東屋への上り道があったので、最後の力をふりしぼって上った。
やっとこさ、休憩できた。
休む時間に比例してのどがかわくのだが、十分な水分はない。
お茶を少しずつのどに流し込みながら、とりあえずゆっくり休み、体力だけは回復した。

そこからの道は、今までとはうって変わって、明るい!
まわりの木がほとんどなく、空が広い。
体力も回復したところなので、気持ちよく歩くことができた。


東屋から歩いてすぐ、またも別の東屋の標識が。
さっき休んだところなので寄りたくないなぁ、と思いながらも、東屋のまわりにお地蔵さんがあるみたいなので、しぶしぶ行くことにした。

すると、60歳前後と思われる夫婦にバッタリ遭遇した。
地元の方だそうで、いろいろ話をしてくださった。

このあたりは、かつて松の木が茂る森だったそうだ。
最近は、その松がめっきり枯れ、このような景色に変わってしまったらしい。
自然破壊の代償が、空の広い絶景とは、何とも皮肉な話である。

その他、この東屋付近は気象観測の場所だったらしい。
なるほど、そのようなことが記された石碑が建てられている。


夫婦とお別れした後は、休憩もそこそこにまた歩いた。
するとまた、東屋の標識。
一体、どんだけ多いねん!
しかもこの先は、雑草だらけで道が険しすぎる。

マムシを警戒し、クモの巣をふり払い、何とか東屋にたどり着いた。
けどここ、さっきのとこやんけ!
せっかく苦労して歩いて、これかいな。
まぁ、さっき見落としていたお地蔵さんを見つけられたので、良しとしよう。


道は再び、木の生い茂る道となった。
このあたりは比較的人が通るのか、道がきれいだ。
お地蔵さんも、他のところに比べてきれいに手入れされている。

木陰が心地よかったが、のどがかわいていることには変わりなく、やや早足に進んでしまった。
もっとゆっくり、森林浴がしたかったのに。


86番までまわったところで、ようやく山道から降りた。
残り2体は、町の中にあるようだ。

それより、水分!
すぐ目の前が海水浴場だったので、まっしぐらに水道へと向かった。
「キャンプ場などでは生水を飲むな!」という小さいころからの教育なんて、こんな状況で守ってられるか!
とりあえず気が済むまで、水をガブ飲みした。
ついでに、昨日からお風呂に入ってないんで、頭と体を洗った。


管理棟らしきコンクリートの建物の下で腰をおろし、とりあえず時間を見た。
もう夕方近くかな、と思っていたら・・・まだ正午!
この島は、どんな時間の流れをしているんだ?

とりあえずお湯をわかし、カップラーメンを食べる。
すぐ横には、6人くらいの男の人が、ビール飲みながらバーベキューをしている。
そして時間がたつにつれ、どんどんと人数が増える。
こういう場を目の当たりにすると、1人であることのさびしさを思い出してしまうので、ちょっとイヤだ。

ボーっと座っていると、1人の男の人が話しかけてきてくれた。
「兄ちゃんも食うか?」と、焼きたての貝を2つ、くださった。
ハマグリのような大きさのその貝は「バカ貝」というらしく、めちゃくちゃうまい!
こんなおいしいものを肴にして、昼からビール飲めるなんて、いいなぁ。


2時間ほどの休憩ののち、再出発。
87番と88番の位置がわからないため、一度フェリーターミナルへ戻った。
戻る際に町を見ると、ところどころで男の人が集まり、酒を飲んで談笑している。
休みの日に1日家で寝たり、パチンコなんぞにうつつを抜かす都会に比べると、はるかに有意義な休日だなぁ。

地図を頭に叩き込み、再出発。
やはりわかりにくい地理ながら、何とかフィーリングで、87番と88番を巡礼。
かくして、結願!
といっても正直あまり感動はなく、「終わったね〜、これからどうしよ?」という気持ちだけが残った。


そこからは何度も、フェリーターミナルの地図へ戻っては観光スポットを探し、町めぐりのくり返し。
島に唯一ある小学校と中学校は、想像以上に近代的で、ちょっとしたマンションのようなたたずまいだった。
名所の1つである「おのころ神社」は、険しい獣道をのぼり切ったところにあり、風景こそのぞめないがなかなか古風あるところだった。

午後4時ごろ、さすがにネタ切れとなった。
商店でビールと食事を買い、フェリーターミナルへ。
旅の途中の真っ昼間にもかかわらず、ビールを飲んでしばらく海を眺めた。


このまま、またここで野宿するのもいい。
でも同じ場所で続けて寝るってのは、個人的にあまり好きではない。
じゃあ、とりあえず島を出るか。

午後6時前、夕焼けを眺めながら沼島をあとにした。
あまりに楽しかった島だけに、何とも切ない気分だった。


そして現在、淡路島側のフェリーターミナル近くの、防波堤で日記を書いている。
今日は中秋の名月!
まあるくオレンジ色に光る月が、先ほどから南の空にのぼっている。
月もさながら、海面に反射する月光もすばらしくきれいだ。

先ほど沼島で買った日本酒をコンロで温め、月見で一杯といこうかな。


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