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淡路島一周歩きの旅!〜沼島編〜    【3日目】
● 2005年9月19日(月) はれのちくもり 兵庫県南淡町〜兵庫県洲本市 40,361歩




写真のオレンジ色のものが、浮き島へ渡っている橋。
こいつが夜中ずうっときしんでいたため、うるさかった。


民家のない海沿いの道は、どこへ行ってもこんな風景。
これがえんえん続いたのでは、旅も楽しくなくなる。


民家も歩道もない山道には、当然休憩場所もない。道の
カーブは唯一車幅が広いため、道に座り込んで休憩。
ナゾのパラダイス

正式名称は、「立川水仙郷」。
もともとは、冬場に水仙が咲き乱れる季節限定の観光スポットだ。
しかしオーナーが、手作りで博物館やらテーマパークらしきものを作り、そっち側が有名になってしまっている。

さらにその内容を、関西の超人気番組「探偵!ナイトスクープ」に紹介されたため、その宣伝効果たるやすごいものだ。
シーズンオフにもかかわらず、次から次へと人が入ってくる。
実際に、道から見下ろす敷地内には、非常に多くの人が集まっていた。



淡路島でも、圧倒的な存在感の「ナゾのパラダイス」。
宣伝用の看板を見てまわるだけでも、十分面白い。


ナゾのパラダイスの、玄関口であるドライブイン。客でもない僕に
親切にしてくれるおばさんに、ここが繁盛する理由が見えた。


民家と工業地帯が混在する、生石。こういう地域を冒険すると、
けっこう面白かったりする。今度時間があったら、また来てみよう。


大浜海岸は、淡路島でも特に栄えている場所、洲本市街の
すぐ近くにある。夏場は人がごったがえしてるんだろうなぁ。
フェリーターミナルでの野宿も、なかなか難しいものだ。
どこでもテント張れると思っていたが、なかなか場所が見つからなかった。

防波堤のすぐ近くだと釣り人の話し声が気になるし、ターミナルの近くだと時折走ってくる車の音がうるさい。
その中間となる地点は浮き島のきしむ音がうるさいし、ターミナルから離れると工事現場なのでいつ大型車に踏まれるかわからない。

さんざんウロウロして、結局浮き島近くで寝ることにした。
浮き島のきしみは思った以上には気にならず、快眠ができた。


夜中2時ごろ、表に出していた夕食のゴミを、猫がつっつく音で目が覚めた。
目覚めついでにおしっこをしようと、外へ出た。
するとどうだ、街灯がほとんど消えたターミナルが、妙に明るい。

月光だ。
月光ってこんなに明るいものなのか。
足元からのびる自分の影が、くっきり見えていることにはビックリした。
また、空には月光のせいで星がほとんど見えない。
28歳にして、普段から間近にある自然の力に、感動した。


目覚めは午前5時半。
昨日の日本酒が少し効いてるのか、寝起きがあまりよろしくない。
かといって、「釣り人」と「海」と「朝日」のステキな光景をみすみす逃すのももったいないので、ダラダラ〜っと過ごした。

フェリーの第一便が到着した午前7時前に、出発。

左に山、右にテトラポットと海岸が広がる。
この光景が、えんえんと4時間続いた。
苦痛以外のなにものでもない。


途中のどが渇いたが、当然こんな場所に自販機はない。
フェリーターミナルで、買い込んでおけばよかった。
昨日脱水症状で苦しんだばっかりなのに、なんで学習できないかなぁ。

太陽は常に照っており、体力も水分も奪ってくれる。
まわりには建物がなく、車道だけが続いているため、休憩できない。
ちょっとした影を見つけては、迷わず休憩した。


さっきから、建物も何にもないこの地に、駐車する車がポツポツとある。
よくよく海側を見てみると、全身ダイバースーツ姿の人が、桶を浮かべながら何度も海面をもぐっている。

この姿、女性なら「海女(あま)」ということを知っている。
でもみなさん男性ばかり。
この場合、何て呼べばいいのかな?
「密漁」?


ようやく風景が変わったかと思えば、今度はものすごい上り坂。
淡路島を一周する道の中でも、特に立体的な場所だ。

運良く天気はくもってくれ、暑さはいくらか緩和された。
それにしても、やはり歩道のない山道はツライ。
おまけに、スズメバチが多く、いろんな意味でコワイ。

そういえば、かつて自転車で淡路島一周したときも、ここのススメバチには難儀した。
自転車のときは、目の前にスズメバチが向かって来るたびにブレーキをかけてはペースを乱され、怖さを越えて苛立ちを覚えたものだ。
それに比べたら、少し立ち止まるだけで逃げて行ってくれる今のほうが、いくぶんましだ。


山道ばっかり見ててもしんどいだけなので、ガードレールのすぐ向こうにある林のすき間を見ながら歩いた。
足の踏み場もない荒地なのに、明らかに人工的に作られたコンクリートの塊であるとか、旧道を思わせる道筋があることに気がつく。
こんなまわりに何もない一角に、生活の足跡があるなんて・・・
何ともいえないノスタルジックな気分になった。


上り坂がようやく終わり、下りに差しかかろうとしたところに、久しぶりに建造物が見える。
「ナゾのパラダイス」。
大きく書かれたその看板は、淡路島のひそかな名物である。


ドライブインになっている入り口に寄り、のどをうるおすべくお茶を買った。
すると呼び込みをしているおばちゃんが、さっきまで座っていたイスをすすめてくれた。
ちょうど後ろから扇風機の風があたり、涼しい。
こんな特等席をわざわざゆずっていただけるとは、ありがたくて仕方ない。

また、おばちゃんはいろいろ話し相手になってくれた。
今日は特に自転車で走っている人が多いであるとか、この先は下り坂ばかりだからラクであるとか、雲があるから涼しくなるだろうとか。
こういうちょっとした会話が、ひとりでずっと旅している人間にしては、非常に楽しく感じる。


水分補給と体力回復が完全に済み、再スタート。
予想に反してまたしばらく上りが続いた。
が、いずれ下り坂となった。

久しぶりの町並み。
民家と工業地帯をぎゅっと詰め込んだような、生石という町。
かつて自転車で通っているはずなのに、全然覚えていない。
素朴で個性的で、何ともいえない味のある町だった。


さらに道を進み、今度は由良町。
道路のすぐ右手に、港が広がる。
しかし左手にうつるのは、港のすぐそばだというのに、あまり港町らしさがない近代的な町並み。

港から海を見ると、すぐ向こうに自然にできた防波堤「成ヶ島」がある。
時間があるので渡りたかったが、渡し舟が見当たらない。
渡し舟の乗り場は一応あるのだが、そこにいるのは釣り人と地元の人で、どうやらあらかじめ連絡をしておかなければならないようだ。
よ〜く島を見てみたが、特に面白そうなものはなさそうなので、行くのをやめた。


あとは今日の目的地、洲本へひたすら歩いた。
途中、「もっと歩きたい!」という衝動に駆られた。
歩き旅で、こんな思いになったのははじめてだ。
もしや、知らない間に歩き旅にハマってきたのかな?

さらにその衝動を増幅させるかのように、松林の広がるビーチへたどり着いた。
「大浜海岸」。
シーズンオフということもあってか、人がまばらである。
それにしても、海岸がけっこう広く、眺めは最高!
いちおう「キャンプ禁止」とか書いているが、これだけ広ければなんとか隠れてテントは張れそうだ。

が、明日は仕事。
何をどう転んでも、ここで泊まることは許されない。
しばらく休憩し、水道で体を洗って、しぶしぶまた歩き出した。


さぁて、洲本へ到着!
ここからは、大阪へ帰るための交通手段を探さなければならない。

実は、洲本から大阪までの帰る術を、まったく調べていなかった。
「栄えてるし、何とかなるやろ」と、またしても軽く考えていたのだ。


しかし心配ご無用、道にしっかり標識がある。
左に「高速バスターミナル」、右に「高速フェリー乗り場」。
明らかに便が少ないであろうフェリーを、まず見にいった。

20分後に出航するらしい。
しかし行き先が、「関西空港」。
関西空港から我が家までは交通の便が悪いため、時間がかかりそうだ。
とりあえず一旦見送る形にした。


続いて高速バス乗り場。
いくつものバス乗り場が並び、まるで迷路のような歩道を抜け出し、バスターミナルへ。

するとターミナルの目の前に、今にも出発しそうなバスが停まっている。
「もしや」と思い運転手に尋ねてみると、予想通り、三ノ宮行きバスだ。
「ちょっと待ってください!」とあわててターミナルへかけこみ、切符を買ってすぐさまバスへ乗り込んだ。
息を切らしつつ、慌てて乗り込んだと同時に、バスが出発した。
2日前の自分がちょっとフラッシュバックした。


今回の旅は、これでおしまい。
めでたしめでたし・・・ではあるが、着替える時間がなかったため、服がくさい!
自分でにおいがわかるほどだから、きっとまわりの乗客はもっと迷惑なはず。

恥も外聞も脱ぎ捨て、服を脱ぎ捨てて着替えた。
やはりお風呂と洗濯、旅には大事なんだなぁ。


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