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ママチャリしまなみ海道周遊    【2日目】
● 2006年5月4日(木) はれ 兵庫県姫路市〜広島県福山市 146.6km



田園の真ん中に、あまりにも自然にある竪穴式住居。
近くで見ると、意外に迫力ある。ここで野宿したいなぁ。
旅の目的

大阪から広島まで走り、瀬戸内海に浮かぶ島々を結ぶ「しまなみ海道」を渡ること。
ただ渡るだけでは1日持たないので、「島々を1周」すること。
さらに、しまなみ海道の順路でなくとも、島内から橋が架かって別の島へ行けるなら、行くこと。

ようは、「いかに長時間しまなみ海道を楽しむか」というのが大きな目標だ。
“しまなみ海道”と聞いてピンと来ない方は、下のコラムもご参照ください。



バイパスの本道・側道の分離帯にて。歩道のない道で、
時速100キロ近い車が次々とやって来る恐怖、わかる?
しまなみ海道

広島県尾道市から、愛媛県今治市まで、つまり本州〜四国間を結ぶ自動車道のこと。
詳細には、この区間には多くの離島が点在しており、その離島をそれぞれ橋で結んだもの。
一般的に、しまなみ海道が通る離島は次のとおり。
・向島
・因島
・生口島
・大三島
・伯方島
・大島
・馬島

離島を結んでいることもさながら、しまなみ海道の最大の特長は、「自転車・歩行者が通れる」ことである。
海上に架かる橋で、自転車・歩行者が通れる場所はめったにない。

しまなみ海道の各所では、格安のレンタサイクルもあり、昼間はサイクリストが絶えない。
また、自転車旅人が極端に多く、「聖地」でもある。



右にお寺の看板、左に保育園の看板を構える、今回
どうしても立ち寄りたかった場所。名前はあえて検閲。



街中にある、鏡張りの看板。このパチンコ屋のような建物が、
今日の寝床。外の騒音が心配だったが、意外に防音は万全。



“広島ご当地モノ”を探し歩き、たどりついたのが赤ちょうちん
「自由軒」。この店構えが妙に落ち着く。ここのおでんは絶品!
暑い!
昨夜は暑さにのたうちまわった。

成人男性が一人なんとか眠れるカプセルのスペースには、手のひらほどの排気口が1つあるだけ。
空調設備はまったくないため、熱が思いっきりこもるのである。

よりによって昨日は、サウナで1時間以上もゆっくりした。
そのため体のほてりが長時間持続し、カプセル内部の熱が長時間にわたって温存されたのだ。


思わぬ熱帯夜にうなされながらも、予定通り午前5時半に起床した。
持ち込んでいいかわからない朝食を堂々とロビーでたいらげ、1時間後に出発。

案の定、自転車は無事だった。
ただ、明らかに停めた場所より動かされた形跡があったのは、気分悪かった。


昨日に引き続き、今日も国道2号線を終日走る。
しかし昨日と違って、姫路を越えたあたりから街並みが薄れ、時折田園風景などが姿をあらわした。
苦にならない程度だが、坂の上り下りがいくらかあった。


2時間ほどして、田園の一角にわらでできた建物が並んでいることに気がついた。
ちょっと休憩もしたかったし、立ち寄ってみた。

建物は、何と竪穴式住居!
竪穴式住居が数件あり、高床倉庫まである。
まさかこんなところに、数千年もまわりの文化に感化されない場所があるなんて。

もちろん、そんなわけではない。
「沖田遺跡歴史公園」という、遺跡跡を利用して昔の建造物を再現した公園らしい。

広さは児童公園5個分ほどしかなく、国道から案内板などはない。
きっと観光ガイドにも、紹介されていないと思われる規模だ。
こういうマイナーな場所を見ることが、個人的には大好きだ。


さらに1時間ほど進んだところで、急におなかが空いた。
厳密には、空腹感というよりは、「甘いモノ」がめちゃくちゃ欲しくなった。

最近、旅の途中でこの現象が起きる。
体が糖を欲していることが原因と考えられるが、昔はこんな現象起きなかった。
「気力」だけで運動ができるほど、若くない証拠だろうか。

運悪く、こういうときに限って、コンビニはおろか自販機すら見当たらない。
30分以上ガマンを重ね、ようやく見えたコンビニに、一目散に駆け寄った。

とりあえず時間は早いが、少し早めの昼食をとることにした。
うどんを1杯食べた・・・が、食べながら、やっぱり空腹感がないことを実感した。
食後にチョコレートを食べると、体中の細胞が喜ぶ声が聞こえてきた。
いっそ、甘いモノばっかり食べたら良かったかな?


再度走り出すと、道は高速道路のような道に変わった。
道幅は広いが歩道がなく、途中何度も合流点があり、信号がない。
俗に、「バイパス」と呼ばれる道だ。

以降、ずっとバイパスが続いた。
きっと車で走っている人にとっては、重い荷物かかえた自転車は邪魔だっただろう。

でもうらまないでね。
自転車走ってはいけないと思われるこのバイパス、「自動車専用」や「自転車禁止」の道路標識がないから、道路交通法としては自転車の通行が許されてるんですよ。
うらむなら、道路標識を管轄する組織をうらんでね。


バイパスを走ると、車に気を遣ってしまうため、疲れる。
特に合流点などは、自分が走っている本道の車と、側道の車の両方を見ないといけないため、必要以上の神経を使ってしまう。

ちょっと疲れを感じたので、再度コンビニへ寄った。
そろそろ日没がはじまるかな、と思い時計に目をやると、まだ午後1時。
えっ、うそ?
あまりに時間の流れが遅いことに、ビックリした。

予定よりだいぶ早めに動いているため、あえてここではゆっくりと休憩することにした。
ゆっくりといっても、30分ほどであるが。


休憩後は、もちろんまたバイパス。
しかもここからは、路肩が極端に狭いうえ、高架の壁がめちゃくちゃ低い。
少しでも車と接触しようもんなら、即大事故につながる。

対向車にあおられたりしながらも、無我夢中で走った。
だから、自転車禁止の道じゃないんやから、あおるなって!


岡山の笠岡市というところに到着したとき、一旦国道から離れた。
どうしても寄りたいところがあったのだ。

そこは、お寺。
かつて日本一周したときに、宿のお世話になったところだ。
厳密にいえば、お寺の敷地内にある保育園の、教室で眠らせてもらったのだ。

道に迷うかと思ったが、意外に風景を覚えていたため、あっさりとお寺を見つけられた。
いざお寺の前へ立ってみたところで、足がすくんだ。
8年も前のことを覚えてくれているのか、手ブラで来て失礼ではないか、そもそも大型連休の時期は忙しかったりするのではないだろうか・・・
いろんな思考が頭をめぐり、結局お寺の前で軽く会釈するにとどめた。

国道へ戻る途中、なんか気分がモヤモヤした。
せっかくここまで来て、帰っていいのか?
失礼は承知でも、やはり当時のお礼は伝えるべきではないか?

激しい葛藤ののち、気がつけば再度お寺の前に来ていた。
会うしかない。

お寺の門をくぐり、インターホンを押した。
聞くからに、警戒したような声が戻ってくる。
「8年前にお世話になった」という旨を、必死になって説明した。

間もなく、住職さんが姿をあらわした。
年配の方だ。
僕が記憶していた方は、割と若い方だったので、どうやらそのお父さんだろう。

決して嫌がるそぶりもなく、「わざわざどうも」と笑顔で接していただけた。
やっぱり、あいさつしてよかった。
その笑顔を見て、そう思った。
何度も何度も頭を下げ、スッキリした気持ちでお寺をあとにした。


国道に戻って1時間、目的地である広島県・福山市へ到着。
昨日に引き続き、目星をつけていたカプセルホテル「カプセルサウナ日本」へ直行した。
昨日は「小じんまりとした商店街の一角」にあったが、ここはメインロードともいえる大きな通りの一角にある。

チェックインし、ひとっ風呂浴びたところで、時間は午後6時過ぎ。
まだ空は明るいし、腹ごしらえをしないといけないので、ぷらっと外を徘徊することにした。


福山駅前は、デパートあり商店街ありで、なかなかにぎわっている。
せっかく広島に来たのだから、何かご当地モノを食べたい。
僕の頭には「広島風お好み焼き」しか浮かばなかったので、お好み焼き屋を探した。

が、どこにも見当たらない!
大阪だったら、どんな駅おりても、たいがい5分以内には1件見つかるのに。

ようやく駅で、1件見つけた。
しかし店の名前に「大阪」とついている。
これじゃあ意味ないやんけ!


結局「自由軒」という、大衆食堂と一杯飲み屋を混ぜたような店へ入った。
店内はほとんど常連客のようで、実にほがらかでアットホームな雰囲気だ。
しゃれたレストランなんかより、この小汚いながらも温かみを感じられる空間のほうが、はるかに好きである。

で、ご当地モノのメニューは当然なく、諦めてカツ丼とビールをいただいた。
1時間も街を徘徊して、何やってんだか。


そして現在、カプセルホテルのロビーで、これを書いたり地図で明日のプランを考えている。
自分のカプセルへ行かないは、ひとえに昨日の教訓を生かしているのだ。

今日はゆっくり眠りたいなぁ。


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