ホームへ
履歴書 ダイアリ 旅の足跡 日帰温泉 リンク 掲示板 チャット
||    ≪旅の足あとTOP ||         1日目    |    2日目    |    3日目    |    4日目    |    5日目        ||


キックボード能登半島一周    【3日目】
● 2009年9月21日(月) はれ 石川県輪島市〜石川県能登町



早朝の絶景、「千枚田」。生産性や効率などより、
伝統を重んじてる精神が、なお美しく映える。


通りがかりに差しかかった、珠洲市の塩田。奥能登の
青い海に、点在する塩田の景色は、思わす息をのむ。



軍艦島とも称される、無人島の「見附島」。この界隈の海岸を
「えんむすビーチ」と呼ぶ。その他カップルにちなむ名前が点在。



屋根完備・窓完備の、野宿場所としては快適な小屋。
中にテントを張るところに、旅人らしからぬ潔癖症が見える。
昨日と同じく、朝からテンションがあがらない。
どうやら、毎晩熱燗にして飲んでいる地酒ワンカップが、朝まで尾を引いているようだ。

出発して間もなく、千枚田のビュースポットに。
いくつもの小さな田んぼが、びっしりと並ぶ。
社会の教科書以来に見る風景は、美しさと同時に、収穫しにくそうだという現実を考えてしまう。

しばらく風景を楽しんでいると、そこで手作り人形を販売しているおばあちゃんに、声をかけられる。
かつて人力車などで能登半島一周している人物など見てきたが、キックボードははじめてだと言う。
けっこう長めに話をしてくれ、まる2日誰とも会話していない心に、しみわたる。


海沿いを走りしばらくすると、閑静な道がとたんににぎやかになる。
昨日同様、「ツールドのと」ご一行様との合流。
昨日は「がんばれよ!」という声が多かったが、今日は「昨日も会いましたよね?」という声が多い。
有名人にでもなったようで、妙に照れくさい。


海沿いをずっと走れば、能登半島の先端に行ける。
が、2日間の進捗具合を逆算すると、それでは時間が足りなくなる可能性がある。
仕方なく、先端を回避してショートカットする道へ。

しかしこの道が、とんでもなく急な坂道!
自転車であっても、足をつかずに登ることは困難だろう。
汗ダクになりながら、ひたすらキックボードを押し進む。

峠を上りきったところで、体力が尽きる。
トンネルの日陰を利用し、30分ほど休憩。
いつも休憩は10分くらいであるが、30分間休んだ。
体が動かないのである。


峠を下り、しばらく走ると、再び「ツールドのと」と合流。
昨日もちょいちょい話しかけてくれたお兄さんが、僕に併走して、しばらく話をしてくれる。
こんなゆっくりなペースにあわせてもらい、申し訳ない。

お兄さんと別れてしばらく行くと、今度は若い女性が併走。
何でも、10日間くらい走り続けているらしい。
ホンマに自転車が好きなんだなぁ。


なかなか食べ物を売ってるお店が見つからず、ようやく見つけたスーパーで昼食をとったのが、午後1時過ぎ。
食べている途中に、ツールドのと終了を知らせる車が、目の前を通る。
案の定、それ以降自転車の群れがパッタリと消える。
またしても、孤独な旅が続くのか・・・

再出発して、港町を走る。
意外にも、多くの住民から声援をいただく。
まだまだ孤独を恐れなくていいみたいだ。


夕方、山手にある温泉へ立ち寄る。
景色もさながら、3日ぶりの入浴は、実に気持ちがいい!
休息とは、食事と睡眠だけでは不十分であることを、実感する。

このまま長時間入っていたい。
が、もうすぐ夕暮れ。
休憩もそこそこに、出発。


昨夜のように、危険な場所での野宿はもうイヤだ。
はやめにスーパーで買い出しをし、はやめの宿探し。
2日間とも、あたりが暗くなってから宿探しだったので、これではイカン。
と思ってはいたが、けっきょく今日も夕暮れギリギリ。

海辺の道にある、バス停小屋。
けっこう新しく、引き戸と窓があり、ものすごく快適である。
腰を下ろすと、とたんに人恋しさに襲われる。
野宿では、こんな気持ちにならない。
安心できる空間を手に入れると、こんな気持ちになるのだろうか。


そのまま寝袋でザコ寝しても大丈夫なのだろうが、いかんせん潔癖症。
小屋にいる虫が気になるため、小屋の中にテントを張った。
この光景、外から見てみると、何と奇妙なものだろうか。


||    ≪旅の足あとTOP ||         1日目    |    2日目    |    3日目    |    4日目    |    5日目        ||