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キックボード能登半島一周    【5日目】
● 2009年9月23日(水) くもりときどき雨 石川県七尾市〜富山県高岡市



大荷物をかかえ、ひたすら日本中を歩き旅する62歳の女性。
キックボードを見て「ラクそう」と言われたのは、はじめて。


高岡駅の2階にある、おみやげ屋の並ぶショッピングモール。
暗く陰気ながら、品揃えが多くなかなか繁盛している。


帰りは特急・サンダーバード号。プラットフォームで帰りの電車を
見ると、旅が終わるという実感が湧き、安堵と哀愁の念が湧く。
夜中、何度も目を覚ます。
原因は、トラックのアイドリング音。
ドライブインだし、予測のできたことであるが、やはり不快である。

午前6時に起床するも、天気は雨。
迷わず二度寝し、1時間後に起床し、朝食。

雨はいっこうに止む気配がない。
昼まで止むのを待って、ダメならバスで帰ろう・・・
しばらくそう思っていたが、何のためルートを変更し、4日間もがんばっていたのか。
安全第一も大事だが、やはり目標達成も大事だろう。
そう思ったときにはちょうど小雨だったため、思い切って出発。


出発していきなり、峠。
歩道がないうえ、足元がヌルヌルと滑る。
これは天気が悪くなくとも、心が折れる。

車に気をつけゆっくり進み、うんと時間をかけて峠を越えた。
峠を下ってすぐにあった道の駅で、ひと息つく。

すると、1人のライダーが声をかけてきた。
カブでブラブラと旅しているとのこと。
出身地の話をすると、何と我が家のすぐ近く!
こんなところで、地元話に花を咲かすなんて。


道の駅を発ち、あいかわらず止まない雨の中進む。
何度か雨宿りをするが、止まっていたら降り続きそうな気がして、またすぐ出発する。

だいぶ雨足がゆるくなったというころ、前方を歩く1人の女性に目が行く。
明らかに僕の母より年配で、やたらと荷物を持っている。
浮浪者にしては、まったく汚さがない。

目が合うと、向こうからこちらに声をかけてくれた。
何でも、長期間歩き旅をしているとのこと。
会話の中で「伊賀上野」という地名が出たことから、少なくとも三重からここまで来たと予測できる。

旅の最中、食事をいただいたり、カバンをいただいたり、野宿中に金品を盗まれたり・・・
濃厚な旅の話もさながら、年齢を聞くと、何と62歳!
旅に優劣などない、と昔から思っているが、こればかりは「参りました」と頭を下げてしまう。


ステキな出会いに胸をときめかせるも、以降はえんえん風景の変わらない海沿いの道。
雨も完全には止んでくれず、昼食をとろうにもお店が見当たらず、テンションは下り坂。

ようやく見つけたコンビニでスタミナをつけると、あとはノンストップ!
海沿いの道がバイパス道に変わり、まわりに人が増え、いろんな視線を感じながらも、ひた走る。

あと10分でゴール!ってところで、異音とともに足に激痛。
タイヤが破裂し、破片が足に強くあたった。
あわててタイヤ交換をすると、ようやく止んだ雨が、突如強く降ってくる。
最後の最後で、なんてドラマチックなんだ。


そんな経緯を経て、ゴールである高岡駅へ無事到着。
思わず、何度もガッツポーズ。
ママチャリ旅と違って、キックボード旅は、えもいわれぬ達成感を覚える。
キックボードをたたんで駅を歩くと、あらためて背負っている荷物の重さが、身にしみる。

30歳を過ぎてから、ひとり旅の孤独感に嫌気を感じるようになった。
その矢先、こんなにも多くの人とふれ合える旅をしたのでは、当面ひとり旅をやめるわけには行かない。


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