ホームへ
履歴書 ダイアリ 旅の足跡 日帰温泉 リンク 掲示板 チャット
||    ≪旅の足あとTOP ||         1日目    |    2日目    |    3日目    ||


キックボード大阪→名古屋    【2日目】
● 2010年3月21日(日) くもり 滋賀県甲賀市〜三重県四日市市



写真の色が悪いのは、カメラの具合が悪いわけでも、補正の
せいでもない。朝から町がうす暗くなるほどの、はげしい黄砂!


鈴鹿峠を上る直前に見つけた石碑。このへんは「東海道」と
して栄えたらしく、ところどころに歴史を感じるものが点在する。


時代劇の舞台に迷い込んだかのように、昔ながらの雰囲気が
残る「関宿」。1軒ずつが普通の民家であることが驚きだ。


四日市市駅前にある、アーケード。全体的にきれい
なのはいいが、全体的にチェーン店が多いのが残念。


四日市名物「とんてき」。とにかくボリュームがあって、
1人で食べるとたちまちおなかいっぱいになってしまう。


夕食後にふらっと寄った立ち飲み屋では、旅の話で大盛り上がり!
特に僕の話に食いついてくれたUさんと、お店の前で記念撮影。
早めに寝たにもかかわらず、目が覚めたのは予定より遅い、午前7時。
天気予報では朝から気温が高いそうで、すぐにでも出発するつもりであった。
が、風が強い!
看板や窓を打つ風の音が館内に聞こえては、さすがに寒そうで、外出する気にならない。

けっきょく出発したのは、午前8時半。
カウンターで精算しながら、お店の人にキックボードを指摘される。
大阪から来たというと、当然ながらたいそう驚かれた。

しかし驚かれたことより、人と話ができたことが、うれしかった。
30歳を超えてからというもの、ひとり旅で感じる孤独感が、めっぽう弱くなった。


外は思ったほど、寒くはない。
風はいぜん強めであったが、運のよいことに向かい風。

あたり一面、風景がかすんで見える。
黄砂である。
濃霧にも似たこんな強い黄砂は、そう見られるものではない。


出発してからは、ゆるやかな上り坂が続く。
ここから先は、今回の旅で唯一の難所、標高350mの鈴鹿峠である。
急勾配で過酷な上り坂があるのかと思っていたので、ずいぶん楽である。

坂の途中から、雨が降り出した。
あわててバス停へと退避すると、まもなくやんだ。
と思って出発すると、またすかさずどしゃぶり・・・
そんなことが3度続き、ぶつけようのない怒りがこみあげた。


なんだかんだで無事峠を越え、下り坂。
下りは勾配が急である。
逆から上っていたなら、相当疲れたことだろう。
歩道は車道と完全に分離され、かつ幅が広いため、けっこうスピードを出して下れた。

下り坂がゆるやかになったころ、コンビニを見つけたので昼食。
食べ終わる寸前のところで、先ほどまでやんでた雨が、再び降りだした。
しかも今度は突発的ではなく、長雨になりそうだ。

あわててコンビニの隣にある食堂廃墟へ移動し、広めの屋根の下で待機。
すると気温がぐっと下がってきて、ようやくこの季節らしい「こごえる」という感情を覚える。
やっと役に立つ防寒着に身を包みながら、この時期の旅の難しさを痛感する。


雨がやんだら、すぐさま出発。
出発してすぐ、「関宿」という大きな看板が目についた。
何でも、国道から1本外れた道が、古風あふれる町並みになっているらしい。
国道の道なんて退屈だし、迷わず行くことに。

なるほど、ここがいわゆる「東海道」だそうな。
江戸時代を思わせる道と建物を、するりと抜けて行く。
建物はオブジェではなく、れっきとした民家である。
そのため、家の前にハイブリッド車などのハイテクがあったりして、妙な違和感を覚えたりする。


関宿を越えると、再び国道に合流。
途中で歩道がなくなったり、まわりの風景がまったくよくなかったりと、まさに車が高速で通り抜けるために作られたような道が続く。
お店どころか、腰をおろす場所すらない。
時間的に余裕があるので休みたいのに、休むことが許されないという、もどかしさを感じながらただ走り続ける。


目的の四日市市に到着したのは、午後5時。
予約していたビジネスホテルが、四日市駅からすぐの場所にある。
うす汚い格好で人ごみを、キックボードで通り過ぎるのはやや気がひける。

チェックインしてひとっ風呂浴びてから、しばらくベッドの上から動けなくなった。
国道で休憩できなかった疲れが、どっと押し寄せたのだろう。


ひとしきり休憩したのち、夕食を求めて繁華街へ。
駅前のアーケードはやけにきれいで、見渡すとチェーン店の居酒屋が多い。
きっと、最近急激に開けたのだろう。

もちろんチェーン店なんて入る気分にはならず、あえて古めかしいお店をチョイスした。
見た目が食堂で、メニューが居酒屋と食堂メニューが混在している、いかにも地方っぽいお店。

四日市名物だという、「とんてき」を注文した。
一品料理で1,100円は高いなぁ、と思ったが、運ばれたものを見て納得。
甘辛いソースで煮込まれた豚肉が、千切りキャベツとともに、大皿いっぱいにどかっと盛られている。
肉の質が正直イマイチだが、ソースが抜群においしい!

テーブルのすぐ隣には、ヤ○ザ屋さんの大家族がいる。
でっかい大阪弁で大阪の話題を話しているので、遠くへ来たという気分にならない。
1人でさびしいので、向かいに座っているおじさんに話しかけると、この人も大阪弁。
四日市って、大阪人がたまりやすい場所なのかな?


けっきょく1時間ほど居座り、午後9時に閉店とのことで、お店を追い出される。
ビール2杯を飲み、ほろよい加減である。
まだ帰る気分にならず、もう1軒寄ることにした。

小さな立ち飲み屋で、1杯だけ飲んで帰ろうと思いきや、店主とアルバイトさんと意気投合。
おなかいっぱいなのに、つまみと酒が進む。

さらに、途中から入ってきた3人組のお客さんとも、仲良くなる。
僕の旅の話にめちゃくちゃ食いついてくれて、すっかりゴキゲンである。
ユースホステルなどで旅人同士と話すのならともかく、こんな居酒屋で見ず知らずの人と盛り上がるなんて、初めてのことである。


けっきょく、ビジネスホテルへ戻ったのは、午前0時を過ぎてから。
ビジネスホテル泊は旅っぽくないので毛嫌いしていたが、こうして夜の街を散策できることを考えると、なかなかいいものだ。

最近、自分の旅のテーマが「孤独との戦い」から「人とのふれあい」に変化している気がする。
こうして、マンネリ化せず年ごとにテーマが変わる“ひとり旅”というものを、趣味として持てたことが、しあわせでならない。


||    ≪旅の足あとTOP ||         1日目    |    2日目    |    3日目    ||