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キックボード新潟→秋田    【6日目】
● 2017年8月10日(木) くもりのちはれ 山形県酒田市〜秋田県由利本荘市



タイヤの小さなキックボードでは、ほんの小さな
障害物が凶器となる。両胸強打は最後まで傷んだ。


岩に彫られた「十六羅漢岩」の数々。
風化せずいつまでも残り続けてほしいもの。


6つの水槽からなる「神泉の水」。
この時代にも残る古きよき文化が生きる。


歩道が広く車の心配もなく、平坦で走りやすい
バイパス道。ただ風景か変わらないのは苦痛だ。
午前5時半に起床すると、外は小雨が降っている。
完全に雨を回避できなかったか、と思いながら準備を進めているうちに、雨はあがってくれた。

空は依然厚い雲に覆われており、涼しい。
太陽が出ていないときは気持ちが落ち込みがちだが、連日の暑さを回避できるため、むしろ気分がいい。


そんなすがすがしい気持ちは、一瞬にして砕かれた。
突然の転倒。
歩道でつまずき、ダイナミックにこけてしまった。
あまりに不意で受け身も間に合わず、右腕をすりむく。

持参していた消毒液を傷口にかけながら転倒現場を確認すると、そこには粉々になった松ぼっくりがある。
松の葉がたくさん落ちている歩道だったのに、足元への注意が散漫だったのは情けない限りである。

腕の傷もさながら、右胸に痛みを覚える。
おとといの転倒で痛めた左胸をかばうため、無意識に右半身を打ったのだろう。
深呼吸をすると胸が痛むので走りにくく、この後の旅にも不安が残る。


海沿いの国道を走り、休憩のため足を止めたのは「十六羅漢岩」。
岩に22体もの仏さんが彫られている。
いずれも大きめで、思わず圧倒される。
足場も悪いのに、5年もかけて掘り続けたという当時の光景を想像すると、信仰の深さに驚かされる。


さらに30分ほど進んだ先で、国道から1本外れた道を進み、集落に入る。
そこには6つの水槽が連なった「神泉の水」というわき水がある。
水槽ごとに、上流から「飲料水」「米研ぎと冷やし用」「野菜と海草洗い」「洗濯場」「農機具などの洗い場」「おしめの洗い場」と使用用途がわかれている。

水槽の隣で休憩をしていると、飲料水をくむ人や農機具を洗う人が続々とやって来る。
水道が各家庭に整備されたこの時代でも、しっかり活用されていることに驚きだ。


朝からずっと海沿いの道が続く。
人里離れた道だらけのおとといまでと違い、絶えず集落が続くので心が落ち着く。
ゆるやかなアップダウンが続き、疲れもジワジワとたまってくる。

昼食はどこかお店に寄る選択肢もあったが、旅の序盤から温泉宿に泊まったり居酒屋で夜を過ごすなど散財続きなので、おとなしくコンビニで済ませる。
フードコートで食べているうちに、太陽が顔を出す。
暑さをしのぎたいのと、今日は時間に余裕があるので、軽く昼寝をする。
ただ、フードコートが「とりあえず設置しました」とばかりに狭く、あまり長居できる雰囲気ではないので、早めに退散することとなる。


再出発後、どうも調子が乗らない。
走る気分にならないというか。
昼寝が中途半端だったためだろうか。
それとも、ただの食べ過ぎか。
公園を見つけて、しばらく長めの休憩をとる。

体力も回復したところで再出発すると、今度は高速道路のようなバイパス道。
風景が変わらないせいか、1時間ほどで休憩したくなる。
腰を下ろす場所を探しながら走っていると、観光バス内から手を振ってくれる少年に気がつく。
ほんの小さなきっかけだが、じゅうぶん元気をもらえ、しばらく休みなく走ることができた。


宿に到着したのが午後5時。
この時間からの楽しみは何と言っても夕食だが、連日飲み歩いた影響か、いまいち食欲がわかない。
飲み屋は近くにたくさんあるが、おとなしくスーパーで済ませることにする。

あさってには帰らないといけないので、新幹線のチケットを買いに駅へ向かう。
旅が終わるまで帰路のことは考えたくないが、お盆の帰省ラッシュの時期が重なっているので仕方がない。
げんに、希望の時間は指定席がいっぱいで、あやうく自由席で何時間も立ちながら帰らないといけないところだった。


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