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キックボード福井〜新潟    【4日目】
● 2017年5月2日(土) はれ 富山県魚津市〜新潟県糸魚川市



一見ただの住宅地だが、右手前にあるような
わき水くみ場が点在している「生地」。


いくら進んでも、雪をかぶった立山連峰の
景色が絶えず右手に広がる。ただただ雄大。


朝日町名物「たら汁」と「モツ煮」。
量が多く味もよし、ぜいたくな昼食だ。


断崖に沿うように造られた「親不知」の洞門。
遠くから見るだけなら美しいのだが・・・


洞門内は路肩が狭く大型車がバンバン
往来する。もう二度と通りたくない。


駅前の繁華街の脇に突如広がる荒野。
火事の恐ろしさをまざまざと感じる。


極上の魚と創作料理にビール飲み放題は
ありがたい。そら飲みすぎますよ。
昨日と同じく、朝から寒い。
太陽が出ていていい天気なのだが、ジャージを着用しないとこごえてしまう。

昨日走った「しんきろう自転車道」が、ここにも延びているので走る。
しかし気温が低いせいか、蜃気楼は見えず。
そもそも蜃気楼がどんな状態で見えるものなのかを知らず、蜃気楼が見えても「これが蜃気楼だ!」と気づけない。


生地(いくじ)という住宅地に入ると、わき水の看板が目につく。
というのも、この界隈はわき水の密集地で、住宅地にわき水のスポットが20箇所ほどある。
いずれも足湯くらいの水槽が設けられており、そこが洗い場として使えることがわかる。

ただ、おそらくだが今の時代、さすがにそこで洗い物をする人はいないだろう。
むしろ観光名所として保存されているのではないだろうか。
それにしても、どの場所もきれいに手入れされていて清潔感がある。
もちろん、普通に水もくめる。


生地を過ぎ、ふと山手のほうを見てみると、雪をかぶった山々がずらっと並ぶ。
立山連峰である。
この季節に雪が見られるだけでも感動的なのに、そんな山々がえんえん続いている姿が雄大ですばらしい。

いくら進んでも、絶えず連峰が続いている光景を感じると、気分も上がる。
しかしその気分を冷ますかのように、強い向かい風が絶えず吹き流れる。
風も依然冷たく、体温もグングン奪われる。


国道でも県道でもない海沿いの道を走っていたが、やがて国道に合流。
するとすぐ近くに食堂があったので、立ち寄る。

この周辺・朝日町の名物らしい「たら汁」と「モツ煮」を注文する。
少し値が張るが名物だから仕方ない、と思っていたが、どちらも量が多い。

特にたら汁は、金色のアルミ鍋にたら一匹がまるまる入れられている。
たらの身自体は淡白ながら、ダシがとにかくうまい!
肝が溶かされており、これが味のヒミツとなっているようだ。

かなりの量だったが、体を動かす旅をしているおかげだろう、すっかり完食できた。
さすがにすぐ動くのはしんどいので、お店が混み合ってきているのを感じながらも、少し長居した。
ひとりで2,000円近くも使ったのだ、そのくらいしてもバチはあたらないだろう。


じっくり体を休めてからは、今回いちばんの難所「親不知(おやしらず)」へと差しかかる。
道はトンネルではなく、削った崖をコンクリートで囲った、いわゆる「洞門」と呼ばれる建造物となっている。
トンネルとの大きな違いは、海側がシースルーとなっていること。
聞こえはいいが、ようは海側の断崖を見下さないといけないので、高さがニガテな身としては辛い。

何より恐ろしいのが路肩の狭さ。
もちろん歩道などない。
さらにその狭い道を、これでもかというくらい大型トラックが往来するのだ。

今までさんざん怖い道を走ってきたが、ここはベスト3に入るのではないだろうか。
大型トラックが通るたびに、足を止めて洞門の柱の陰に隠れる、ということを繰り返す。
ひたすらそれを繰り返さなければいけないのだ。

しかも道は平坦ではなく上りが続き、体力が削り取られる。
終盤は下り坂となるが、後方から来る車を常に意識しないといけないため、気軽にスピードを出せない。
もちろん、休憩したくても腰を下ろす場所などない。
そんな状況が、5キロほど続く。

ようやく越えた!
と思いきや、今度は「子不知(こしらず)」という、似たような洞門がまた続く。

ちなみに昔は、崖の下の海岸沿いが本通りだったらしい。
海岸が狭く、潮の満ち引きで通行の有無が決まるうえ、大波が来るたびに岩場へ逃げ込まないといけない。
命を落とす人も続出する、えげつない難所だったそうな。
それが今でも形を変えて難所のままというのは、何とも皮肉なものである。


宿近くの糸魚川駅前にたどり着いたのは、午後4時半ごろ。
立ち並ぶ建物の脇をすり抜けて走っていると、ある一角で思わず足が止まる。

荒野。
駅前という立地で、まわりは民家や商店が並んでいるというのに、大規模な荒野が広がる。
とにかく広範囲である。
荒野なのに電柱や街灯のみ立ち並ぶさまが、より悲惨さを助長する。

ニュースでも大きく取り上げられていた、昨年末の大火事の跡である。
商店街の一角だけかと思っていたし、もうある程度復興していると思っていた。
火事というものの恐ろしさを、まざまざと痛感してしまう。


宿にチェックインし、少しゆっくりしてから街を出る。
スーパーでの夕食が続いているので、たまには外食がしたい。
時間をかけてお店を物色し、最終的には「飲み放題」という文言が決め手となり「あやふ野」というダイニングへ。
和風で落ち着いた店構えが、非常に落ち着く。

海辺の街なので、まずはお造り5種盛り。
聞きなれない魚などが2切れずつありながら、1,200円は安い。
さらにお店の目玉である、麻婆豆腐にホルモンを入れた「ホルモン麻婆」は、絶妙に辛さが効いていてめちゃくちゃおいしい。

店員さんも、少し手が空いたら話しかけてくれる。
家の近くにあれば月イチくらいで通うだろう、とにかくいいお店だ。

おいしい料理と店員さんのトークがいいアテとなり、ビールも進む。
最終的には、2時間で8杯も飲んだ。


その後、酔った勢いでバーに寄るも、店員や他の客と話ができる雰囲気ではなかったのですぐに退散。
まだまっすぐ帰る気になれず、ラーメン屋「麺屋なりた」へ。
「ひすいラーメン」という、ほうれん草と南蛮えびを練り込んだ緑色の麺と透明感のある塩味スープをいただく。
あっさりとした味が、飲んだ後にはぴったりだ。

ただ、ビールをしこたま飲んだうえにラーメン1杯は多すぎたらしく、ホテルに帰ってからおなかが苦しくなる。
明日ちゃんと起きられるだろうか。


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