ホームへ
履歴書 ダイアリ 旅の足跡 日帰温泉 リンク 掲示板 チャット
||    ≪旅の足あとTOP ||         1日目    |    2日目    |    3日目    |    4日目    |    5日目    |    6日目    |    7日目        ||


キックボード秋田→青森    【4日目】
● 2018年8月7日(火) はれときどきくもり 青森県鰺ヶ沢町〜青森県外ヶ浜町


竜飛崎に延びる「メロンロード」。
農道は休憩する場が少ないので大変。

青森の新名所「千本鳥居」。天に昇る
竜のように蛇行する鳥居は見応え充分。

稲荷社なのできつねの像もたくさん
ご顕在。1体ずつ形が表情が違う。

どこかなつかしさを感じる「カランカランアイス」。
ノドの渇きとほてった体にちょうどいい。

盆シーズンは大盛り注文NGながら、普通でも
じゅうぶんボリュームある「しじみラーメン」。

キックボード旅で地味に恐ろしいのが野生
動物。下り坂でもなければ逃げられない。

峠を登り始めてすぐ斜度12度。
壮絶な峠越えの幕開けである。

海がはるか向こうに見え道中の壮絶さを
実感。もはや登山である。
夕方にとんでもない坂道を越えないといけない。
さらに、宿へは午後6時までにチェックインしないといけない。
時間に余裕を持たせるために、朝は早く出発するべきである。

が、ゆっくり朝風呂を楽しんでからの出発となった。
少しでも宿代の元をとらなければ、という貧乏性の性格がどうも邪魔をしている。


津軽半島西側を南から北へ延びる農道「メロンロード」は、ひたすら湿原と田園が続く。
信号もなく走りやすいのはいいのだが、お店はおろか自動販売機すらなく、例年の暑さであればノドが渇いて大変だっただろう。
逆にいえばそれほど涼しいということで、休憩なしでも走り続けられる。

しかしさすがに3時間走れば休憩がしたくなり、どこか腰を下ろせる場所を探す。
すると交差点に、どこかで見覚えのある写真が掲示された看板を見つける。
それは、いくつもの鳥居がずらっと並んだもの。
最近よくテレビで紹介されている光景だ。

立ち寄るには道からそれて1キロも走らなければいけない。
今日は少しでも先を急ぎたい。
でも二度と来ないであろう景色は堪能したい。
葛藤の末、寄ることにした。


「高山稲荷神社」は集落から離れた場所にありながら、敷地が広く思っていたより大きい。
まずは急勾配の石段を登り、左手にある拝殿を参拝。
そこから敷地の奥側へ階段を下りると、左手にずらっと「千本鳥居」が並ぶ。
比べるものではないが、本家である京都・伏見稲荷とは、鳥居の大きさも本数も劣る。
しかし、その周辺がきれいに庭として整備されていることと、鳥居が蛇行しながら上り坂になっているさまが、伏見稲荷のものよりはるかに美しい。

千本鳥居の神秘的な光景を堪能し、神社入り口へ戻るとアイス屋があったので寄る。
「カランカランアイス」といって、おばあちゃんがリアカーを引いて売り歩くスタイルのもの。
そう、秋田の「ババヘラ」の津軽版である。
シャーベット状でべたつかず、りんごの角切りが入っていてうまい!
これが150円は安すぎる。
ちなみに名前の由来は、売り歩くときにベルをカランカランと鳴らすことからきている。

客もまばらだったので、売り子の人と話をする。
途中、売り子の人のお友達?も交え、キックボード旅の話で盛り上がった。


メロンロードを抜け、集落に入る。
東に十三湖が見えはじめたころにあるラーメン屋「和歌山」で昼食をとる。
名物「しじみラーメン」は、しじみのダシがしっかりときいていてうまい!
麺も中細縮れ麺を使っており、弾力があってスープに絶妙にマッチしている。

午前中にやや飛ばしすぎたので休憩は長めに、と思っていたが次々とお客さんが入ってくるので、食後はすぐにお店を出る。


今回メインとなる坂の直前にある「道の駅 こどまり」で、最後の休憩をする。
やたらと甘いものが欲しくなり、りんごジュースやチョコ菓子をいただく。
ふだんこんなことはないので、おそらく今から坂を越えるためエネルギー補給をしようという、本能的なものだろう。

休憩中気になったのが、風。
明らかに風が強くなってきている。
南から近づいている台風のせいかも知れない。


道の駅を出発し少し走ると、いよいよ上り坂に差しかかる。
はじめはキックボードを走らせていたが、徐々に勾配がきつくなり、勾配が12%になると押し歩くしかできなくなる。

坂はアップダウンが繰り返されると思っていたのだが、ひたすら上りが続く。
歩くぶんには脚の負担もそうかからないので問題ない。
それより厄介なのが、風!
とにかく強烈で、歩くのをやめて立ち止まろうものなら押し戻されそうになるほど強い。

また、風により体温が奪われて寒い!
上下の長袖を着たいところだが、ひたすら車道が続くので安全に腰を下ろす場所がなければ、荷物を置いたところで何かしらの荷物が吹き飛ばされる恐れがある。

みるみる遠のく海。
進めど進めど続く上り坂。
容赦なく吹く強烈な向かい風。
逃げ出したくてもどうしようもなく、心を無にしてひたすら進んでいくしかない。


2時間後。
いや、体感的には3時間は経過したように感じる。
ようやく頂上にある眺瞰台へ到着。
体中に、えもいわれぬ達成感が走る。
そこから来た道を見下ろすと、幾重にも道が蛇行しており、改めてとんでもない道を進んで来たことを実感する。

もちろんそこからは、下り坂だ。
しっかりスピードを殺しながら進むも、途中からは対向車がほとんど来ないこともあり、けっこう飛ばして走る。

爽快!
ふだんキックボードでは標高の低い場所しか走らないので、山の谷間をすり抜ける光景が新鮮で気持ちがいい。
少しきれいに感じる景色があれば、思わず気持ちが高ぶって大声で叫んだ。

下りはわずか20分ほどだったが、満足感でいっぱいだ。


結局宿に到着したのは、タイムリミットぎりぎりの午後6時。
津軽半島の最北端である竜飛崎のすぐそばで、津軽海峡を見渡せる好立地である。
昨日に引き続き温泉宿ながら、部屋の造りが普通のビジネスホテルだというのが残念である。


||    ≪旅の足あとTOP ||         1日目    |    2日目    |    3日目    |    4日目    |    5日目    |    6日目    |    7日目        ||