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キックボード東京→茨城    【6日目】
● 2018年5月3日(木) 雨のちくもり 千葉県旭市〜茨城県神栖市


山を切り開いた田園の向こうに、風車の風景。
ゆっくり眺めることを許してくれない強風を恨む。

「犬岩」というよりはネコにも見えなくない。
それより海水の撹拌でできた大量の泡が見事。

残念ながら中には入れなかった「犬吠埼灯台」。
門の手前にある白いポストもユニークだ。

「銚子大橋」を渡って茨城に突入。
県境はいつも達成感を覚え、心が躍る。

いくつも設置された「進入禁止」の看板。
素直に従うべきだったと強く後悔する。
窓をゆらす強風の音で、夜中は何度も目を覚ました。
案の定、朝から風はやむことがなく、雨も降っている。
せめて雨はやんでほしいと願いつつ、チェックアウト時間ギリギリまで部屋で粘る。
天気予報によると、強風は明日も続くそうだ。
やはり素直にリタイアするべきなのだろうかと、強風で激しくなびく街路樹を眺めながら葛藤が続く。

タイムリミット。
午前10時、チェックアウト時間となったので出発せざるを得ない。
何とか雨はやんでくれたが、風はやまず。

しかし外に出てみると、意外と風に恐怖を感じない。
かつて暴風警報時に走った経験が生きているのかも知れない。
また、運よく追い風なのがラッキーで、たまに吹く突風はキックしなくても前に進めるので、むしろ楽しい。

関東平野の最東端にある岬「犬吠埼」をまわると遠回りになるし、別にパスしてもいい。
が、最近は極力海岸沿いをすべて走るように自分の中で決めているので、まわることに。


「犬岩」という奇岩があるところで、ひと休憩。
名前のとおり岩が犬に見えるとのことだが、正直言って微妙だ。
それよりも、強風と岩肌で撹拌(かくはん)された海水が、大量の泡となりどんどん風に飛ばされる光景は珍しくて面白い。

さらに半島を進んだところ、「犬吠埼灯台」に寄る。
観光地化されており、多くの人が訪れている。

日本に5つしかないという最大の第1等レンズを使ったこの灯台は、中に入ることもできる。
が、強風のため立ち入り禁止。
仕方なく灯台の周辺をウロつくと、景観を望めるポイントがいくつもあるが、やはり天気がよくないのであまり美しくは見えない。


ようやく犬吠埼を一周し、利根川を渡って茨城県に入る。
まだ距離があるにもかかわらず、時間はすでに午後3時。
朝の出発が遅かったぶん時間が押している。

休みもそこそこに走っていたが、やはり疲れがたまってくる。
休憩しようと腰を下ろしたいが、風が強いのでどこでもよいとはいかない。
天候が悪いと、休憩もままならないというのが辛い。

たまたま目についた、閉店中だか廃墟だか、人のいないテナントがあったのでようやく足を止める。
もちろん侵入などはせず、少しでも風を避けるよう、壁にべったり沿うように座り込む。
すると少しして、道路をはさんだ向かい側にALSOKの車が停まる。
まるで僕を監視しているようだと感じつつ、ただの自意識過剰かなとも思いつつ、とにかく疲れをとる。
しばらくすると車は去ったが、また数分後に別のALSOKカーが少し離れて停まる。
体力が回復してきたのでテナントの入口を確認すると、そこにはALSOKのステッカーが。
やはり警戒されていたか。
おそらくガラス戸に立てかけたキックボードが反応したのだろう。
衝撃への機微な対応と、すぐやって来る機敏性には驚いた。


そこからは県道よりも海側にある、シーサイド道路を走る。
車の通りもなく快適に走っていたが、しばらくすると「進入禁止」の看板を見つける。
車両でもないし、関係ないだろう。
気にせず走ると、「進入禁止」の看板が次々とあらわれる。
それでもなお走ると、やがてキャンプ場らしき施設の入口付近に到着。
施設に入ったらお金とるよ、というダメ出しの看板にはさすがに逆らえず、引き返して迂回路を探す。

しかし、脇道は細く入り組んでいて迷う。
空はくもっていて徐々に暗くなってくるし、風もどんどん冷たくなるし、何より出口がわからない。
焦らなくても大丈夫だ、と何度も自己暗示をかけて、ようやく県道へ脱出。
時間が気になるところだが、落ち着くことを最優先して、適度な休憩をとる。


結局宿についたのは、午後6時。
もっと時間が押していると思っていたのは、くもっていて空が暗かったためだろう。

宿の近くにはコンビニしかなく、夕食はコンビニのお惣菜でガマン。
ふだんコンビニでごはんを食べないので、お惣菜の充実ぶりには驚く。
とはいえ、やはりどこか味気なさを感じる。
まぁ、昨夜さんざん贅沢したんだ、文句は言えまい。


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