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キックボード茨城→宮城    【3日目】
● 2019年4月29日(月) はれのちくもり 福島県いわき市〜福島県郡山市


出発早々から見える登坂車線の標識にウンザリ。
昼過ぎまで続く上り坂地獄の序章である。

坂道を上りきった先にある「ドライブイン長沢峠」。
人情味あふれる接客が心地よく、食事もうまい。

GWなのに咲き乱れる満開の桜。酒を持って
楽しみたくなる気持ちをぐっと抑える。

夜の街を徘徊。店決めは本当に難しく、この派手さも
ない場所が大当たりだと外見で判断できない。

高知出身のライダーさんと意気投合。
横のつながりが生まれるお店は良店の証だ。
案の定、二日酔いである。
よりによって、今日は今回の旅でいちばん距離があるというのに。
情けなさを感じながらも、あの焼き鳥の前でビールを自粛できるわけではないので、後悔はない。

出発して市街地を抜けると、ひたすら上り坂が続く。
必然的にペースが遅くなり、だいぶ走ったつもりなのにまだ10 kmしか走っていなかったり。
このペースだったら、真夜中になっても走り続けなければいけないのでは?
と、ついついネガティブなことを考えてしまう。


こまめに休憩をとりつつ、ひたすら心を無にして進む。
建物のほとんどない道を越え、ようやく昼食にありつけたのは午後1時。
大きなこけしのオブジェが印象的な「ドライブイン長沢峠」で、座敷席に座らせていただく。
「いらっしゃいませ」もなく無愛想かと思われたお店のおかあさんだったが、座敷に座布団を敷き詰めて「横になって疲れとり」と、まさかの神対応。
他のお客さんにも話しかけたり、仕事がヒマになるとテレビにあわせて健康体操をするなど、実におちゃめな人であった。

メニューにご当地ものは見当たらず、とりあえずがっつり食べるべく、味噌ラーメンとカツ丼の定食をいただく。
正直あまり期待はしていなかったが、特にラーメンは野菜が多く、スープも丁寧な味付けでうまい!

食後は遠慮なく横になり、長めの休憩をとる。
何気なく調べてみると、ここの標高、何と575m!
そりゃあペースも遅くなるわけだ。


再出発後はひらすら下り坂!
を期待していたのだが、意外にもアップダウンが続き、体力が削られていく。

ひとつうれしいのが、視界にたまに入ってくる満開の桜。
標高が高いこともあり、このあたりは春の訪れが大阪より1か月ほど遅いようだ。
こうして再び桜を楽しめるうれしさの反面、「桜はもう散ったもの」と自分の中で気持ちを切り替えており、どこか素直に喜べないでいる。


午後4時半ごろになり、ようやく下り坂が続く。
下りは姿勢をずっと一定に保つ必要があり、これはこれでしんどさを感じる。


日が暮れる手前の、午後7時に宿へ到着。
昨夜と同じく、風呂に入ってからはスーパーで買い物をする時間もなく、外食をすることに。
宿は駅から少し離れている立地なので、駅へ向かいながらも極力宿に近いお店を探す。
何となく雰囲気のよさげな「やきとり 牛たん 大助」を見つけて入店。

店名にもなっている、焼き鳥と牛たんをいただく。
焼き鳥は昨日ほどの感動はないが、牛たんは絶品!

お店が落ち着くと、気難しそうに見えた店主が焼き場から客席にやって来て、僕の隣にいた常連さんとお話。
しばらくすると僕にも話しかけてくれる。
キックボードの旅の話をすると、かなり驚いてくれて、いろいろと質問を投げかけてくれる。
あっ、この人話うまいなぁ。
直感的に、このお店は味だけでなくこの店主の人柄により繁盛しているんだろうなぁと感じる。

再びお店がにぎやかになると、店主が再び焼き場に戻る。
必然的にカウンターにいた常連と話すことになるのだが、話が一方的だし、僕の旅にケチつけてくるし。
あっ、この人話ヘタだなぁ。
はじめは付き合っていたが、特に旅の批判をされてからは、露骨にイラついてしまい、そっぽを向いていなした。

しばらくすると、後から若いお客さんが入ってきたので、話しかける。
高知出身で、最近関東に引っ越し、今はバイクで関東をツーリングしているという。
噂に聞いていた、高知の豪快な飲ん兵衛文化のエピソードはなかなか楽しく、ついつい日本酒を注文してしまう。

そしてお店の帰り際、テーブルにいた若者団体につかまる。
というか、いつの間にかテーブルの若者に混じってはしゃいでいる店主が、わざわざ僕のキックボード旅エピソードを披露してくれたのだ。
10分だか20分だか、帰り際の割にはけっこう長く話し込んだ。
あかん、楽しい!
旅の最中だったら、間違いなく席に戻って盛り上がるのに。

惜しみながらも、お店からたくさんの元気をいただけた!
朝からとんでもない坂を登ってきた苦労が、存分に報われた。


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