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キックボード青森→宮城    【6日目】
● 2019年8月8日(木) はれときどきくもり 岩手県宮古市〜岩手県釜石市


アクロバティックなポーズで癒やしてくれる
コクワガタ。旅の相棒として連れ出したくなった。

道と防波堤は復興され、皮肉にもきれいで走り
やすい。このまま集落も復興されてほしいな。

湾に広がる無数の養殖いかだ。岩手の
魚介はここで大事に育まれている。

複数人の人員を使って道幅が正確に測られる。
意外とふだん見られない道路建築の現場。

広い歩道はキックボード旅にはありがたい
のだが、さすがに未舗装では走れない。

公共施設の集合体「うのすまい・トモス」。
開放感ある敷地は復興後間違いなくにぎわうだろう。

居酒屋でサービスされた新鮮サラダ。無料とは
思えない鮮度とボリュームがありがたい。
昨日1日が旅としてよくなかったことに対し、自分へのペナルティを課すべく、朝は午前5時半という早い時間に目を覚ます。
しかし宿はカプセルホテルで、身動きがとりづらい。
極力音をたてずに準備をするも、動きが制限されていてはどうしてもモタついてしまい、結局出発はいつもとほぼ同じ午前7時半となってしまった。

出発後、道が入り組んでいて迷う。
昨日の反省として、ルートをスマホで確認したことが遅延の原因と判断し、迷っても極力スマホを見ないようにした。
が、それが裏目となり、結局大きなタイムロスとなった。


ありがたいことに、しばらく平坦な道が続く。
時おり背の高い防波堤の上を走ると、これまた開放的な気分となる。
走りながら昨日を思い返して、道のアップダウンがとにかく多かったことも時間が押した一因ではないかと感じる。


しばらく走ってからコンビニで休憩をとっていると、ママチャリに風鈴をつけたおじさんが興味津々といった顔で近づいてきて、次々と質問をなげかけてくる。
はじめは愛想よく応対していたが、途中から「何でそんなこと聞くん?」と思える奇妙な質問が繰り返され、申し訳ないが不快な気持ちとなる。
最終的には目をそらしながら応対し、退散いただくのをひたすら待った。

あと余談であるが、休憩中にずっと隣にいたコクワガタが妙にかわいく、こちらに威嚇ポーズととったかと思えば、指ではじくと変な格好で仮死状態になったりする。
いっそのこと旅の相棒として連れて行きたいという感情が湧いたものの、袋なんかに入れようものなら暑さでヤラれてしまうだろうし、そこはガマンした。


再出発後も平地が続く。
今日はこのまま平地ばかりかな?
などという願いも虚しく、大きめのアップダウンに差しかかる。

暑い!
この旅いちばんの暑さを感じる。
午前中にこんなに暑ければ、午後からまともに走れるのだろうか?という不安に襲われる。

さらに、後輪あたりからキィキィと異音がして、スピードが落ちる。
たまに起こる現象であり、タイヤのせいではなく原因がまったく不明なので、「キックボードの寿命」と考えている。
何もこんな長期旅の最中に発生しなくても。


大きめの峠を越えたところで午前11時、暑さもひどいので早めにコンビニで昼食をとる。
フードコートでゆっくりしていると、近くの工事現場で働いている金髪の若いお兄ちゃんがこちらに話しかけてくる。
「キックボードでまわってるんですか?すげえ」
と、以降何度も「すげえ」を連呼してくれる。
若い人が、こうして好奇心を前面に出してくれるのも珍しい。


ゆっくりしてから再出発すると、不思議と暑さはマシになっている。
相変わらずアップダウンが繰り返される道を走っていると、ある食堂の近くの歩道で、明らかにこちらにカメラを向けている家族連れがいる。

「昨日も見たんですよ〜」
と、どうやら車で待ち伏せしてくれていたらしい。
お茶の差し入れをいただき、しばらくの談笑。
本当にこんな応援をされると、元気が出る。
ちょうど休憩をしようかなと思っていた矢先だったが、もう少し走ろうと再び走る。


その先もアップダウンの連続。
坂を下った先は例外なく復興中の町が待つという、海岸沿いの東北ではもうおなじみになった光景が続く。
つくづくであるが、8年経ってもまだまだ復興が間に合わないものなんだなぁ、と津波の恐ろしさを実感する。


復興中の町にある、公共施設の集合体「うのすまい・トモス」で休憩をとる。
広大な敷地には複数の建物があり、そのうちの1つの商店に入る。
お土産屋とその奥にフリースペースがあり、できたばかりなのだろう、とてもきれいで居心地がいい。

体を休めながらも、やたら時間が気になる。
地図と時間を照合してみると、やはり思っているよりペースが遅い。
これはもう純粋に、走るスピードが落ちてしまっているのだろうか?
だとすれば、あまり認めたくない事実である。


釜石の市街地へつながるトンネルが、やたら長いうえ路肩がない。
さらに相変わらずトラックがバンバン走る。
夕方のせいか、次から次へと車がやってきて、本当に危ない。
さすがに心が折れ、ほとんど歩いてトンネルを越える。


宿へ到着したのは午後5時半。
まだ外が明るいうちに到着できたのはよかったのだが、もともと今日の走行距離は短めだったので、計算上はもっと早く到着できたはず。
今回の旅は、つくづくペースの遅さが気になる。

ラグビーでも有名な釜石市は、市街地の建物はほとんどが新しい。
急速な復興に成功したんだなと実感する。

夕食はスーパーでいいかなとも考えたが、居酒屋に寄った。
愛嬌のよい女性店員さんが4人でまわしており、旅の話も聞いてくれてご満悦。
ただ、カウンターにいた他の客とほとんど話せなかったのが残念だ。

すごく庶民的なお店で、ゆでたまごと、トマトときゅうりの盛り合わせをサービスしてくれた。
こういうちょっとしたサービスが、孤独な旅人の心にとても染みる。


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