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琵琶湖歩きの旅!〜後編〜    【2日目】
● 2002年10月13日(日)  はれ 滋賀県近江八幡市〜大津市 53,535歩





朝の静寂に包まれるユースを後に、寝不足ながら出発。昨夜
騒いでた奴らがここで熟睡してることを考えると、ハラがたつ!


田舎道は腰を下ろす場所がないので、歩き続けるしかない。
ようやく広場を発見したが、この先さらにハードな田舎道が続く。


地平線が見えてもおかしくないほどの、田園地帯。前方に
目標物がない状態で歩くことが、どれだけしんどいことか。

田舎道の恐怖

歩いて旅をするときに、まわりに民家もない田舎道を延々と歩くほど、恐いものはない。

本文にも書いているが、のどが渇く。
自動販売機がないのは当たり前で、民家で水を恵んでもらうことも、学校や各施設に忍び込んで水道水をかっさらうことも、できないのだ。
だからといって、水分を大量に買ってしまうと、それだけ荷物が重くなり、体力をロスしてしまう。

写真のリード文にも書いたが、目標物がない。
地図を見ながら、「もうすぐ○○の交差点だ」「あと10分くらい先にあるコンビニで休憩だ」と、目標物があるとメリハリがつく。
しかし目標物がないと、自分がどのくらい歩いて、あとどのくらい歩けばいいかがわからないのだ。
目標がなく歩くほど、辛いものはない。

また、道に迷いやすい。
標識なんてものはほとんどないし、まわりに建物がないと地図なんて全く無意味になってしまう。
今回はなかったが、真逆に進んでしまうなんてことがあったら、その時点で歩く気力なんてなくなってしまうだろう。

などなど、あらゆる意味を込めて、田舎道はイカン。
多少遠回りになっても、体力的に余裕があれば、ゼヒとも人気のある道を選ぶべきだ、と痛感した。




この近江大橋を渡れば、ようやく旅も終わり。だが足の疲労と
痛みがシャレにならず、ここから駅までの距離がやたら長く感じた。

歩きの旅を終えて

もうなんべんも書いているから書くでもないが、ただ足が痛いだけだった。
足の骨がズキズキするわ、マメが出来るわで、「歩ききった」という実感よりも、「痛い」という実感しかなかった。

昔の人は、今よりさらに悪い道を、わらじで歩いて旅をしたり、移動したことを考えると、ただ尊敬の念しか出て来ない。
現代人がいかにひ弱になったか、身にしみて感じることができた。

厳密に言うと、どうやら靴が小さめだったことが原因なのかも知れない、と思った。
大学時代にジョギング用にと、学生には痛い8,000円という大金をはたいて、買ったミズノの靴。
軽くて動きやすいというメリットはあるのだが、今考えると結構圧迫感があった。

次回はゼヒとも、大きめの靴で再チャレンジ・・・という気には、さらさらならない。
半ばトラウマのようなもので、あんな痛みをあえてまた体験するなんて、よっぽどのマゾヒストでないと出来ないだろう。
ついでに言うと、このコラムを書いているのは旅が終わって半年後なのだが、未だ足の親指の爪が、変形して変色したままだ。

最後に、この一連の旅を見て、「歩きの旅、やってみようかな?」と興味を持たれた方へひとことアドバイス。
やめときなさい。
不安は的中した。
そう、若い連中のことだ。


昨夜12時、人が寝ているところを、やかましく食堂で飲み明かした奴らが帰って来た。
就寝時間は午後11時と決まっていて、他の人はみんな寝ているのに、だ。

しばらくゴソゴソして、何人かはそのまま寝入ったが、まだ多くの奴らが、あっちこっち歩きまわっている。
ちょうど眠りに入りたてを起こされ、気がたってしまって、しばらく眠れなかった。
しかも眠れないのは僕だけでなく、他の人らもほとんど同じ状況。


その状況が1時間ほど過ぎ、ようやくもう一度うとうとしかけたころに、今度は1人が部屋でゲロったらしく、そこで部屋は大パニック!
酔うた奴らが介護するも、慣れていないのだろう、ただゲロ君のまわりを取り囲んでどうやこうや騒ぐだけ。
とりあえず早いところ、つまみ出せばいいのに!

ようやくそいつがトイレへ運び込まれると、今度は男部屋やのに女の子が「すいません、すいません!」と謝りに来た。
あのなぁ、寝てるんねん!
謝る気持ちがあるんやったら、明日早朝起きて、玄関先で出て行く人ひとりずつに言え!

もちろんそんなこと口に出すほど元気もなく、どなってはまわりの寝てる人に迷惑だ。
とりあえず気分を改めるべく、トイレへ行くと、そこでその団体が、ペアレントさんに怒られていた。


客だけでなく、ペアレントさんにも迷惑をかけやがって。
「人んち」やという自覚が、全くないんだろうか?
こいつらはゼヒとも、2度とユースへと足を運ばないようにして欲しい。


そんなこんなで、疲労困憊(こんぱい)の体力が100%癒されることなく、午前6時起床。
昨夜さわいでた奴らの気持ちよさそうな寝顔を、ふみつけたい思いをしながら支度し、午前7時に出発。


出発してすぐに、少し大きめの川が流れていたが、やはり釣り人の姿があった。
釣りは湖だけでなくても、盛んのようだ。

相変わらず、朝の気分はすがすがしい。
この新鮮さを感じながらも、昨日の事件が終始頭から離れず、気分が悪かった。
せっかくの朝が、もったいない。


今まではだいたい国道やら琵琶湖湖周の道を歩いていたので、特に頭を使うことがなかったが、午前中はややこしい道を歩いた。
常に地図を手にしながら歩いていたが、それでも1度道を失いかけた。
しかもまわりは驚くほど、長い田園風景に囲まれていた。
日本にも、こんなのどかな場所があるのだ、と深く関心した。

深く関心する反面、めちゃくちゃノドが渇いた。
のどかすぎる道には、コンビニはおろか、自動販売機もほとんどないのだ。
手持ちの水は、ホントに倒れる寸前用に「あと一口分」だけ残っているのみで、午前中はノドが枯れっぱなしだった。
途中、一軒だけ酒屋があったので、休憩がてら店の前にあったレンガに座り込んでコーラを飲んだが、さぞかし迷惑だったことだろう。
ガラ悪いことして、ごめんなさい!


長く続いた田舎道から、人気のある住宅地に差し掛かったところで、昼食をとった。
リモコンのないテレビに映る「素人のど自慢」を見ながらラーメン屋にたたずんでいたわけだが、なかなか出発ができなかった。
ここにきて、ようやく足に異変があらわれたのだ。
店に客が少なかったのが幸いで、しばらく休憩してても何も文句は言われなかった。
ただ何倍も水をおかわりしている姿には、ちょっと警戒した目で見られたけど。


水分補給も完了したところで、再出発。
午前中のようにややこしい順路はもうなく、あとはほとんど直進だ。
地図を見ても、目的地はそう遠くはない。
が、狭い片道2車線の歩きにくい道が、ただ淡々と続いた。
まわりもまんべんなく民家があり、ほとんど風景が変わらない。


なかなか休憩すべく腰を下ろす場所がないまま、ただ何も考えずに歩いていたら、足の痛みがますます悪化した。
しまいには、30分ごとに休憩をとらないと、歩けない状態になってしまった。
これで大幅な、ペースダウンだ。
地図上では近いはずのゴールが、遠のくよいて行くように感じられた。

でも、行くしかない。
今日帰るって、決めたもの。
休憩しても2分で痛む足を必死にひきずり、通り過ぎる人達の視線も気にせず、ただひたすら、歩いた。
こうなっては、あとは気力で勝負だ。
距離を気にするとつらくなってくるので、なるべく地図を見ないようにして、ただ歩いた。


久しぶりに、湖が見えた。
琵琶湖にかかる「近江大橋」が、すぐそばにあった。
琵琶湖にかかるといっても、琵琶湖南部の、それこそ「湖か川かどっち?」という境界あたりに架かっている橋だ。
ホントならここを渡らずにぐるっと3キロほど遠回りする予定だったんだが、なるべく早めに終わりたい一心で、橋を渡ることにした。
「琵琶湖一周なんだから、それは邪道」と何度も心の中で声がしたが、そんな言葉に耳を貸して検討する気はもうなかった。
それにこれを渡ったから「一周してない」と言われるほどの、距離でもないんだからね。

橋は車やオートバイは有料だが、歩道は無料だ。
人がギリギリすれ違うほどの広さの道を、ただ歩いた。
ジョギングする人や遊び帰りの中学生など、意外と人の通りが多い。
時間的にちょうど日が暮れ始めたころで、空の色もやや赤みがかっていてきれいだった。
足の痛みは相変わらずだが、この道は気持ちよかった。


さて、橋を渡り終えたところで、街の風景はガラっと変わった。
もう、すっかり都会の道だ。
シュラフを片手にでっかいリュックを背負い、びっこをひきながら歩く姿は、明らかにこの街にそぐわないものだった。
と同時に、それはゴールが間近であることを知らせるものだった。

もう少し。
そうわかっていながらも、いっこうにペースが上がらず、足の激痛と苦闘していた。
さっきまでの道とは違い、やたら信号が多いのは、なお辛かった。
まさか信号待ちで道に座り込むわけにも行かないし、かといって赤信号を渡って、渡ってる途中に車が走って来たときに、小走りで駆け抜けることは出来ない。

もう少し、もう少し。
地図を見ても、もうゴールはすぐそこのはずなのだ。
もどかしさの反面、足がただ痛むだけで歩けない。


ここで、最後にラストスパートをかけるべく、湖のすぐほとりにある、芝生のある公園で30分ほど休憩することにした。
ちょうど日が落ちるころで、足の痛み以外は最高の気分だった。
芝生でごろりと横になりながら、足をマッサージしていたが、はたから見たら、ただの気持ち悪いおっさんだったろう。
まわりは犬の散歩とクラブ帰りの中高生がほとんどだったが、やたらチラチラ見られた。
今まで歩いていたら何度も視線を浴びたが、改めて、こんなにも多くの視線を集めたのは久しぶりだ。
ここで話しかけてくれる人がいたらなお良し、だったんだが、さすがに不審者と紙一重の男に接触する勇気のある人物はいなかった。

日が暮れ、街が黒く染まりかける直前になり、再出発。
足も少しは回復したか、と思いきや、10分も持たずに、激痛がまた走った。
さらにあたりは暗いので、テンションがガクンと下がる。
休憩が、思わぬ裏目を引いてしまったようだ。

もう10分おきに休憩をとりながら、ただひたすら歩いた。
ようやく、駅まであと600mを記す看板が見えたが、そこでも近くのベンチで休憩をとった。
ほんの600mですら、一気に歩けないのだ。


そんな状態で、ようやくゴール。
この瞬間の気持ちは、「よっしゃ、やったった!」という達成感ではなく、「帰んのに乗り継ぎ2回もあるやん。歩けんのかな?」という、不安感だけだった。
と同時に、もう2度と歩きの旅なんかしたるかい、と心に強く近った。
ホンマもう、痛いだけやもん!


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