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ママチャリ紀ノ川めぐり    【1日目】
● 2004年7月17日(土) はれ 大阪府交野市〜和歌山県和歌山市 139.3km



警察がおらず、カーブの多い地元・磐船街道。原チャでよく
飛ばして遊ぶが、自転車ではちょっとキツイ。道せまいし。

水分補給

暑い日には、スポーツドリンクなど体に吸収されやすい飲み物をとるとよい、らしい。
また、水分はなるべくこまめに取るほうがよい、らしい。
しかし、1日に3リットルや4リットルは平気で水分補給する、自転車の旅だと、そんな科学チックなことに、付き合ってられない。
スポーツドリンクなんて飲んでたら、お金がいくらあっても足りないからね。

そこで僕がいつも愛用しているのが、コンビニに売っている紙パックのお茶。
牛乳パックと同じ素材のパックで、よく牛乳に並んで置いてある。
1リットル入っていて、何と100円!
しかも、味はどのメーカーのものも、しっかりとしている。

容器は500ミリリットルのペットボトルを2本使い、自転車の前カゴに積んでいる。
2リットルのボトルだと、重いし、すぐに取り出せない。
小さすぎるボトルだと、すぐになくなり効率が良くない。
自転車をこぎながら水分補給ができ、かつ1リットルのお茶を入れるのに丁度効率がいいのが、この500ミリリットルサイズだ。

余談だが、日本一周したときは、このお茶代も惜しかったため、民家に水を恵んでもらっていた。
よくやったものだ。
さすがに社会人となった今では、そんなことはできない。



本日1つめの峠、「風の森峠」。名前のわりに風が少なく、
風景もあまりよくない。バス道なので、路肩走行しにくいし。


2つめの峠、名称不明。自販機でジュースを、3本ほど飲んだ。
とにかくここで、しばらく動けなかった。きっと暑さのせいだろう。


はじめて紀ノ川を見たのが、午後5時。でっかい河川の
下流なのに、意外と清流。早くあそこで野宿したい〜!


河川北部を走り終わり、橋を渡ってUターン中。狭い歩道の
向こう岸から、学生の群れがやって来た。ちょっとはずかしい。

テントの使い分け

1人用と3人用のテントを、持っている。

1人用は、歩きの旅など、とにかく荷物を減らしたいときに使う。
ちなみに今回は、「野宿している姿を警察などにバレなくない!」という気持ちがあったので、この1人用を持って行った。

3人用は、真夏に使う。
広いので、通気性がよい。
というか、真夏に1人用なんか入る行為は、スチームサウナに入る行為と同じだ。
それだけ、テントは熱がこもる。

以上のことからわかるように、今回は明らかにテント選びをミスした。
いかに暑かったかは、右の本文を見ていただくと痛いほどよくわかると思う。
こういう1つの判断ミスが、ときには大きなダメージを引き起こしてしまうんだな。



想像以上に広く、想像以上の孤独感に襲われた、河川敷。
せめて地盤がゴツゴツしてなければ、大の字で寝られたのに。


飲める水で、体を洗う。
普段当たり前に思われるこの行動は、世界レベルで見るととても贅沢なことらしい。
あまり地理に詳しくないので断言はできないが、どうやら日本ほど水のきれいな国はないらしい。

原因は浄水の技術などもあるだろうが、おそらく地形によるものではないだろうか。
立体的な地図を見るとわかるとおり、日本はあまりにも山が多い。
と同時に、降水量も多い。
つまり、常に水が循環するため、自然の水でもキレイなのだ、たぶん。

そんな日本の魅力であると思われる水、それらを運ぶものが、「川」。
今回の旅は、この川に注力してみた。
奈良から和歌山北部を結び、海へと続く大河川、「紀ノ川」を往復してやろう、そんなキマグレな気持ちで、自転車をこいだ。


7月だというのに大猛暑が続き、朝がクソ暑いため、予定より早く目が覚めた。
最近旅するときは、ダラダラと準備して9時くらいの出発になるため、珍しく早めの出発となった。


出発してしょっぱなから、「磐船街道」という峠がある。
けっこうう傾斜のある道なので、しょっぱなからバテるのではないかと思いきや、意外にも順調に上った。
こいつを越えてからは、今日のメインロードとなる国道24号線と合流し、ひたすらまっすぐ走った。
ちらほらとガソリンスタンドやチェーン飲食店が並ぶ、いかにも「国道」らしい国道だ。


それにしても、猛暑と言われるだけあり、クソ暑い。
順調に足が動いていたにもかかわらず、11時を過ぎたあたりから、体の調子がおかしくなった。

脱水症状だ。
とにかく、ノドが乾いた。
あらかじめ用意していた500mlのお茶はとっくになくなって、どこかで水分補給しなくてはいけない。
自販機で買うと高いので、いつものとおり、コンビニの1L100円・紙パックのお茶を買いたい。
そう思ってコンビニを探すのだけれど、こういうときに限って、コンビニが見つからない。

まぁ、そのうちあるだろうと走っていると、気がつけば道路の両側が木々に囲まれた、明らかに国道でない道に来ていた。
交差点を曲がりそこなって、道を外れてしまっていたのだ。
普段あまりこんなミスをしないのに・・・どうやら脳内の水分までも枯れはじめているようだ。


水分補給できないままさらに走ると、今度はバイパス(高架道路)と一般道が平行して走る道へ出た。
バイパスは自転車走行禁止だったので、一般道を走った。
が、一般道ではどうしても川が越えられない箇所があるため、途中何度かバイパスを走った。

そのとき、右っ側に覆面パトカーが止まっているのが見えた。
何か言われそうだなぁ〜、なんて思っていると、案の定。
「そこの自転車、バイパスは自転車は走らないで。自転車、降りなさい。自転車、おい自転車!次で降りなさいよ、自転車」
確かに自転車を走ってはいけない場所を走っているのだから、僕も悪いと思う。
だからって、なんべん“自転車”言うねん!
いっぺん言うたら普通わかるし、なんべん言われても、「はいそうですか」とすぐに降りられるもんではない。
こうやって、人の気持ちを考えずになんでも「決まりごと」というものさしでしか行動できない人間は、大嫌いだ。


結局コンビニは見当たらず、一般道の自販機で水分補給した。
時間は12時前、いつになくテンションが低い。
普通天気が良ければいやおうなしにテンションが高まるものなのに、不思議だ。

水分補給後は、30分くらいごとに休憩をとった。
正直、暑すぎて走るのがイヤんなってきた。
かといって、今さら引き返しても仕方がない。
何だかイヤイヤ走っている感じだ。


そしてとうとう、1時過ぎにダウン。
峠を越える途中、体力的にも精神的にも限界が来て、途中で長期休憩を入れた。

昼だというのに、水分をとりまくっているせいか、おなかがすかない。
それでもせっかくの長期休憩なんで、カバンに忍ばせておいたカロリーメイトを口にした。
休憩といっても、食べ物屋の一角、建物の屋根で日陰になっている場所だ。
店の前で座り込んでいるようにも、見えないでもない格好だ。
何度か店員さんにイヤな目で見られたりもしたが、申し訳がるほどの体力がない。


再出発してからも、調子は依然直らず。
それでも、休みを繰り返しながらとにかく走った。
峠は計2本あったが、いずれも普段なら余裕で越えられるレベルなのに、妙にしんどかった。

3時を超えたあたりで、急に体がラクになってきた。
陽射しがガラっとゆるくなったせいだろう。
そういえば日本制覇したときも、真夏は昼間走らんようにしていたな。
すっかり、旅の基本を忘れてしまったようだ。

それにしても、今回のメインであるはずの「紀ノ川」が、いっこうに姿をあらわさない。
ただ延々と、国道を走るのみ。
あまり風景が変わらないというのは、やはり退屈である。

ようやく理想の「河川敷」を走ったのが、何と夕方5時。
車がギリギリ交差できるせまい道、ガードレールはなく、ややスリリングながらも風情のある道だ。
やっとこぎ着けたこの風景も、今日はあと数時間しか見られないのか・・・

6時ごろ、ちょうど紀ノ川にかかる橋を渡り、向こう岸のついたあたりで、夕食をとった。
念のため、2リットル分のお茶も買った。
今回の宿は野宿、水分なくなったらヤバイからね。


さて、野宿場所探し。
もちろん、野宿の場所は河川敷がよい。
風情があるし、川こそ今回の旅のテーマだし。

河川敷沿いに走るが・・・さっきとはちょっと風景が違う。
向こう岸よりも道が整備されており、また民家がすぐ近く、夕涼みをしている人がけっこう多い。
まさか地元民がいる目の前でテントは張れず、意外にいい場所が見つからない。

困りながらも、あまりあせりはなかった。
すっかり「宿は何とかなるものだ」という考えがついてしまったらしい。
今までいろんなとこ旅して、寝る場所が完全に見つからないなんてことは、なかったからね。


まわりが薄暗くなってきたころには、民家から離れ、工場地帯となった。
左手には広大な河川敷があり、人の気配がまったくない。
河川敷に降りるための坂は、「通行禁止」の門が作られ、降りれないようにしている。
確かに、こんな人気のない場所で何らかの事件があっても、誰もフォローできないからね。
まして川が増水するなんて、よくあることだし。

時間的にもこれ以上粘れないし、まぁここなら人様の迷惑にならないだろう、ということでここに決めた。
道路のそばだと、警察にバレて撤去させられそうなので、なるべく川の付近まで移動した。
夜中に「そこで寝るな」ってたたき起こされても、動きようないもんね。


それにしても、ホントに全く人の気配がない。
あるのは砂利と草木、そしてすぐ先にある川のみ。
ここまで「人為的な造形物」のない場所に1人で来るのはめったいないので、ただならぬ違和感に襲われた。

孤独。
この言葉の意味を、あらためて実感した気がする。
ここで暴漢に襲われようとも、何らかのケガをして動けなくなろうとも、誰の助けを求めることができないのだ。
そんな恐怖感に襲われながらも、黙々とテントを張った。

完全に太陽が沈むまでにやや時間があったので、すぐにテントには入らず、しばらく外にいた。
ボーっとしていると、1台の車が近づいて来た。
やばい、警察か?
1日の疲れがどっと押し寄せている今、移動しろと言われても、そんな余力はない。
しかし、車はこちらの気配を感じると、少し遠くへと移動した。
どうやら、花火をしに来た若者連中だったようだ。

離れた場所から聞こえてくる花火の音。
いつもなら「うるさいなぁ!」と文句を言いたくなるほど不快だが、「孤独でない」という安心感が先にたった。


そしていつしか、あたりは完全な闇につつまれた。
やることもないし、寝るとするか。
・・・と思ってテントに入り、5分もしないうちに、全身から汗がふき出して来た。

暑い!
まるでサウナにいるかのような蒸し暑さだ。
しばらくガマンをしていたのだが、もう限界だ。
テントは2層構造(中は蚊帳のような網で、その上からカバーをかける)になっているのだが、外側のカバーを外した。
雨が降ったら持ち物が全て濡れてしまうことや、人が来たら丸見えというリスクがありながらも、こうしないと眠れやしない。


蚊帳と同じと状態のテントに、仰向けに寝てみた。
すると、視界に星空が広がる。
あいにく星があまり出てないのが残念だが、こうして星を見ながら寝るなんてことは、今までないぞ。
さらに目を閉じると、虫の音、カエルの鳴き声、川のせせらぎ、風の音など、いろんな音が聞こえる。
これぞまさに、野宿だ!

そんな幸福感に浸りながらも、実はまだ暑い。
おまけに、下が砂利なので、ゴツゴツしていて眠い。
こんな状態で、ホントに眠れるのか?
なんかいろんな心配事があって、眠れそうにない・・・


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