香川・うどんグルメ紀行




10/9(土) <大阪・交野市〜徳島県・徳島市>

ようやく猛暑は終わりつつもまだまだ秋が来ないもどかしい気持ちな今年の10月。
思えば今年の夏はどこへも行ってない。
そんなことも考え、たまたま3連休があるので四国へツーリングへ出かけることにした。
ホントはダイエットと運動不足解消がてら自転車で四国を周りたかったんだけど、時間もあまり
ないし距離的な制圧がかかるんで、原チャということになった。

朝8時半に大介と会って、四国に渡るフェリーに乗るべく和歌山港へと向かった。
そして予定どおり11時25分発のフェリーに乗る・・・はずが、距離と計算を思いっきり
読み間違えてしまったらしく、わずか10分遅れてしまったために目の前で乗り過ごしてしまった。
さらに運悪いことに、2時間後に来るはずの次の便が事故のため欠航となり、結局のところ
わずか10分の遅れで4時間も待つこととなった。
こんなもんさ、人生って。

誰にも文句言えないし、ここはいっそ開き直ってどう4時間潰すか話し合った。
ここでピン、とこの旅の目標の1つである「温泉」をひらめいた。
地図上でちょうどフェリー埠頭から10分ちょっとしたところに温泉があったんで、迷う事なく
向かった。
温泉が目標とは言っても、四国で入らなければ意味がないんじゃないか・・・というささやかな
疑問はこのさいなしだ。

さてさて、温泉でゆっくりして、無事フェリーにも乗れて、徳島の港についたのが午後5時半、
もう日も沈みかけている。
とりあえずまずガソリンがないので給油をしに行くが、こんな時に限って僕のアプリオの
ガソリンタンクが開かない、というトラブルが起こった。
ガソスタの社員さん総出で集まって来て、何とか開けようと四苦八苦してくれた。
その時に「泊まるならいい所がある」と紹介をもらった。
そう、当然ながら宿の確保をしてないのだ。
夏場はライダーがよく寝袋で野宿してるとのことで、ちょうど寝袋だけかついで来たし丁度
いいやと思い、そこへ行くことに決めた。

ようやくタンクのほうもちゃんと開いて給油も出来た。
こんな対応や宿の情報から案内までの親切さから、改めて四国の人の温かさってのが
伝わって来た。
かつて日本を1周したときも、四国の人の親切さってのは特に感じていた。

暗いので道に迷ったりもしたが、何とか紹介してもらった通りの場所へと来た。
炊事場やテニスコートがあるキャンプ場みないなところだが、実はここはユースホステル
だったのだ。
昼は暑いけれどもさすがに夜になると冷え込んで寒いんで、野宿は諦めてユース内に
泊まることにした。
初日にカゼなんかひいたら元も子もないからね。

部屋は6人ほど入れる広さで、テレビ完備のなかなかの所だ。
相部屋は2人。
1人はデザインのお仕事をしているライダーで、2週間以上もの休暇をもらってツーリングを
楽しんでるとのことだ。
その代わり仕事が休みなしで続くこともあるからとのことだが、長期休暇を取れるのはやっぱり
うらやましい。
もう1人は社会学科の研究家で、学会帰りに宿が見つからなかったのでここに泊まったという。
どうやら「鳥居」について研究してるらしい。
マイナーだが、個人的には研究者というのが好きだ。

両人とも話が面白く、11時過ぎまでえんえん話をしてた。
その間、相方はというと・・・どうやらカゼをひいたらしく、ダウン。
もともと社交的でない彼だし、会話に入って来ないのはいつものことと言えばいつものことだが。
早いところ治して欲しいもんだ。

結局明日のコース決めもあり、就寝は12時過ぎだ。
デザイナーさんの紹介により、讃岐うどん巡りをすることになった。
チェックしてるうどん屋をいくつか教えてもらった。
こういった情報交換こそがユースの醍醐味だと思う。

しかしこの前準備の悪さには毎度ながら飽きれてしまう。
でもそれが逆に楽しいんだけどね、個人的には。




10/10(日) <徳島県・徳島市〜香川県・高松市>

夜更かししたものの、午前7時に起床。
予定どおりだが、今日1日の行動がまだ煮えきってなかったので結局出発が1時間遅れて
午前9時。

とりあえず昨夜のうちからチェックしてたうどん屋数件をまわることに。
うどんは消化が早いから、件数回れるだろうという考えである。

出発後2時間後にまず1件、「山田家」へ到着した。
まだ11時だというのにお客さんの数が凄い!
瓦屋根の建物に庭園と、和風にこじゃれた雰囲気が独特だ。
讃岐うどんでも特に人気の高い、釜揚げうどんをいただいた。
うまい!
麺のコシとはこのことか、と納得の出来るシコシコさに、だしもまた最高だ。

食べ終わって、一服する間も惜しんで次の店へ。
どんだけの店へ行けるかの勝負なんで、実に慌しいことだ。
2時間して、わらぶき屋根が何とも情緒をかもち出している「わら屋」へ。
昼ラッシュにぶつかりつつも、そう待つこともなく入った。
食券制をとってるのが店の回転の良さの秘訣か。
大きな壷に入った生醤油が特徴的な「生醤油うどん」もまたうまい。
・・・が、正直なところさっきも食べたばかりなのでそう感動はない。
だって、うどんの成分もコシもたいして変わらないんだもん。

またしても急ぎつつ、さらに2時間して着いたのが「つるや」。
前2件とは打って変わって、地元の大衆食堂を思わせる地味な店構え。
しかも値段が大阪駅の立ち食いと変わらないほどだというのが魅力だ。
ここでも生醤油をかけるタイプのうどんを頼んだが、実にうまい!
食べ物は値段じゃない、と心底思った。

こうして、3軒で打ち止め。
さすがに消化がいいのか、3軒終わったところでちょうど満腹となった。
しかし満腹に余韻を浸ってるヒマはない、宿を探さないといけないのだ。
今走って来た所を戻る格好で走れば、ユースがある。
電話で問い合わせようとしたが、繋がらない。
とりあえず、近くまで移動することにした。

ユースのすぐ近くになって、あれ、どっかで見たことある風景が・・・
よくよく見てみると、さっき行った「わら屋」のすぐ近くなのだ。
ユースから5分もすれば行けるところだし、朝食をここで食べてもいいかな?
いや、口がさすがにうどんに飽きてるようだ。

迷いながらもユース入り口へと行くと、ペアレントであろうおじいちゃんがちょうど戸締りを
している様子。
慌てて泊まらせてもらうよう言って、OKをもらった。
電話がかかって来なかったからだ、と言うが、留守電くらいつけといてくれよ。

ちょっとした旅館のようなユースで、入ってすぐのロビーに卓球台が存在を誇示している。
どうやらおじいちゃんが大の卓球が好きらしい。
明日、試合があるということだ。
「ペアレントと卓球勝負して、勝ったらジュースをサービス」と書いていたが、卓球経験者に
未経験者が勝てるわけ絶対ないので辞退した。

四国へ着いてまだ温泉へ行っていない。
おじいちゃんが近くにあると言うので紹介されて言ったら、名ばかりが温泉である銭湯へと
辿り着いた。
まぁ、安くついたしいっか。

体をきれいにしたところで、次に腹ごしらえだ。
せっかく四国へ来たのだから、地元の味をと思ってとりあえず食べる店のありそうな高松へ。
繁華街に着いたはいいが、午後8時を過ぎたあたりで次々と店が閉まって行く。
なんぼなんでも早いでしょう〜。

途方に暮れてトボトボと歩くと、1本はずれた商店街が賑ってる。
何とまあ分かりやすい商店街だこと、昼用と夜用に通りがわかれてるらしい。
何件か見て回って、隣に寿司屋を構えた居酒屋が、いかにも「魚うまいぜ」って感じだったので
そこへ入って行った。

いやぁ〜、うまい!
魚介類メインの料理だが、シロウト目にも鮮度の良さがわかるほどだ。
注文してから料理が遅いことはちょっと腹立ったが、一品一品ハズレがない。
居酒屋ということで値段的に安くはなかったが、それでも大満足だった。

門限ギリギリでユースへと戻り、すぐさま寝た。
明日はフェリー乗り場へ行くだけだし、距離的にもそう離れてるわけではない。
運が良ければ温泉へも入れる。
あとは再びフェリーに乗り過ごさないことだ・・・



10/11(月) <香川県・高松市〜大阪府・交野市>

ツーリング最終日。
起きて朝食を食べる頃にはもうペアレントのおっちゃんは卓球大会へと出たらしい。
しっかりと頑張って欲しいもんだ。
隣室にもう1組の客がいたみたいだったが、結局顔も合わせずじまいだった。
ユースの醍醐味を味わうこともなく、出発した。

特に道も複雑ではなく、順調に走った。
相方が100ccの原チャでスピードを制御しつついつも走ってもらってるので、気を遣って
先に行ってもらった。
と、先を譲った瞬間、いきなり我がマシンが止まってしまった。

ガス欠である。
それもまた丁度山道を上りかけてちょっとした時にだ。
まわりは見渡す限り山で、ガソリンスタンドなどもちろんない。
暑い中、ただひたすら上り坂をマシン押しながら歩いた。
どこまで歩けばいいかもわからず、ヒッチハイクをしようにも原チャを積めそうなトラックも通らず、
「俺は何をしてんだろう?」と自分に呆れつつ、無心にただ進んだ。

30分は歩いただろうか、小さな集落を横切る時にふとこっちを呼ぶ声が聞こえた。
「兄ちゃん、ガス欠か?」と、空耳かと思いつつもあたりを見回すと、おばあちゃんがこちらを
じっと見ていた。
すがる思いでそちらへ向かい、事情を説明した。
するとおばあちゃんは、何と家からガソリンを持って来てくれたのだ!
ほんの少し入れるだけでも助かるものを、「あるだけ全部入れ」と親切にも促してくださった。
いつも思うのだが、こんな恩を受けて、「ありがとうございます」の一言で感謝の気持ちが
本当に伝わるものか、と不安になる。
とにかく、ありがとうの気持ちでいっぱいだった。

何とかマシンも起動し、再出発。
と言っても相方をまず探さなければならない。
別れ際に、「トンネルがあるからそこを抜けた所で待ち合わせ」と言ってたので、そのとおり
トンネルを越えた所へと行った。
が、見当たらない。
山なので携帯が繋がらないのでとりあえず繋がる所まで降りたい所だが、ひょっとして
なかなか来ないから引き返して探しに来てるのかも知れないので、しばらく待った。
待ってる間に笑わしてやろうと思って上半身ハダカになって、通る車やバイクの人から
不審な目で見られつつも日向ぼっこがてら、ボ〜っと待った。

しかし全然やって来ない。
いいかげん自分の格好にも空しくなったのでとりあえず峠を下ることにした。
ようやく携帯の繋がる所へ出て、留守電が入ってることに気付いた。
相方はどうやらフェリー乗り場の近くまで来てるらしい。
先に行ってたんかい!

しばらくして、無事合流。
この時すでに午後1時20分発フェリーの時間ギリギリだった。
大急ぎでフェリー乗り場へと直行するも、結局迷ってしまって1本乗り過ごしてしまった。
仕方ないので昼食をとり、お土産を買ってして時間を潰した。
のんびりしながら、次の便へ乗ろうとしたら、バイクが満車で入れないとのことだ。
結局もう1本も乗り過ごすこととなった。
結局2本乗り過ごし、来た時と全く同じ結末となった。
フェリー運がないのだろうか?

ようやくフェリーに乗って家に到着したのは午後10時過ぎ。
次の日は仕事だというのに、旅の疲れも癒せぬままだ。
四国での温泉巡りも達成出来ぬまま、果たして何のためのツーリングだったのだろう・・・