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キックボード九州一周〜中編〜    【4日目】
● 2014年5月2日(金) はれ 鹿児島県指宿市〜鹿児島県南さつま市



「開聞岳」をのぞみながら走る。きれいな
三角形が、いつまでも追いかけてくる。


さつまいもの甘いにおいが漂う、「白波」の工場周辺。
こんなところで働いたら、昼から酒飲みたくなりそう。
ややしんどさは残るものの、体調はだいぶ回復。
何とか無事、旅は継続できそうである。

出発してすぐ、指宿の温泉街を抜ける。
といっても、とても観光地とは思えない、ごくフツーの住宅地である。
ただ、その住宅地のどまんなかに「ソープランド」と大きくかかげた建物があるのは、いかがなものかと。


街を外れてからは、田園風景の道を抜ける。
そして、田園の向こう側に、きれいな三角形をした山がそびえる。
俗に「薩摩富士」と呼ばれる、開聞岳である。

山の圧倒的な存在感に、走りながらも見とれてしまう。
このあたりに住む人たちは、この光景が当たり前になっているのであれば、少しもったいない気がする。


ふと後ろから、ひときわ元気な声が近づいてくる。
自転車に乗った2人組の旅人が、どうやらキックボードに食いついてくださっている様子。
互いに軽くお話をし、写真を撮っていただき、短いながらも楽しい時間を過ごす。

さらに走り、芋焼酎「白波」の工場を横切る。
さつまいもの甘いにおいが、あたり一帯に広がる。
液体ではわからないが、本当に芋でできているんだなと、納得してしまう。
ふだん芋焼酎は好んで飲まないが、このさつまいもの甘いにおいをかぐと、ついつい飲みたくなってしまう。


次第に、体調も全快といっていいほど回復。
そして昼食をとる午後1時まで、休憩はたったの1回のみ。
体調のおかげか、はたまた「先を急がねば」という昨日のあせりがまだ残っているのか。


昼からは、山道に差しかかる。
坂の勾配はそうきつくないが、路肩も歩道もなく走りにくい。

時間に余裕があるので、少しでも疲れを感じたら、すぐ休憩をとる。
昼寝もしっかりする。
本来、このくらいゆっくりしたペースで走ることが、理想である。


宿に到着したのは、午後5時半。
4日目にして、はじめて太陽のあるうちにチェックインできた。

休憩もそこそこに、ビールを購入して、バス停へ。
というのは、近隣のビーチで「砂の祭典」なるイベントが開催されるらしいのだ。
サンドアートはもちろん、模擬店やら、花火やらがある大きなイベントだそうな。

しかし、バスが出ている様子はないし、そもそもバスの事務所が真っ暗。
隣にあるタクシー会社に聞いてみたところ、どうやら送迎バスは明日から出るらしい。
ちなみにタクシーを使う場合、片道1,500円もかかる、とのこと。
旅先でのイベントは楽しいものだが、さすがにそこまで金は出せない。

町中にイベントのポスターを貼っていながら、イベントへの足がないとはどういうことだ。
ぬるくなったビールを飲みながら、どこにもぶつけることのできない、いきどおりを感じる。
もう一生、この町に足を運ぶことはないだろう。


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