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ママチャリ若狭湾周遊    【2日目】
● 2006年11月4日(土) はれときどきくもり 福井県三方町〜福井県敦賀市 108.1km




常神半島の途中にある三方湖。湖岸に茅葺屋根を発見。
屋根の下には船が停泊し、湖岸ならではの生活臭が漂う。


一見雑然と見える、常神の集落。かつて「陸の孤島」と
うたわれたそうだが、とても秘境とは思えない賑わいっぷり。


樹齢1000年以上を誇る、常神の大ソテツ。圧倒的な
存在感だが、路地裏のさらに裏に自生。見る価値はアリ。


とにかくもの静かな、三方五湖沿いのサイクルロード。
時折観光船がやって来るのが、唯一残念なところ。


水深20メートルの透明度を持つ、水晶浜。すでにシーズンオフ、
場所も地味なのに、海岸を見に来る人が多い。とにかくきれいだ。


美浜原子力PRセンターの入り口。少年時代なら、もう
これだけで興奮していたはず。入場無料なのは太っ腹。


敦賀半島東側の最北端、立石の集落。民宿すらないのか、
集落へ入る途中で「立入禁止」標識。閉鎖的な雰囲気である。


次の日の朝撮影、気比の松原で野宿。街とは松原で遮断され、
砂浜と海が広がる。火気厳禁のはずが、花火している奴がいた。
幸いにも予感は外れ、夜中犬はやって来ず、熟睡できた。
犬はテント建てている最中にもう1度来ただけ。
目をそらして鳴いていたところを見ると、ただの臆病な犬のようだ。

午前5時に起床。
外は寒いので、テント内で待機。

朝日を見ようと時折外をうかがうのだが、たまたま散歩している住民と目があった。
いつもならここで、「野宿かぁ〜、楽しそうやのぉ〜」という、ゆる〜い会話が始まる。
しかし予想に反して、「見回りの人来たら怒られるから、早く立ち退きぃよ」と警告された。
やはりこのあたりのビーチは、警戒が強いようだ。
海の向かいに、アノ国のせいか?


午前7時半に出発し、旅の目標の1つである、「常神半島」へ。
地図を見ると、道がうねっている。
海岸沿いの道だけど、坂がはげしいと思われる。

予想は見事的中。
しかも、坂の勾配は予想以上にキツい。
ひと山越えては漁港、の繰り返しである。


途中、野ザルを見た。
1匹や2匹ではない。
たまたま1匹いたので、まわりの木々を見ると、大小さまざまなサルが大群でいた。

「サルはカメラや袋など、色のついたものを見ると襲ってくる」と、昔遠足で聞いた覚えがある。
自転車の前後に、寝袋やらテントやら色とりどりの荷物をくくっている今の状況は、どうすればいいのだ?
上り坂をのぼる速度では、襲われても逃げ切れないではないか!
などと不安を感じていたが、予想に反して野ザルは襲っては来なかった。


かなりバテて、「そろそろ休憩したい!」と思ったころに、半島の先端、常神の集落へ到着。
ここへ来るまでさんざん漁港はあったが、「釣り人以外立ち入り禁止!」といわんばかりに、釣り人が多い。
道の右手は民家が並ぶのだが、洗濯物を干すようないきおいで、タコが干してある。
左手は海で、波止場。
言うまでもなく、釣り人だらけ。

駐車場に停まっている車のナンバープレートを見ると、ワンペア揃えるだけでも大変なほど、いろんな地域から人がやってきていることがわかる。
ひょっとしてここは、釣り人の聖地なのだろうか?


海を眺めながら、長めの休憩をとった。
また、常神の名物らしい「大ソテツ」とやらを見に行った。
路地裏に続く道しるべをたどると、とある民宿の裏庭に出る。

ソテツといえばパイナップルを大きくした形状を思い描く。
しかしここの大ソテツは、8本も枝分かれしている。
パイナップルというより、「ヤマタノオロチ」という単語が頭をよぎる。
民家の天井をもしのぐ高さがあり、見事である。
ただ、名物にもかかわらず、民宿の部屋の後片付けや干した洗濯物が見える路地裏にあるのは、違和感がある。


来た道を戻り、途中で半島を横断する道へ。
半島の付け根付近には、「三方五湖」という5つの湖がある。
海水と淡水が混じっている湖だが、湖によって海水の濃度が違い、それぞれ水の色が異なるとのこと。
それぞれの湖を見るべく、サイクルロードを走る。

サイクルロードといっても、自転車用に特別整備されてはいない。
軽の車が1台やっと通れる、住民が農村を往復するために使うであろう、小さな道だ。

梅林に囲まれたかと思えば、湖面スレスレの道になったり、杉のしげる林道になったりと、風景がコロコロと変わる。
常に湖が風景にあり、人口的な音がいっさい聞こえない。
最高の賛美をあたえたくなるような、いい道だ!
仕事中にこんな道があったら、間違いなく「会社なんてどうでもいいや」と仕事を投げ出すであろう。


国道へ戻り、最後の目的地「敦賀半島」へ。
敦賀半島は、西と東にそれぞれ道があり、また横断道が通っている。
言うなれば、アルファベットの「H」状に道がとおっている。

まずは、西側の道を北上。
常神半島ほどひどくはないが、何度か坂が続く。
特筆すべきは、ビーチの美しさだろうか。

海が青い!
それでいて、白い海岸が長く続いている。
特に横断道近くにある「水晶浜」は、決して名前負けのない美しさである。
シーズンオフながらも、車で寄る人がけっこういる。


半島西側には、原子力発電所が2つある。
「美浜発電所」と、「もんじゅ」である。

水晶浜のすぐ北側にある「美浜発電所」は、海にかかる橋の先にある。
が、橋へは関係者しか通れず、厳重な警備体制がとられている。
その代わりといっては何だが、橋のすぐ手前に無料の博物館がある。
館内はきれいで、原子力発電所のメカニズムが非常にわかりやすく説明されている。
しかしこのテのものは、1人で見ても面白いものではない。

半島の先にある「もんじゅ」は、長いトンネルを越えた先にある。
が、トンネルへは関係者しか通れず、厳重な警備体制がとられている。
入り口付近で写真だけとって、Uターンした。


一旦道を引き返し、半島の横断道を東へ。
高い山はなく、道がはげしくうねっているでもなく、非常に見晴らしのよい道である。
だが、見た目とはうらはらに、ものすごく坂の勾配がきつい。
途中からはこいでいられず、自転車を押し歩いた。
普段から愛想のよい人に、笑顔でぶん殴られている気分である。


半島の東側は、非常に閑静である。
集落をとおっても、人影がほとんど見えない。

とりあえず北上し、半島の先へ。
集落があり釣り人はいるが、もの静かでどことなく閉鎖的な雰囲気がある。
「立入禁止」と、集落の途中に標識が立っているからだろうか?
灯台が歩いて行ける距離にあるようだが、なんとなく行く気が失せ、引き返した。


午後5時、徐々にあたりが暗くなる。
殺風景な景色を南下しつつ、久しぶりに気持ちが落ち込む。
半島を南下しきってしまうと敦賀市街なので、野宿がしにくい。
かといって半島で野宿できるところを探しても、なかなか海岸へ降りる場所がない。

考えているうちに、いつしか市街地へ到着。
しかし、海側に大きな松原がある。
日本の三大松原、「気比の松原」である。
うまいこともぐりこんで、野宿できるかも。
とりあえずあたりが完全に暗くなるまで、コンビニで夕食をとって待機。

気比の松原は、国定公園である。
当然、こんなところで寝泊りすると怒られるであろう。
が、「キャンプ禁止」なんて注意書きが見当たらない。
公園案内を見ても、「火を使ってはいけません」としか書いていない。
なるほど、野宿はOKなんだと勝手に解釈し、自転車を公園内へ入れた。


現在、松原からすぐにある海岸で、アルミシートを敷いて寝転がっている。
ひどく寒いため、寝袋にくるまっている。
満月だろうか、月がきれいだ。
街灯が松原で隠れているため、月の明かりが特によくわかる。

さっきから眠いのだが、今は午後7時。
夕食後に、このあたりを散歩する人たちがいるだろう。
テントを立てているところを目撃され、通報でもされたら、立ち退きを強いられるかも知れない。
夜遅くに立ち退きを命じられても、行く場所ないから困る。
あと2時間くらい、このままでいよう。


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