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小豆島歩きの旅!    【1日目】
● 2003年10月11日(土) くもり 大阪府交野市〜香川県土庄町 30,150歩





穴場と踏んでいたら、あふれんばかりの観光客。
地味なのに意外とバブリーなんだね、小豆島。


フェリーを降りて、いきなり出迎えてくれたのが、お祭り。
ヤンキーとヤンキーOBの集会といった感じで、迫力あるぞ。


出発して30分もすりゃあ、ひたすら山道が続く。
おいおい、山登りに来たんじゃないぞ。


小豆島北部には、えんえんと採石場が続く。
どこからショッカーがあらわれても、おかしくない光景だ。



大阪城の石垣のために加工された石が、ゴロゴロと
並べられた公園。しかしこれを撮影してすぐ、閉館。

小豆島!

瀬戸内海に浮かぶ小さな島、小豆島。
映画ファンや文学ファン必見の「二十四の瞳映画村」、野生の猿が多く秋は絶景の「寒霞渓」、刺身と絶妙の愛称「丸金醤油」などなど、小さいながらも、名物が盛りだくさんの島だ。

ただし今回は、有名どころの名物には何一つ見てないし、食べてない。
「せっかく行ったのにもったいないなぁ」と言われそうだが、実は中学校のころに学校行事でひととおり見学したから、その必要はなかったのだ。

しかし1日目の採石場しかり、隠れた名所が盛りだくさん。
「あそこいっぺん行ったことあるし、もう行かんでえっか」と観光地を決めるのはよろしくないな、と今回は思い知らされた。



海沿いにある小さなバス停の裏が、今日の寝床。
初めての野宿にしては、あまりにも風情がありすぎだ。

「朝、もっと早く起きたらどないですか?」
昨夜の酒の席で、会社の社員さんから言われた。
その社員さん(同僚って呼ぶべきなのか?)が言うには、「遠出するときは朝早く起きたほうが、より“よっしゃ出かけるぞ!”というテンションなりますよ」とのことだ。

確かに、大学時代にスキーへ行ったときも、小学校で修学旅行に行くときも、まだ太陽の出ていない薄暗さのなかで、異国の地へ行くことを考え、ドキドキしたものだ。
また旅中でも、朝のまだ太陽が出てないころにテントから這い出て、朝日を見ながら朝食をとるあの“生きた”感覚というのは、たまらんものだ。
旅ではあくまで「マイペース」を好み、人の忠告をあまり聞かないが、今回ばかりはこの意見をいただいた。


というわけで、午前6時前に起きた。
家族が起きないようにそ〜っと支度しよう・・・と思っていたが、母親はすでに朝食を作ってるし、父はすぐさま起き出した。
もともと両親とも、平日めちゃくちゃ早く起きてるからついつい、といったところだろうが、息子の気遣いもちょっとは汲み取ってくれよ。

なんてこと言いながら、ちょっとうれしさをかみしめ、支度していざ出発。


今回の目的地は、瀬戸内海に浮かぶ小さな島、小豆島だ。
電車とフェリーを乗り継ぐのだが、実に半日近くもかかってしまう。
つまり、いきなり「歩きの旅」というよりは、スタンダードな「一人旅」といった気分だ。

姫路まで、2時間近くかかる。
ゆれ動く車窓の風景、入れ替わる乗客・・・
ああ退屈!
やっぱり体を動かして移動しないと、何か気分が出ない。


そして午前9時45分発のフェリーへ乗った。
意外や意外、フェリーには乗客が多い。
小豆島はけっこう穴場と踏んでいたのだが、どうもなかなかバブリーな観光地らしい。

朝早く起きた分、フェリーで体力を温存しよう!と当初は思っていたのだが、どうもフェリーという乗り物に対して格別な期待感を持ってしまう。
あちこち動きまわり、甲板に出て風景を楽しみ、うたた寝をしないまま、あっという間に100分間の航海は終わった。

小豆島へ着岸間際、フェリーから小豆島を見てみたのだが・・・
おい、山やんけ!
どう見ても、フェリー乗り場からのびている道路は、いずれも山道へと続いているのだ。
ひょっとして、今からとんでもなくキビシイことをしようとしているのでは。


とりあえず、フェリーから降りた。
すると目の前には、おみこしとその上で太鼓をたたいている人たちが。
どうやら、ここ界隈ではお祭りの時期だったらしい。

少し道を歩くと、どうやら住宅地のほうがさわがしい。
行ってみると、神社でお祭りが行われていた。
境内の中央で、明らかにヤンキー、もしくは元ヤンキーの男たちが、大声をはりあげてでっかいみこしをかついでいた。
よ〜く見ると、かなり高齢に見えるおじいちゃんまで、若者には負けじと頑張っている。
お祭りのパワーってやっぱりすごいや、と、しばし魅了されていた。


さて、ようやく出発。
やはりフェリーで見たとおり、いきなり山道が続く。
これじゃあ歩く旅というより、ワンダーフォーゲルだ。

昼食の時間が来ても、コンビニはおろか、食糧を調達できる建物がない。
しぶしぶ、山道の途中にあった休憩所で、カロリーメイトを食べた。


それからは、1時間歩くごとに15〜20分の休憩をとった。
かなりスローペースだが、これは以前琵琶湖を一周したときの教訓だ。
距離をかせぐよりも、足をいたわることが、歩きの旅ではいちばん大事なのだ。
休憩といっても、脚や足の裏をマッサージすることにほとんど時間を費やしたので、実質何かしら動いていた。


今日は小豆島北部を主に歩いたが、北部はやたらと採石場が多い。
採石場というのは、仮面ライダーがバイクで走り抜けるような、ああいう空き地を想像するとわかりやすい。
空き地の向こう側に、かなりの高さの崖があり、時折上で作業しているブルトーザーから、石が落とされる。
結構遠くでの作業にもかかわらず、重い音がゴロゴロと豪快にも聞こえてくるのだ。


あと、空き地なのか作業場なのかわからない荒れた草地にあった岩に、腰を下ろして休んでいると、トラックが入ってきた。
「やばい、怒られる!」と思い、すぐにでも逃げ出せる用意をしていると、声をかけられた。
「兄ちゃん、何してんの?」
トラックから降りて作業を始めた4人ほどのうちの1人が、やさしく声をかけてきてくれた。
どうやら、怒られる様子ではないようだ。

しばらく話をすると、この人が大阪の人であることがわかった。
僕の住んでいる「交野」という、大阪の人でもなかなか知らない地名を知っていたのだ。
もっと話をしていると、どうもこの小豆島の住人には、大阪から移住してくる人が多いとのことだ。

別れぎわに「がんばれ!」と応援され、しばらくいい気分で歩けた。
やはり人との交流っていいなあ。


さて、1日目の宿だが・・・ない。
初日だし歩きだし、なるべくお風呂でゆっくりしたかったので、民宿や旅館などをあたろうとしていたのだが、それらしき建物が見当たらない。
かといって、キャンプ場をあたろうとすると、2時間分後ろへバックするか、3時間分前へ歩くしかない。
いやぁ、こいつは迷ったぞと思いつつも、気持ちはいっこうにあせっていない。
今までの旅の経験上、「何とかなる」という、何の根拠もない自信が知らない間についてしまったらしい。

しかし余裕をこいているうちに、みるみる日が暮れてしまった。
ここに来て、野宿をすることに決めた。
いつもテントの中で寝ているのは、合法・非合法問わずほとんどキャンプ場だったため、実質ホンマもんの野宿というのははじめての経験だ。
「はじめてだからこわい〜」みたいにかわい子ブリッ子している場合でなく、もう本能的にどこか安全に眠れる場所を探した。


1箇所、電灯に明るく照らされたバス停があった。
レンガ造りの待合室があり、正面には住宅地、裏手は海といったシチュエーションだ。
「ここだ!」
住民に不安感を与えず、かつ野生動物などに襲われない場所として、このバス停の裏が安全だ、と思い、ここにテントを張ることにした。

テントを張るのに暗すぎず、かつテントの中では明るすぎない、適度な照明環境。
また、心地よい波のBGM。
さらには、お祭りの一環だろうか、太鼓をたたいて数人の男性が住宅地を徘徊していて、情緒がある。
野宿はじめてにして、どうやら最高のシチュエーションを味わえたようだ。

ただ1つの不安材料は、朝だ。
今までの経験上、海辺というのは朝の太陽が出るか出ないころに、すでに釣り人が群がる。
釣り人がテントを見て、「誰に断りなくテントはっとんねん!」となると、起こされかねないし、目覚めてすぐテントをたたむという重労働を強いられかねない。


悪いことがありませんように。
とりあえず天にそう願い、崩れるように寝床へとついた。

いやぁ、疲れた。


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