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生石公園にある要塞跡。もはや完全に自然と同化しつつ
ある。人がほとんどいないのに、公園はよく手入れされている。
一見何のことやらわからないだろうが、中央のプレハブ風の
小屋が、渡船乗り場の受け付け。意外に繁盛している。
えんえんと獣道が続く。無人島散策には、よくあることだ。
でも昔はこの道も現役だったと思えば、自然と足が先へ向く。
まさに、天橋立!成ヶ島の全景と、広い空と海を見渡せる
この展望台に、人がひとりもいないことが、不思議で仕方ない。
成ヶ島を散策して目につくのが、いくつもの廃墟。昔はもっと
観光がさかんだったんだろうな。これだけ景色きれいならね。
決して時代に流されない、レトロ風味残る由良町の住宅街。
日本はマンションなど撤廃し、こういう街並みをもっと作るべき。
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テントの中は、寒かった!
夜中何度も目覚め、何度も体をさすった。
午前4時くらいからは、あまりの寒さに眠ることもできず。
しまいには、鼻水がダラダラ流れる始末。
リュックがパンパンだったとはいえ、防寒対策の甘さに反省。
それでも海に浮かぶ朝日はきれいで、テントをあけて何度も眺めた。
外が暖かくなりだし、出発準備ができたのが、午前7時。
まずは沼島行きのフェリー乗り場へ!
・・・と思ったはいいが、よくよく調べてみると、ここから20キロ近くもある。
4時間は歩かないといけないうえ、峠越えもあるので現実的ではない。
目標を変えるべくバス停を見ると、午後3時過ぎまで、バスがない!
つまり、日中この町にいなければならない。
こうなっては仕方ない、徹底的にこの町を堪能してやる!
町の観光案内板を見て、まず見つけたのが「生石公園」。
公園の内容が書かれておらず、1人で行って楽しめるものかわからない。
が、他にアテもないので、ひたすら歩くことにした。
公園への道中は、ひたすら上り坂。
ただでさえテンション低いのに、ますます気分が落ちてゆく。
が、今は公園へ行くしかないと考え、直進。
標識少なく、どこまで上ればわからないまま、30分は上り続けただろうか。
ようやく公園へ到着。
まず目にうつったのは、崩落したレンガ造りの建造物らしきもの。
どうやらここは、かつて要塞の跡地らしい。
にわか“廃墟マニア”であるために、ここでテンションが一気にあがる。
展望台でひと休憩してからは、要塞跡の散策。
要塞とはどのようなものかわからないが、レンガ造りの跡がほうぼうにあり、砲台などもあって、けっこう楽しい。
また、奥には小さな祠をまつった神社がある。
どうやら去年できたらしく、きれいに手入れされている。
こういう場所の神社は、妙に神聖な雰囲気がある。
要塞を十分堪能したあとは、いったん町の中心地へ戻る。
続いて、離島「成ヶ島」へ。
ここは無人島であり、離島というよりは自然の防波堤といった感じの、細長い島である。
小さな小屋が、渡船受付となっている。
見るからにガラの悪そうなおっちゃんが受付をしている。
が、成ヶ島の情報をいろいろ教えてくれて、けっこう気さくな方である。
ただ、なまりが強くて、時折言葉がわからないのが残念だが。
渡船は、小さな漁船である。
僕以外に、10名程度のお客さんがいる。
なんでも潮干狩りができるそうで、みなさんそろって潮干狩りグッズを手に持っている。
無人島へ到着。
みなさんがさっそく潮干狩りスポットへ向かうなか、僕は1人逆方向へ。
島をぐるっと一周することに。
まずは北へと向かう。
ほうぼうに、キャンプ場の跡地らしきものがある。
かつては、レジャースポットとしても栄えたのだろうか。
途中、1箇所わかれ道があったが、とりあえず海沿いの道を直進。
標識がないので、どこに続くかわからない。
道はしだいに、けわしく上り坂になっていく。
明らかに、手入れがされていない道である。
格好が短パンなので、こういう道は苦手である。
完全に獣道と化した道の横に、神社らしき建物を発見。
しかし、建物は完全に崩落しているし、神社への道は思いっきり草が生い茂っている。
さすがに、足を踏み入れる気持ちになれない。
ようやく頂上かと思える場所に近づいたが、道にロープが張られている!
えっ、こんな苦労して歩いたのに、行き止まり?
とりあえずロープを越えて、少し進んで見た。
だだっ広く、きれいに整備された芝生公園!
行き止まりは、こっちの道かい!
思わぬカウンターパンチを喰らいながら、とりあえず公園で休憩することに。
どうやら、さっき途中にあった分かれ道のもう一方が、ここへの本通りだったようだ。
少し落ち着いたところで、続いて展望台へ。
絶景!
島を一望できるのだが、島の形状が天橋立そっくりなのである。
また当然のごとく、空や海が広がっている。
さらに、公園に他の客がいない。
あまりに居心地がよく、しばらくこの場所を離れることができなかった。
昨日の寝不足が、今になって効いてきたせいかも知れないが。
すっかりリフレッシュしたところで、今度は島を南へ。
堤防と砂地が、えんえんと続く。
途中、釣り人が数人いた程度で、南側には人がまったく寄り付いていない。
堤防が終わり、南端へ到着。
ここも砲台跡があるとのことで、小高い丘になっているのだが、やはり未整備。
砲台跡らしき箇所はあったが、ほとんど自然と一体化していて、歩み寄ることが困難である。
最南端は、砂利だらけの海岸があるのみ。
すぐ対岸に釣り人がいるが、こちらを不思議そうにながめている。
再度渡船乗り場へ戻り、お湯をわかしてコーヒーブレイク。
しかし渡船が10分以上早く到着。
ふた口しか飲んでないコーヒーを捨て、あわてて乗船。
1時間に1便しかないので、いくら時間に余裕があるとはいえ、乗り過ごすわけにはいかない。
午後2時、近くのコンビニ風ショップで昼食。
バス到着まで、1時間ちょっと。
これ以上観光するのは時間的に危険だし、これ以上観光スポットが見当たらない。
とりあえず、住宅地をウロつくことにした。
けっこう民家が密集している。
かつて、淡路島でいちばん栄えていたということが、うなずける。
路地裏では、親子でキャッチボールをしていたり、子どもが走り回って遊んでいる姿が見られる。
自分が子どものころは当たり前だったこの光景も、最近見なくなったなぁ。
ノスタルジーに浸りながら、ふと時計を見ると、いつの間にか1時間が経過している。
時間を忘れてながめていられる、住宅地の魅力はすごいと思う。
やはりその土地を知るには、住宅地を歩くのがいちばんである。
予定通りバスを乗り継ぎ、大阪の市街地を経由して、我が家に帰宅。
淡路島で感じた、珍しげにキックボードを見る人のあたたかい視線も、市街地ではただ冷たい視線でしかなかった・・・
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