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工場と砂利道が続く、国道25号線。長距離ツーリング
なのに、スピード出せないのは、軽くストレスを感じる。
あまりに暑いため、こういう土手で休むことも。橋の下は
影になっているうえ風が吹き抜けるため、意外に涼しい。
本文には書いていないが、道路の道案内見て、キマグレに寄った
「葦毛湿原」。こういうキマグレに寄る観光地は、ハズレがない。
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実家で暮らしている僕にとって、“帰省”という言葉は、父方ないし母方の田舎へ行くことをあらわしていた。
それが今年は、自分の実家へ“帰省”することになろうとは。
2ヶ月前、上司から言われたひとことで、すべてがはじまった。
「7月から9月の終わりまで、東京へ行ってくれ」
6月のなかば過ぎ、突然放たれた言葉に、はじめは返答すらできなかった。
一人暮らし経験のない僕が、なんの前触れもなく、突然東京で暮らすこととなったのだ。
驚きととまどい、少し楽しみを含みながら、予定どおり7月から東京暮らしがはじまった。
1ヶ月半の東京生活は、思った以上に楽しかった。
生活環境からまわりの風景まで、今まで体験したことのないものだらけ。
目的もなく1日散歩するだけで、それが1日分の旅に匹敵するほど、斬新な気持ちになれた。
が、時が経つにつれ、マンネリを感じるのも、事実。
残り1ヶ月半、今の気持ちを持続させることに、不安を覚えはじめた。
マンネリを打破するための、起爆剤があれば・・・
そのときに思いついたのが、大阪で4ヶ月前に買った、BW'S100というスクーター。
50ccのスクーターしか乗ったことない僕にとっては、そのスクーターが持つパワーは、衝撃的すぎた。
最高の遊具が、あるではないか!
そうと決まればと、早速BW'S100を東京まで走らせるべく、ツーリングの準備にとりかかった・・・
ひどく前置きが長くなったが、お盆休みのうち2日間をかけて、大阪から東京へツーリングすることとなった。
100ccのスクーターは高速道路を走れないため、国道での移動となる。
距離にして、600km。
2日もあれば、十分すぎる距離である。
久しぶりの実家を少しでも長く楽しみたかったので、午後から出発することにした。
基本的に、大阪から東京までは、国道1号線を走ると到着する。
まったく、迷う心配がない。
ただし、国道1号線だと、岐阜あたりまでがやや遠回りとなる。
そのため、あえて国道163号線を走ることにした。
国道163号線なら、自転車で何度も通っているし、慣れたものだ。
迷った!
気がつけば、国道25号線にいた。
スクーターのスピード感に、酔いしれていたせいだろうか。
よりによって、国道25号線というのは、途中で道が細く曲がりくねっているうえ、大型トラックがバンバン通る。
しばらく、徐行を強いられた。
ようやく国道1号線に合流してからは、ただひたすら快走。
悪いクセで、ガソリンは「1円でも安いところ」を探しながら走る。
おかげで、ガス欠ギリギリでの給油となることが、しばしば。
夕方、近くのユースホステルに電話したが、あいにく満室。
少し距離のある、静岡・御前崎のユースホステルで予約がとれた。
すでに日が沈みはじめる時間だったため、急ぎ目に走った。
あまり遅くなると、チェックインしてくれない可能性がある。
ちなみに、ヘルメットは「半ヘル」といわれる、頭部のみかぶるタイプのものである。
スピードを出すと、無数にいる夜の蛾(が)たちが顔にぶつかってくるので、めちゃくちゃ痛い!
御前崎の近くに来たころ、ガス欠寸前。
近くに、ガソリンスタンドの姿はない。
「こんな時間に、こんなところでガス欠なったら、終わりやん!」と、最悪の事態だけは避けたいと、天に祈りながら走った。
なんとかガス欠はせぬまま、無事ユースホステルへ到着。
すでに先客数名がロビーで、酒を飲みながらたむろしている。
が、そのうちの1人が管理人であることが発覚。
他の客は、常連のようだ。
宿主が堂々と、客前で酒飲むなっ!
風呂上りにロビーでボーっとしていたら、40歳くらいの人に声をかけられた。
同室の方で、美術にたずさわるお仕事をしている、とのこと。
自分の趣味をそのまま仕事にしているというのは、純粋にうらやましい。
そういえば最近、ユースホステルで会う人って、年配の方が多い。
ロビーでビール売ってる場所も、増えている気がする。
ぜんぜん「ユース(=青年)」ちゃうやん!
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