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繁華街の真ん中にも、人のほとんどいない集落にも、神社は
たいがい存在する。ホンマに日本人は、信仰心少ないのか?
祭りの写真を撮ると、ほとんどの人が笑顔であることに気がつく。
今の日本には、こういう会合の場が大切やと、本気で思う。
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午前7時過ぎに目覚めたものの、無念にも雨音が聞こえる。
朝食をいただき、雨が止んだであろうことを確認してから、午前9時半に出発。
午前9時前に雨が止んだのになかなか出発させてくれなかったことや、なぜかウェットスーツを着るようしつこくせがまれたことや、ふいに抱きつかれたことは、感謝の気持ちで押し殺すことにしよう。
心配していた雨は、出発後パラッと降った程度。
今朝の天気予報では、降水確率70%もあったのに。
天気に関する運だけは、やたら恵まれている。
げんに、今までいろんな旅をしたけど、雨で足止めという経験が、ほとんどない。
それより、体がえらいことになっている。
内ももというのか、股から脚にかけての筋肉が、かなり疲労している。
キックボードをけるごとに、内ももの悲鳴が聞こえる。
ここんところ、ぜんぜん運動してなかったしなぁ。
疲労を気にして、午前中はこまめに休憩をとることに。
といっても、断崖の道が続いたり、急に民家が続いたりで、腰を降ろす場所を探すのも、ひと苦労。
こういうときは、神社を探すに限る。
木陰が多いうえに、階段に座っていても違和感がない。
とある小さい神社の、階段でひと休憩。
すると、すぐ向かいの家のご主人に、声をかけられた。
「にいちゃん、旅しよんのか?」
“旅”という単語をダイレクトに言われると、妙にうれしいものである。
軽く会話を交わし、最後に「がんばれよ」と一言いただいた。
旅の最中は、こういう何気ないひとことが、何よりものはげみになる。
午後からは、集落が続く。
実は夕方、友人と飲みの約束をしているので、先を急ぎたい。
休憩時間を削り、ひたすら北上。
すると、街の一角がやけにさわがしい。
見ると、何台もの山車が、神社の境内に並んでいる。
お祭りである。
先へ進むことを忘れ、しばらくそこで居座った。
何をするでもなく、誰と話すでもなく、ただその雰囲気に呑まれているだけで楽しい。
1人でいても十分楽しめるのが、お祭りの醍醐味の1つでもある。
フェリー乗り場に着いたのは、午後5時。
旅ではあまり達成感というものを感じないのだが、今回は思わずガッツポーズをとった。
以前琵琶湖を一周したときは、「もうこんなしんどいこと、二度とやるか」と思ったが、今回は真逆。
次はいつキックボードで旅するか、楽しみになるほどである。
お祭りという寄り道が仇(あだ)となり、飲み会に遅刻したことは言うまでもない。
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