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ただのドブ川みたいだが、世界一狭い海峡だそうだ。
ギネスにも認定済み。地味だが何かすごい。
「ラディン・フセイン・業者以外は来てよし」という旨がドアに
書かれた、怪しい店。パブかな?恐くて入れません!
かつて栄えていたときの蜃気楼が見えそうな、さびれた
ビーチ「ヘルシービーチ」。景色はめっちゃくちゃ素晴らしい。
迷った挙句、たどり着いたところは千枚田。見渡す限り、
大小さまざまな田んぼがぎっしりとつまっている。圧巻!
上と同じ場所。田んぼも多けりゃ、かかしも多い。
みんな違う顔をしているので、見ていて楽しい。
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崩れるように寝床へとついた・・・はずなのに、昨日は寝つきが悪かった。
はじめての野宿なので不安であったことはもちろんだが、何かと「音」がうるさかった。
20時ごろからうつらうつらしていたのだが、太鼓を持った住民達が結構遅くまで徘徊しているのだ。
さらに21時には、時間を知らせるためと思われるサイレンが鳴り渡った。
また、バス停の裏のへんぴな空き地だというのに、けっこう地元の方がウロウロしていた。
極めつけは、猫。
真夜中、テントの真横、つまりテントがなければ僕の耳元で、「アァ〜」「ウァ〜」と2匹がうなっているのだ。
真夜中で頭が冴えていないため、「テントごと襲われる!」と妙な気分になり、めちゃくちゃ恐くなった。
と思った次の瞬間、2匹の決闘が始まった!
始まったはいいが、よりによってテントにぶつかって来た。
テントにぶつかったというか、横腹にもろにぶつかって来たのだ。
ここで恐怖感が一気に怒りになり、テントごしに、思いっきり猫を押しやった。
そんなことがありながら、目覚めたのは、やはり朝早くから海に向かう、釣り人の声のおかげだ。
「おっ、ええ立地条件に住んでるねぇ」「ワシもここ住んだろか」そんな声をテント越しから聞き、恥ずかしくてなかなか外に出られなかった。
昨日に引き続き、午前中は天気がすぐれない。
時折雨がパラつき、雨具を持っていないことに少し後悔した。
大雨にならなかったから良かったけど。
午前中は、主に小豆島の西を歩いた。
一面にビーチが広がり、亜熱帯植物があちこちに植えられ、リゾート感満載!
だが残念なことに、よく見るとまわりの建物はサビているし、ビーチの監視塔らしきものは明らかに数年間人が入った形跡がない。
忘れられた楽園、とでも言いましょうか。
釣り人が数人海に向かって竿を吊るしているのが、この風景と微妙にマッチしていて、思わず足を止めて眺めてしまった。
昼からは、天気が回復しだし、時折太陽が顔を覗かせた。
太陽が出ると、やたら疲労感が押し寄せて来る。
昨日から調子よく歩けたのは、どうやら太陽が出ていなかったせいらしい。
くもっていると気分的にやや落ち込むし、太陽が出たら体力的にきつい。
この反比例は、どうにかならんものか?
午後は小豆島の東へ向かい、歩いた。
やたらと上り坂が続き、道もしだいに殺風景になる。
海沿いに歩いているはずが、どうもおかしい・・・
あっ、道間違えてる!
そう気がついたころには、すでに海からかなり離れたところにいた。
今回は3日かけて海辺の道をまんべんなく歩く、という目標が、一気に崩れ去った。
こうなったらいっそのこと、最短ルートを選んで、今日中に帰ってやろう。
そう気分を切り替え、再出発した。
気分を切り替えたものの、進むごとにどんどん人気がなくなり山道となっていくので、ややおっくうな気分になった。
何でこんなところ歩いてんねやろ・・・と、旅していて気持ちが落ちているときにいつも思うことが、ずっと脳裏をまわっていた。
しかし、歩いているとお遍路している夫婦を見た。
軽くあいさつを交わしただけだが、今この場所で苦労しているのは僕だけではない、と妙な連帯感があり、気分もどんどん良くなってきた。
と同時に、僕も結婚してそこそこいい年齢になったら、同じようにヨメとお遍路なんかしたいなぁ〜、と思った。
ようやく、広い道路へと出た。
あとはただひたすらまっすぐ歩くのみ!
なんてことを考えていると、どうも方向感覚がおかしい。
あれ、こっち歩いたら逆ちゃうのん?
でも標識はこっちって行ってるし、帰ってみよう。
いやいや、さっきの道であってるやん!
そう、思いっきり道に迷ってしまったのだ。
原因は道路標識の単純な見間違いだが、同じ道を1往復半もして、大きく時間をロスしてしまった。
こうなるともう今日中に帰ることは不可能だ。
昨日みたいに暗くなってから歩くのはもうイヤだし。
ということで、かねてから目星をつけていたユースへ行くことにした。
そう思ったとき、後ろから自転車に乗った旅人がやってきた。
今日は歩きだが本来は自転車で旅するのが自分のスタイルであるため、仲間を見るような感じだ。
通り過ぎぎわに軽くあいさつをして、彼の背中を見て、ビックリした。
「日本一周中」と、シャツにでかでかと書かれている!
かつて僕自身も同じことをしていた身分、やたら彼を応援したくなった。
立ち話でもいいからゆっくり話をしたいな・・・なんて思っているうちに、彼の姿はもうなくなっていた。
ようやく海沿いの道へつき、街らしき風景のなか歩き、明るいうちにユースへとたどり着いた。
8人は寝られるであろう広い和室に案内され、しばらく動く気力がなく、ボーっとした。
そういえばさっきから足の裏が痛いが、見てみるとマメが1つある。
また、汗をかきすぎたせいか、軽く股ズレが発生している。
明日ちょっと不安だ。
ようやく落ち着いたところで、風呂に入り、ロビーへ行った。
ユースではたいがいいつも、ロビーにいることにしている。
もちろん、他の人と交流をはかるためだ。
しかし、今日に限って誰もロビーに来ない。
どうやら、団体さんが多いらしい。
時折外人の団体さんがこちらをのぞくが、話しかけて来ない。
こちらは国際交流やる気満々なのに、シャイだな。
なんて思いながら、夕食であるカロリーメイトをほおばった。
そういえば小豆島に来てから、カロリーメイトしか食べていない。
しかも昨夜食べてないから、明らかにカロリー不足だ。
いけないと思いながら、ついついロビーにあったお客さん用のおかしを、すべてたいらげてしまった。
1人でロビーいるのもむなしすぎるので、外へ出た。
防波堤にあおむけになり、星をボーっとながめた。
思ったより星は多くないが、飛行機がやたらと飛んでいる。
そっか、関空の近くだもんな。
そんなこと思いながら、明日帰ることへの名残惜しさが、少しよぎった。
旅の2日目って、いつもなんだけどね。
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