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淡路島一周歩きの旅!〜沼島編〜    【1日目】
● 2005年9月17日(土) はれのちくもり 兵庫県南淡町〜兵庫県南淡町(沼島) 13,662歩



フェリーターミナルの玄関先には、フェリーをまだかまだかと待つ
人が並ぶ。そんなにも楽しい場所なのか?期待感が高まる。



想像以上に小さいフェリー。釣り人は荷物が多いからか、決まって
甲板に出ていた。10分の航路、やはり甲板で風にあたるに限る!

旅の目的

「歩いて淡路島一周」という大前提を踏まえつつ、今回は別の目的がある。
それは、淡路島より南にある小さな離島、「沼島」を楽しむということ。

沼島には、島中にお地蔵さんが点在しているらしい。
それを八十八箇所めぐる、お遍路さんがあるとのこと。
お遍路をしながら、沼島全体を満喫してやるのが、旅の首題だ。

たまには、「距離をかせぐ旅」から離れたのもいいかな、と思いまして。



沼島の中心街。すぐに船を出せるためにか、陸と海との境目は
坂になっている。台風来たとき、大洪水にならないのだろうか?



沼島八幡神社からの眺め。手前に町を見下ろせ、視線のすぐ先に
海が広がる。さらに向こうは島の対岸もあり、眺めていて飽きない。



ぎっしり民家が詰まった、住宅街。写真右手のバイクは、今では手に
入らないと思われるほどレトロ。町の要所に、こんな宝物がある。



フェリーターミナル前にある、案内地図。航空写真を拡大して、
一見したところわかりやすそう。でも町を歩くと、まず迷ってしまう。
頭が、痛い。
悩んでいるわけではない。
物理的に、痛いのだ。

昨夜は会社の同僚と飲んでいて、えらく盛り上がってしまった。
「今日は飲むまい!」と思っていたのに、気がつけばものすごいペースで飲んでいた。
しまいにはオールナイトのお誘いに、心がゆれるほど。
まぁそれだけ、楽しかったということだ。
何とか理性を留められただけでも、まだマシだ。


二日酔いの頭をおさえつつ、今朝は7時に起床し、まず荷物の準備。
飲みに行ってたので、当然準備はまだできていない。

さらに母を車で、奈良まで送りに行かなければならなかった。
旅の当日だというのに、何て忙しい朝なんだ。


午前10時前に家を出発し、1時間後に兵庫県の三ノ宮駅に到着。
ここから高速バスに乗り換えなければならないのだが、高速バス乗り場がどこにあるか、わからない!
交通経路やら時刻表はあらかじめインターネットで調べていたのに、肝心な乗り場を調べていなかった。
結局かけ足で交番で道を聞き、バスターミナルで乗り場を聞き、乗り場ではどのバスに乗ればいいかを聞いて、時間ギリギリ乗り込めた。
しょっぱなからいろんな人に迷惑をかけて、旅人失格である。


高速バスから終点「福良」へ到着し、ローカルバスに乗り換え。
そして前回ギブアップした「東町」へと向かった。

さっきから交通機関に乗りっぱなしだが、見慣れぬ風景がえんえんと流れて行くさまも、悪くはない。
いつか、こういう旅にハマる時が来るのかな?


「東町」へ着いたのが、午後2時。
ようやく旅の始まりだ。

相変わらず何もない道を、えんえんと歩く。
空がくもっているため、たいした疲労はない。
それより、雲がけっこう厚いので、雨が少し心配だ。


2時間後たどり着いたのが、淡路島から南にある離島「沼島」への、フェリーターミナル。
旅の目的が「淡路島一周」とうたっているので、離島に寄る必要はない。
でも、ホームページを見ているうちに、何だか行きたくなった。
今回行かなかったら、なかなか行く機会がなさそうだし。
というわけで、今回は沼島へ行くことにしたのだ。

フェリーターミナルは駐車場が広くとられているが、意外なことに、車がほぼ満車。
また、フェリー待ちしている人々が、けっこういらっしゃる。
けっこう人気の観光スポットなのか?


やがてフェリーがやって来た。
ちっちゃ!
フェリーというよりは、クルーザーである。

船室は100席近くあり、当然甲板に出られる。
荷物を船室に置き、甲板でクルージングを楽しむことにした。
航海時間は、わずか10分。
小型船ならではの速いスピードが、たまらなく気持ちよかった。

強風にあおられながら、自分の中で沼島への期待感が非常に強いことを感じた。
これはかつて、自転車で日本一周したときに、四国・沖縄・北海道へ行ったときの感覚にあったものだ。
海を挟んだ土地が、まるで異国の地と感じてしまうというか、ものすごく日常から離れるというか、何と表現すればいいかわからない興奮。
こんな興奮をするなんて、よっぽどスバラシイ島なのかな?


そして、沼島に到着。
まず意外だったのが、若者が多いこと。
小さな孤島なので、はげしく過疎化が進んでいるものだと思っていたが、どうやら思い違いらしい。


フェリーターミナルのすぐ近くにある看板を見て、まずは島全体を確認。
沼島でのいちばんの目的である、八十八箇所めぐりの順路が書かれている。
が、もちろん目で見ても覚えられない。
とりあえず、近くに数箇所あるようなので、適当にまわってみることにした。


フェリーターミナルからすぐ行くと、小さな商店が1件と、海に隣接した道がある。
どうやらここが、中心地らしい。
ここから民家へ一歩足を踏み入れると、民家の密度の濃さにまず、ビックリする。
人口が少ないと思っていたが、このへんは人がぎゅっと一箇所に集まっているのだろう。

また、あまり区画整備がされていないらしく、道がどうつながっているのかがわからない。
そのせいか、早速1番目のお地蔵さんの場所がわからなくなった。
とりあえずお遍路は一旦置いといて、道になれるべくウロウロすることにした。


すると、長い石段があった。
「沼島八幡神社」。
どうやらこの島の中心となる神社らしい。

実際に石段に上ると、町が一望できる。
なるほど、これだと神様も、島をくまなく見守れるわけだ。
軽く神聖な気分になりながら、しばし風景を楽しんだ。


再度フェリーターミナルに戻り、地図を再確認。
縮尺が読めないし、町全体がまだ把握できていないため、やっぱりわかりづらい。

とりあえず、1番目は「神宮寺」というところにあるようだ。
ちなみに神宮寺は、先ほどの沼島八幡宮のすぐ隣。
当然、一度歩いた道なので迷わずたどり着けた。

寺の境内をくぐると、あるわあるわ、お地蔵さん。
右に左に、いろんな大きさのものが、た〜くさんある。
で、お遍路さんのお地蔵さんはどれやねん!
とこんな場所で怒り狂うわけはなく、とりあえず1体ずつ合掌した。
ちなみに最後に合掌したものが、そうだったようだ。


そこからは、先ほど記憶した地図と、まだ慣れない地理を頼りに歩いた。
というのも、標識も何もなく、道中に地図すらないのだ。
お遍路を名物にしておきながら、この不親切さはニクイとしか言いようがない。

何とかそれなりに、お地蔵さんは見つけた。
お地蔵さんには、何番であるのか番号が彫られている。
しかし、同じ番号のお地蔵さんが横並びになっていたり、一箇所に3つくらい連続した番号のお地蔵さんがあったりで、果たして本当に順番どおりまわれているのか、わからない。


ある程度まわったところで、次のお地蔵さんの位置がわからなくなった。
わからないなりに住宅街をウロウロしてると、表でお酒を飲んでいるおっちゃんに声かけられた。

「何や兄ちゃん、迷っとんか?」
「えぇ、ちょっと遍路してるんですけど、わからなくなって」
「何番までまわったん?」
「実はそれもわからない状態で・・・」

こんな調子で、会話がうまくかみ合わなかった。
いかつい表情、乱暴な言葉遣い。
でも話をしていると、とても親切であることがわかる。
「もう暗ぁなるし、今日はやめとき」というお言葉を素直に受け、今日の散策はここで終わることにした。


町の中心地にある商店で晩飯と朝食を買い込み、フェリー乗り場へ。
わざわざフェリー乗り場へ戻らなくとも、野宿できそうな場所はいっぱいあった。
が、釣り人が常にいるし、フェリーターミナルはそこそこ明るいので、ここがいちばん安心できるのだ。

そして今は防波堤に上って、釣り人さんらと並んで、日記を書いている。
釣り人さんらは、非常に静かだ。
また、ここは車をフェリーで持って来られないため、バカみたいにこの時間まで走り回る車はない。
ここは民家からやや離れているため、テントを張っても住民の方に心配はかけないだろう。


こんな警戒心を抱かない野宿は、はじめてかも。
今夜はゆっくり眠れそうだ。


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