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キックボード九州一周〜完結編 〜    【3日目】
● 2015年5月2日(土) はれ 佐賀県伊万里市〜佐賀県唐津市



「あぐり山公園」を探していた老夫婦との思いがけない
出会いは、この旅いちばんのドラマとなった。


観光地ではなく、農村の風景の一部である棚田。要所で
田が枯れているあたり、痛烈なリアリティを感じる。


どこにでもありそうな港町ながら、ひときわにぎわう「呼子」。
干物をその場で食べられる屋台が1つもないのが残念。
出発してしばらく平地だったが、徐々に山道へと変わる。
昨日と同じく、また峠越えが続きそうで、ぞっとする。
上り坂を走る体力的なしんどさもあるが、建物がなく休憩できないという辛さもあるのだ。

案の定、上り坂がひらすら続き、バテる。
何とか休憩場所を探していると、国道から一本、車が何とか1台通れる広さのあぜ道が延びている。
こんな山奥のあぜ道、誰も通らんやろ。
などと思っていた矢先、何と老夫婦が歩いてきた。

「あぐり山ってどこかわかります?」
と聞かれるも、手元の地図には書いていない。
話を聞くと、あぜ道の先にある集落に住んでおり、奥様側がかなり昔に行った「あぐり山」を、2人で訪れに歩いて来た、とのこと。

しばらく会話を交わしたあと、国道を下って行く老夫婦を見送る。
それから休憩を終え、国道を上って行く。
すると5分も走ったところに、「あぐり山」という看板がある。

これは知らさなくては!
とは思うものの、せっかく上った坂をいったん引き返すのは大変である。
しばらく葛藤したが、老夫婦のことを考えると、伝えずにはいられない。

坂を猛スピードで下り、老夫婦に声をかけるや、えらく驚かれた。
その後のうれしそうな2人の顔を見ると、引き返して正解だったな、と心から思った。
こういうちょっとしたドラマが、旅の醍醐味でもある。


しばらく進み地図を見ると、国道が大きく湾曲している。
そのため、ショートカットをするべく、県道を進む。

するとどうだ、静かな集落沿いの道から、棚田の景色が広がる。
ここが観光地ではないということが、不思議なくらいである。
ただ、急激に坂の勾配がきつくなったり、道が狭くなったりして、走っていて辛い。

再び国道へ戻ると、風車が並ぶ風景が見えたり、「浜野浦の棚田」という大規模な棚田があったり、これまた風景に恵まれた道が続く。


軽く観光しようと立ち寄ったのが、「呼子(よぶこ)」という港。
やたら観光客が集まっており、海に面した通りには、イカや干物などの露店が並ぶ。
ちょっと買い食いでもしてやろうか、という気持ちはあるのだが、ちょうど昼食をとった後で、食欲がない。

それにしても、露店はたくさんあるのだが、それ以外にこれといったスポットは見当たらない。
なぜこんなに人が集まるの?と不思議に感じる。
それよりも、一本奥にある道のほうが、ノスタルジックで生活観がありステキなのに、なぜ誰も歩かないのだろうか。


予定より少し早めに、宿のある唐津市街へ到着。
しかしここで、道に迷う。
手元の資料があまり詳細ではないということもあるが、方向感覚までなくなるのは、珍しい。

結局、だいたい予定どおりの午後6時に、何とか宿に到着。
期待していた大浴場に入るも、ガラスの模様が邪魔で、外の景色がまったく楽しめない。
さらには、子どもの集団が入ってきてはギャーギャー騒ぐので、とても心が落ち着かない。

1日がんばったんだから、夕方くらいゆっくりさせてよ・・・
何てことは、ビジネスホテルに期待するのも無謀というものだろうか。


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