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				道路沿いに長い参道がある「高浜八幡宮」。 
				海と境内の間にも鳥居が設けられている。
				 
				 
				 
				 
				小高い丘にたたずむ、緑の多い「東泉寺」。 
				境内に、1番のお大師さんがある。 
				 
				 
				 
				 
				お地蔵さんは道沿いに置かれている。あまり 
				目立たないが、しっかり意識していると見つけられる。
				 
				 
				 
				 
				お堂に祀られているのは、この島ではレアケース。 
				持参したロウソクとお線香で、しっかり参拝する。
				 
				 
				 
				 
				道路の塀にもお地蔵さん。なお、お地蔵さんの隣に番号が 
				書かれた石柱が設置されているのが弓削島遍路のスタイル。
				 
				 
				 
				 
				船でしか渡れない離島とは思えない、大きくきれいな 
				スーパー。住民の多いことがうかがえる。
				 
				 
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肩まわり、特に肩甲骨のあたりが、ひどくこっている。 
鍼灸院で、はり治療が必要なくらいに。 
 
デスクワークという職業も理由の1つだが、最近旅をしすぎていることが原因であることは、明らかだ。 
5月からほぼ毎月、長距離を走っている。 
また、最後に走ってから、1か月も経っていないのだ。 
体に疲れが蓄積されて、当然である。 
 
そのため、今回の連休は旅を見送ろうとも考えた。 
しかし、特に予定もないし、旅をしないともったいない。 
いろいろ考えた結果、比較的走る距離が少なく済む旅をすることに。 
そう、旅というより、「リゾート」を意識しようというものだ。 
 
 
そして決まった行き先は、「弓削(ゆげ)島」。 
「瀬戸内海に浮かぶ小さな離島」なんて、まさにリゾートという名にふさわしいではないか。 
 
この島で、88体の「お大師さん」をめぐる、いわゆる「ミニ遍路」ができるというのも、選んだ理由の1つ。 
ちなみに、周辺の「魚(うお)島」「佐(さ)島」にも同様のミニ遍路があり、弓削島だけで時間が余りそうなら、まわるつもりだ。 
 
 
電車で尾道まで移動し、渡船でいったん因島へ渡る。 
そこから30分ほどキックボードで移動し、別の港から、弓削島へと向かう。 
 
しかし因島で走っていると、パトカーに横付けされ、止められる。 
確かにキックボードは道路交通法上はグレーな部分ではあるが、交通量も少ない道で、わざわざ止めるかね? 
 
「エンジンついてないから、歩道走っちゃダメ」 
という言い分も、理解できない。 
車やバイクって、歩道走っていいんだっけ? 
 
聞き間違いかな、と思いきや、それを何度も言ってくる。 
ちなみに、パトカーに止められたのはキックボード旅で2回目なのだが、以前言われたのは、 
「キックボードで車道走っちゃダメ、ちゃんと歩道走りなさい」 
だった。 
 
ちょっと理不尽なので言い詰めてやろうかと思ったが、こんなところで時間をとっている場合ではない。 
また、下手したら「違法行為」と無理やりでっち上げられ、旅が無駄になってしまう。 
不条理ではあるが、ごめんと言って何とかやり過ごす。 
もちろん、胸の奥にはイライラが残る。 
 
 
やがて渡船に乗り、島の西側のやや上方に位置する「上弓削港」へ上陸。 
弓削島へ足を踏み入れるや、ワクワクした気持ちに襲われる。 
離島に来ると、必ずこみ上げてくる感情である。 
 
交通量が少なく、離島の割には幅広い道を北上する。 
すると、「高浜八幡宮」という神社を見つける。 
お遍路とは関係ないが、島にあるものは極力触れておきたいため、寄ってみることに。 
 
松の木で囲まれた参道には、提灯を飾るためなのか、木製の棚のようなものがいくつも設置されている。 
また、境内3か所ある鳥居には、いずれもしっかりしめ縄がされている。 
神殿はそれほど大きくないが、地元の人に大事にされていることがうかがえる。 
 
 
やがて、少し高台に上ったところにある「東泉寺」へ到着。 
本堂とお大師さんの建物が分かれているのは、お遍路寺としてスタンダートな様式である。 
境内に芝生が敷き詰められており、なかなか風情のある場所である。 
 
そこから2番へ、手元の地図に記された順路どおり進むと、途中で道がヤブで閉ざされている。 
仕方なく、ぐるっと県道をまわる。 
その県道から、1本道を左に曲がる必要がある。 
が、目印はないし、小さな道がいくつかあるので、どこを曲がればいいのかわかりづらい。 
 
何とかそれらしき道を見つけ、細い道を進んだところに、ようやく小さなほこらを発見。 
地図がなければ、間違いなく見つからないだろう。 
 
 
3番以降は、県道沿いにポツリポツリとお地蔵さんが置かれており、見落とすことがない。 
それにしても、島の北東部は、まったくといっていいほど、人も車も通らない。 
安全なので安心できるのだが、何だかさびしく感じる。 
 
 
16番から19番は、集落の中にある。 
特に16番は、思いっきり人様の家の敷地を通らないといけなくて、少し気が引ける。 
ちょっと地図では場所がわかりづらいが、何とか高台にあるお堂を見つける。 
そこから19番までは、急な上り坂となっており、ひどくバテる。 
 
 
再び県道へ戻り、20番台は順調に巡礼。 
30番からは、弓削島でも特に栄えている集落へ入る。 
 
30番はお寺の境内にあるのだが、お大師さんが祀られているであろうお堂が、2つある。 
いずれも鍵がかかっており、どちらが正解かわからないので、どちらにも読経と合掌礼拝をする。 
 
住宅地のど真ん中にある32番は、ほこらが閉ざされている。 
さすがに開けるには気が引けるなと思っていた矢先、「開けてええよ」とご近所さんが声をかけてくれた。 
参拝後は、その人と少し立ち話をする。 
ずっと人通りのない道ばかり走っていたので、人と話す行為自体が、すごく久しぶりに感じる。 
 
 
宿の近くを通り過ぎ、35番までは順調に進んだのだが、36番の場所が手元の地図でわからない。 
 
それらしき道を進んでは引き返し、を繰り返しているうちに、ヤブの深いあぜ道に、36番への案内を見つける。 
が、そこから先はさらにヤブが深くなるうえ、数歩ごとにクモの巣が張り巡らされている。 
1分で数歩しか進めない、といった状況。 
さらに、短パン姿ではマムシもこわいため、ここは泣く泣く諦めることにした。 
 
で、まだ午後5時前と早い時間ではあるが、今回はリゾートだということも意識し、ここで終了。 
 
 
夕食を買うべく、港へと向かう。 
離島なので小さなスーパーしかないかな、と思いきや、めちゃくちゃきれいなAコープがある。 
さすがに物価が少し高めであるが、そこは想定の範囲内である。 
 
そして宿へ。 
シングル素泊まり6,000円は、普段なら高めに感じる。 
が、一応リゾートホテルであり、温泉もあり、離島という立地を考えると、安いほうだろう。 
 
ゆっくり温泉につかってからは、夕食。 
シングルルームなのに、オーシャンビューのテラスがあるというのがうれしい。 
 
すっかりリゾート気分を堪能しながら、酒をガブガブ飲んでは、秋の夜長を過ごす。 
あまりの気分のよさに、少し飲み過ぎてしまったことは、明日への大きな不安材料である。
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