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田園地帯は、腰を降ろす場所が少ないので休みづらい。
ここは道路の竣工記念碑前。こんなとこ座ってバチあたりかな?
素朴な町並み、栗田半島。海の向こうには、天橋立が
横から見える。それ以外の印象は、正直あまりない。
栗田半島、西から北にかけての道は工事中。工事の気配は
ないけど、この細く険しい道は自転車で走りたくない。
栗田半島、東側の路地裏。マンションやアパートのない、
純日本家屋が続く町並みは、どこかなつかしい。
国道沿いに、突如あらわれた赤レンガの建造物。さらに進むと、
赤レンガが立ち並ぶ一角があった。きれいだが、ちょっと不気味。
赤レンガ造りの雑居ビルにあるカプセルホテル。その名も
「赤レンガ」。やや狭いけど、遊ぶ目的でなければおすすめ!
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夏に野宿なんて、するもんじゃない。
暑くて暑くて、寝付けなかった。
ようやく寝られそうだと思いきや、トラックの音がうるさくて、また目が覚めてしまう。
さすがは国道、車が一晩中走ってやがる。
目覚めたのは午前4時。
本当は午前5時半に起きる予定だったが、一度目が覚めてからは車の音で寝付けなかった。
そんなこんなで、寝た気分のないまま走り始めたのが、午前6時。
天気はくもり。
何だか非常にテンションが低い。
おかしい。
天気がどうであれ、通常なら朝イチで自転車をこぐと、何かしら神聖な気分になるのに。
寝不足のせい・・・いや、寝不足で走ったことは何度もあるが、こんな気分にはならなかった。
とすると、考えられるのは・・・
湿度?
湿度が上がって来ているのか?
ということは・・・
「大正解〜!」と言わんばかりに、案の定雨が降ってきた。
朝っぱらから雨にあうとは、先が思いやられるなぁ。
とりあえず近くにコンビニがあったので、朝食がてら雨宿りをした。
コンビニでごはんを食べるときは、いつもコンビニ前のごみ箱の並びに、座って食べる。
行儀が悪く、今風の若者みたいでカッコ悪いのだが、体力的にこれだけは仕方がない。
と、コンビニの店長と思われるかなりご年配の方が、こちらへやって来た。
やばい、怒られる!
でも怒られても仕方ないカッコしてるし・・・
「これ、使えば?濡れるやろ?」
しかし、いただいたのは説教ではなく、1枚のダンボールだった。
どうやら雨宿りしてる僕に見かねて、わざわざコンビニ裏から持ってきてくださったようだ。
お礼を言うと、ニコニコとしたまま、店員さんはお店の中へと消えて行った。
こういうちょっとした温もりが、雨に濡れて冷えた体にしみる。
雨がやんで、再出発。
田園風景が続く国道を、ひたすら走った。
途中二度ほど、雨が降ったので、そのつど雨宿りした。
また、坂道でちょっとキツイと思ったときは、勝負せずに降りて歩いた。
このあたり、ようやく旅に“ゆとり”があらわれたと思う。
今までなら、何がなんでも先へ進んでたからね。
午後も、ゆとりをもって走った。
それにしても、体の底からしんどさがにじみ出る。
暑さのせいか?
湿度のせいか?
どちらにせよ、せっかくゆとりを持って走っているのに、これでは意味がない。
ようやく日本海が見えた。
そのまま一路、はじめの目的地である「栗田半島」へ。
海沿いなのに漁港街という雰囲気はなく、ただ素朴に民家が並んでいた。
地図上ではうねうねした道だったので、てっきり山道かと思っていたが、意外に平坦な道だった。
半島西側を海沿いに北上し、そのまま時計回りに東側へ・・・と行きたいのに、目の前に「通行止め」の看板が!
工事の音はなく、まったくもって工事をしている様子はない。
しかし、本当に工事してて引き返すのもバカらしいし、怒られなんかしたら、恥ずかしくて仕方ない。
ここはすなおに、引き返すことにした。
まぁ、看板の向こうがものすっごく険しい道だったんで、内心ほっとしたのも正直なところ。
引き返しつつも、「せっかく来たんやから東側も見たい!」という衝動が抑えられない。
結局、途中にあった半島の縦断道を渡り、東側へ。
東側は、西側とは違って漁港風の街並み。
同じ半島でも、こうも違うんやなぁ。
東側にも「行き止まり」の看板があり、そこまで行って引き返した。
帰りは、府道より海側の、民家の前にある細道を走った。
ぎゅっと敷き詰められた家々からは、何げない会話や、生活の音が聞こえてくる。
あまりにも平和すぎるこの空間は、ついつい時間が止まっているかのような錯覚に起こしてくれる。
こういう光景を見ると、日々のあわただしい毎日が客観的に見え、小さなことでくよくよしている自分がとても小さく思える。
国道へ戻り、ひたすら東へ。
あらかじめ目星をつけていた、カプセルホテルへと向かった。
途中、やたらと「赤レンガ」という文字が目立つ。
「何だろう?」と思っていると、やがて道路の左側に、赤レンガでできた施設がずらっと並んでいた。
日本海軍の敷地のすぐ隣にあったんで、戦争とかに関係のあるものなのかな?
見学もできるようだったが、日が暮れそうだったんで、行かなかった。
もうちょっと太陽が高ければ、行ってたろう。
いくらゆとりを持つ旅とはいえ、夕方から行動すると、宿が見つからない可能性があるからコワイのだ。
東舞鶴駅前へ到着。
ここはかつて、とあるアルバイトでやって来て、夜の街を徘徊した場所だ。
そのときの風景がやけに頭に残っていて、またそれが目の前の風景と一致する。
かなり過去のことなのに、こんな鮮明に覚えてるなんて、不思議だ。
駅前のこぎれいな雑居ビルに、カプセルホテルがあった。
その名も、「赤レンガ」。
なるほど、さっきの赤レンガというものは、この地域の観光名所なんだな。
ちなみにこのビルも、赤レンガ造り。
フロントの方の接客は、非常にていねいだった。
これなら3,900円でも高くはない。
久しぶりにひとっ風呂浴び、風呂上りにビールをかっこんだ。
今はチューハイを飲みつつ、これを書いている。
旅の途中としては、ちょっと飲みすぎかな?
まぁこれも、ゆとりを持つ旅の一環として、よしとしよう。
明日は主に半島巡りだ。
坂が多いだろうなぁ。
しかし今回はハードな旅を求めてないし、坂がキツかったら遠慮なく歩くようにしよう。
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