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キックボード琵琶湖一周    【2日目】
● 2006年8月26日(土) はれ 滋賀県彦根市〜滋賀県高島市




一方通行となっているトンネル。車道よりも広いんじゃないかと
思えるほど、歩道が広い。全国のトンネルも、こうあったらなぁ。


バス停裏で昼寝。道路から隠れる場所で、裏手には何もない
ため、人目につかない。なんならここで、野宿してみたい。


奥琵琶湖から眺める琵琶湖。とても閑静で、頭からっぽにするには
最高の場所。道に「落石注意」看板が続くのは、ちょっと怖いが。


整備された道がえんえん10キロ続く、新旭町の湖岸道路。
風景が長時間変わらないというのは、本当に苦痛である。


狭い空間に岩の浴槽があり、手入れされた花壇はライトアップ
されている。まさに「秘湯」と言っても過言ではない雰囲気だ。


写真ではとても全景を撮ることのできない広さを誇る、
「萩の浜水泳キャンプ場」。写真は、次の日の朝撮影。
午前5時半に起床。
昨夜、テントに入ってからも花火は続いていたが、夜中突然花火する奴はいなかったので、意外によく眠れた。

そそくさと準備して、30分後に出発。
せっかく琵琶湖が拝めたのだが、走路の効率上、またしても琵琶湖を離れるルートをとる。

それにしても、朝っぱらから暑い!
道路にある温度表示は、すでに30度を超えている。
お盆を過ぎたら涼しくなると思っていただけに、思い切り裏目を突かれた。


琵琶湖の最北端に差しかかり、走路は北から西へ。
通称「奥琵琶湖」とよばれるエリアで、湖岸でも山が多い。
当然待っているのは、上り坂とトンネル。

上り坂は、ほぼ歩いた。
勾配が強く、キックボードをこぐと相当の力が必要となる。

トンネルは、歩道が広めにとられている。
光もまんべんなく当たっているため、路面がよく見える。
また、陽射しが遮断されているため、涼しい。
トンネルは危険で怖いという印象を持っていたが、これなら安全だし、快適である。


下り坂は、とにかく減速。
スピードを出すと、つまづいたときに大怪我しそうだからだ。
こけてもふんばれるスピード、つまり軽いジョギング程度のスピードを保った。

下っている最中は、ずっと同じポーズを保ち続ける必要があるので、しんどい。
スピードが出せないもどかしさもあり、必ずしも快適とは言いがたい。


トンネルを抜けたところに、コンビニがあった。
きっとこの先しばらく、コンビニや食堂がないはず。
時間もちょうど正午だし、ごはんを食べることにした。

近くにバス停があり、待合所の裏手が日陰になっている。
そこでシートを敷き、腰を下ろした。
ごはんを食べ終わったあとは、ゴロンと横になり、寝た。
昼は暑くてテンションが下がりがちなので、ゆっくりと休憩をとったのだ。


1時間ほどゆっくりしてから、再出発。
トンネルをいくつも抜け、今度は琵琶湖沿いの道。
非常に閑静な場所で、桜並木が木陰を作っている。
ここは、こんな汗ダクになって通り過ぎるのではなく、何もせずゆっくり1日過ごしたい。


奥琵琶湖を過ぎ、いよいよ折り返し。
走路を、南へと向ける。
琵琶湖の西側は、海岸がやけに多い。
だいたいどのへんでも野宿できるので、気分的に安心だ。

また、西側は湖岸の道と、湖岸から少し離れたバイバスがある。
バイパスは車が多いので走らないが、湖岸の道は民家が多い。
キックボードはけっこうガーガー音鳴るので、近所迷惑をしているようで、気がひける。


日が暮れかかるころ、やって来たのが「新旭町」という場所。
ここには「風車村」という道の駅がある。
ここは今年、友人と2人で野宿した場所である。
野宿するにはいい時間だが、1ヶ月前と同じ場所で寝るのは気分的にイヤ。
もう少しがんばることにした。

それからすぐ日は暮れ、またしても暗闇での走行となった。
よりによって、人通りも建物もない、非常に静かな道である。
たちまち不安感につつまれてしまう。

こんな場所なら、どこでも野宿できる。
しかし、地図を見ると5キロ先に、温泉とキャンプ場がある。
野宿をするには、最高すぎるシチュエーションだ。
不安になりながらも走るのは、そこへ行くためだ。

何度か道を間違えそうになりつつ、ようやく温泉へ。
「宝船温泉」と、小さく素朴なネオン看板が光る。
今までここを何度も通っているからわかったものの、きっとはじめて通りかかったら、ここが温泉だと気がつかないだろう。

温泉は、通常と露天の2種類があり、それぞれ別の場所にある。
いずれも洗い場が狭く、5人も入ればいっぱいではないかと思える広さ。

ちょうど食事時だからか、客は僕1人。
もちろん、露天風呂を選んだ。
お湯は褐色がかっているし、湯船は岩でできているし、ムードは最高!
「秘湯」といってもいいくらいの雰囲気だ。

ただ、いつもどおり長湯をすると、暑くて眠れなくなる。
ゆっくりできないのが、ちょっと残念。


2日分のアカを落としたあとは、キャンプ場へ。
広大なキャンプサイトには、えんえんと客がいる。

荷物を置いて、まずはテントを張る場所を確保。
道路とキャンプ場の街灯がほうぼうから差して、まぶしい。
なるべく街灯のあかりが少なく、かつ他の客から離れた場所を選んだ。

それにしても、今日は風が強い。
テントを張ると、間違いなく吹っ飛ばされそうな勢いだ。
テントは、寝る直前に張ろう。


海岸側では、当然のように花火。
花火の音を聞くだけで、条件反射的にムカッとくる。
しかし今の時間は、まったく文句をいえない時間だ。
ここは開き直って、よそ様の花火を眺めることにした。

ちなみに、風の強い日は花火をしてはいけない、と小さいころに教わった。
ここにいらっしゃる方々は、よっぽど教養のない方のようだ。
火の粉がキャンプサイトに流れてても、まったく気にしていないし。

花火よりも、もっと気になる光を見た。
雷だ。
厚い雲の中で、何度も稲光が見える。
これは突発的な雨を警戒しなくては。
ただこのキャンプ場、炊事場とトイレ以外、屋根のある場所がない。
雨が心配で、なかなかテントを張る気にならない。


午後10時、体力的な限界が来たので、テントを張ることにした。
相変わらず風は強く、テントを広げるとすぐ風で持っていかれそうになる。
こんなに苦労してテント張るなんて、はじめてテントを張るとき以来だ。

テントを組み立てている最中、海岸で焚き火をする団体があった。
その煙はサイトに思いっきり入ってきて、まさに僕がテントをたてているところを直撃。
さらにこの勢いなら、道路を越えて民家にまで及ぶだろう。
野宿のことを書くたびに、「常識レベルの低下」を指摘するのは、もう飽きた。

テントの場所を移動し、テントの中で「アウトドアの在り方」を考えながら、目を閉じた。


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