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一方通行となっているトンネル。車道よりも広いんじゃないかと
思えるほど、歩道が広い。全国のトンネルも、こうあったらなぁ。
バス停裏で昼寝。道路から隠れる場所で、裏手には何もない
ため、人目につかない。なんならここで、野宿してみたい。
奥琵琶湖から眺める琵琶湖。とても閑静で、頭からっぽにするには
最高の場所。道に「落石注意」看板が続くのは、ちょっと怖いが。
整備された道がえんえん10キロ続く、新旭町の湖岸道路。
風景が長時間変わらないというのは、本当に苦痛である。
狭い空間に岩の浴槽があり、手入れされた花壇はライトアップ
されている。まさに「秘湯」と言っても過言ではない雰囲気だ。
写真ではとても全景を撮ることのできない広さを誇る、
「萩の浜水泳キャンプ場」。写真は、次の日の朝撮影。
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午前5時半に起床。
昨夜、テントに入ってからも花火は続いていたが、夜中突然花火する奴はいなかったので、意外によく眠れた。
そそくさと準備して、30分後に出発。
せっかく琵琶湖が拝めたのだが、走路の効率上、またしても琵琶湖を離れるルートをとる。
それにしても、朝っぱらから暑い!
道路にある温度表示は、すでに30度を超えている。
お盆を過ぎたら涼しくなると思っていただけに、思い切り裏目を突かれた。
琵琶湖の最北端に差しかかり、走路は北から西へ。
通称「奥琵琶湖」とよばれるエリアで、湖岸でも山が多い。
当然待っているのは、上り坂とトンネル。
上り坂は、ほぼ歩いた。
勾配が強く、キックボードをこぐと相当の力が必要となる。
トンネルは、歩道が広めにとられている。
光もまんべんなく当たっているため、路面がよく見える。
また、陽射しが遮断されているため、涼しい。
トンネルは危険で怖いという印象を持っていたが、これなら安全だし、快適である。
下り坂は、とにかく減速。
スピードを出すと、つまづいたときに大怪我しそうだからだ。
こけてもふんばれるスピード、つまり軽いジョギング程度のスピードを保った。
下っている最中は、ずっと同じポーズを保ち続ける必要があるので、しんどい。
スピードが出せないもどかしさもあり、必ずしも快適とは言いがたい。
トンネルを抜けたところに、コンビニがあった。
きっとこの先しばらく、コンビニや食堂がないはず。
時間もちょうど正午だし、ごはんを食べることにした。
近くにバス停があり、待合所の裏手が日陰になっている。
そこでシートを敷き、腰を下ろした。
ごはんを食べ終わったあとは、ゴロンと横になり、寝た。
昼は暑くてテンションが下がりがちなので、ゆっくりと休憩をとったのだ。
1時間ほどゆっくりしてから、再出発。
トンネルをいくつも抜け、今度は琵琶湖沿いの道。
非常に閑静な場所で、桜並木が木陰を作っている。
ここは、こんな汗ダクになって通り過ぎるのではなく、何もせずゆっくり1日過ごしたい。
奥琵琶湖を過ぎ、いよいよ折り返し。
走路を、南へと向ける。
琵琶湖の西側は、海岸がやけに多い。
だいたいどのへんでも野宿できるので、気分的に安心だ。
また、西側は湖岸の道と、湖岸から少し離れたバイバスがある。
バイパスは車が多いので走らないが、湖岸の道は民家が多い。
キックボードはけっこうガーガー音鳴るので、近所迷惑をしているようで、気がひける。
日が暮れかかるころ、やって来たのが「新旭町」という場所。
ここには「風車村」という道の駅がある。
ここは今年、友人と2人で野宿した場所である。
野宿するにはいい時間だが、1ヶ月前と同じ場所で寝るのは気分的にイヤ。
もう少しがんばることにした。
それからすぐ日は暮れ、またしても暗闇での走行となった。
よりによって、人通りも建物もない、非常に静かな道である。
たちまち不安感につつまれてしまう。
こんな場所なら、どこでも野宿できる。
しかし、地図を見ると5キロ先に、温泉とキャンプ場がある。
野宿をするには、最高すぎるシチュエーションだ。
不安になりながらも走るのは、そこへ行くためだ。
何度か道を間違えそうになりつつ、ようやく温泉へ。
「宝船温泉」と、小さく素朴なネオン看板が光る。
今までここを何度も通っているからわかったものの、きっとはじめて通りかかったら、ここが温泉だと気がつかないだろう。
温泉は、通常と露天の2種類があり、それぞれ別の場所にある。
いずれも洗い場が狭く、5人も入ればいっぱいではないかと思える広さ。
ちょうど食事時だからか、客は僕1人。
もちろん、露天風呂を選んだ。
お湯は褐色がかっているし、湯船は岩でできているし、ムードは最高!
「秘湯」といってもいいくらいの雰囲気だ。
ただ、いつもどおり長湯をすると、暑くて眠れなくなる。
ゆっくりできないのが、ちょっと残念。
2日分のアカを落としたあとは、キャンプ場へ。
広大なキャンプサイトには、えんえんと客がいる。
荷物を置いて、まずはテントを張る場所を確保。
道路とキャンプ場の街灯がほうぼうから差して、まぶしい。
なるべく街灯のあかりが少なく、かつ他の客から離れた場所を選んだ。
それにしても、今日は風が強い。
テントを張ると、間違いなく吹っ飛ばされそうな勢いだ。
テントは、寝る直前に張ろう。
海岸側では、当然のように花火。
花火の音を聞くだけで、条件反射的にムカッとくる。
しかし今の時間は、まったく文句をいえない時間だ。
ここは開き直って、よそ様の花火を眺めることにした。
ちなみに、風の強い日は花火をしてはいけない、と小さいころに教わった。
ここにいらっしゃる方々は、よっぽど教養のない方のようだ。
火の粉がキャンプサイトに流れてても、まったく気にしていないし。
花火よりも、もっと気になる光を見た。
雷だ。
厚い雲の中で、何度も稲光が見える。
これは突発的な雨を警戒しなくては。
ただこのキャンプ場、炊事場とトイレ以外、屋根のある場所がない。
雨が心配で、なかなかテントを張る気にならない。
午後10時、体力的な限界が来たので、テントを張ることにした。
相変わらず風は強く、テントを広げるとすぐ風で持っていかれそうになる。
こんなに苦労してテント張るなんて、はじめてテントを張るとき以来だ。
テントを組み立てている最中、海岸で焚き火をする団体があった。
その煙はサイトに思いっきり入ってきて、まさに僕がテントをたてているところを直撃。
さらにこの勢いなら、道路を越えて民家にまで及ぶだろう。
野宿のことを書くたびに、「常識レベルの低下」を指摘するのは、もう飽きた。
テントの場所を移動し、テントの中で「アウトドアの在り方」を考えながら、目を閉じた。
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