|
志賀町の国道161号線は、路肩がないうえ、歩道が狭い!
それでいて大型車がバンバン通るので、通るだけで命がけだ。
昼食どきだというのに、なぜか客が殺到しているスーパー銭湯、
「やまとの湯」。もはや温泉ブームというより、一種の文化である。
購入後わずか3日だというのに、ローラーはヒビが入り、
ヘタしたら割れそうだ。今回の旅の苦痛を、象徴している。
|
結局、雨は降らなかった。
しかし風は夜の間ずっと強く、テントがなびく音で何度も目覚めた。
午前5時に起き、30分後に出発。
風はおさまっている。
太陽が昇らないうちに、距離をかせがなければ。
当然ながら、今日中に帰らなければならない。
今回、地図はページごとにコピーして持ってきている。
つまり、琵琶湖全体を把握できる地図がないため、自分が全体の何パーセント進んでいるか、わからない。
また、走り終わった地図は随時処分しているため、自分がどのくらいの速度で走っているか、わからない。
不安になりながら、ふと道路標識を見た。
「大津 35km」。
えっ、そんなもん?
時速5キロと考えても7時間、つまりお昼過ぎにはゴールできる。
今日は気分よく走れそうだ。
午前中は、ずっとくもり。
温度こそ高めであるが、陽射しがないだけで、ずいぶんとラクである。
特に、志賀町というエリアは坂のアップダウンがあるため、昨日のような天気ではキツいだろう。
志賀町を越えてからは、市街地へと変わる。
とたんに、すっかり忘れていた羞恥(しゅうち)心を思い出す。
やっぱりこのご時世、キックボードで市街地はねぇ。
特に、通り過ぎる子ども達が、何とも不思議そうな形相で見てくる。
ママチャリで走っているときとは、また違った視線である。
午前11時半、やや疲れがあったので、少し早いが昼食にした。
牛丼屋に入ったのだが、そのすぐ向かいには、先月ママチャリで走ってて雨宿りしたガソリンスタンドがあった。
そのときお兄さんらといくらか話をしたため、あいさつがしたいと思った。
が、普通に接客中だったし、そんなに顔を覚えているわけではない。
通りすぎるとき、会釈といえるかいえないかくらい、軽く頭を下げた。
向こうも、覚えてないだろうなぁ。
さらに30分走ったところで、今度はスーパー銭湯へ。
昨夜お風呂入ったから、いつもなら軽くパスするところだ。
お風呂で長時間ゆっくり・・・ともいかなかった。
体が、火照りすぎている。
とても長湯するコンディションではない。
結局、30分くらいしか楽しめなかった。
シャツの替えは昨日着替えてないため、さっきまで着ていた濡れシャツを着ることに。
Tシャツなんてかさばるものじゃないんだし、1着くらい余分に持っとかんとね。
スーパー銭湯から出ると、思いっきり太陽が出ていた。
が、30分も走ると、ゴールである大津駅へ到着。
さすがに駅前は、もっともキックボードで走るのが恥ずかしい。
でも一応、駅構内までキックボードで走った。
キックボード旅がはじめての経験ということもあるが、走っているときのつらさが尋常でなかったため、走り終えてからは充実感を感じた。
充実感を感じながらも、電車では学生たちの白い視線を感じた・・・
|
|
|