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閑静ながらも、島の一箇所にぎゅっと集結された
集落を歩くと、なつかしくも力強い生活感を感じる。
キックボードは、歩行者か自転車か。少なくとも構造上、
自転車ではないが、下り坂ではけっこうスピード出るぞ!
しななみ海道の橋を下る道は、豪快な立体交差。
上から見ると恐怖を感じるが、走るとどうってことない。
遊具が多く、昼間子どもでにぎわっている感じの公園ほど、
夜の静寂さが強調される。ホームレス社会人。
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甲板の上で、朝日を望む。
そうしようと考えていたのに、朝起きられなかったのは、寝坊したわけではない。
二日酔い。
昨夜は、フェリーの狭い2等室で、ひとり酒をしこたま飲んだ。
まわりが家族や仲間とワイワイにぎわっているさなか、1人というのはさびしくて仕方がない。
深酒を浴びたのは、孤独感から逃げるためであろう。
午前6時、フェリーは東予港へ到着。
そこから送迎バスで、今治へ。
今治から早速キックボードを走らせるも、いまいちテンションがあがらない。
くもり空の下、しまなみ海道はじめの橋「大三島橋」へとさしかかる。
上り坂をのぼっていると、後ろから自転車乗りに、声かけられる。
「発想がすごいね」
キックボードで走っているという体力的なことより、アイデアをほめられた。
そう、僕がキックボード旅をして気づいてほしいところは、このアイデアそのものなのだ。
さすが自転車で旅している人は、そういう部分をちゃんと気づいてくれる。
橋の途中で、小さな島「馬島」へ下るエレベータがあったので、寄ってみることに。
歩いても、10分あればまわりきれるであろう、ごく小さな島。
それでも人は住んでいて、民家がぎゅっと密集している。
ここで見かけた人は、住民ひとりと、釣り人3人のみ。
本当に静かであり、妙に落ち着く。
二日酔いの不調も手伝い、1時間ほど島でゆっくり休んだ。
島をあとにするとすぐ、橋の料金所。
しまなみ海道にかかる橋では、車両・バイク・自転車で渡る場合、通行料を払わなければならない。
歩行者は、無料である。
キックボードは・・・どれ?
料金所の係の人も、少し首をかしげていた。
「歩行者扱いでいいですよね?ね?」と、なかば強引に係の人を言いくるめ、そのまま通過。
100円ぽっちの通行料が惜しいのではない、橋を渡るごとに小銭を用意するのが、面倒なのだ。
しまなみの島で2番目に大きい島・大島へ到着。
この島を一周すべく、海沿いに時計回りに、進路をとった。
島は大きく栄えているわけではないが、「本当に離島か?」と思えるほど、住宅地が多く、開発されている。
正午ごろ、水のみ場と東屋が設置された大きめの公園で、またも休憩。
さっき休憩してから、1時間ほどしか経ってない。
旅の最中、ふだんならこんなに休まないのに。
でもまぁ、最近はこのくらいのスローペースが、むしろ心地よく感じる。
休憩後、走っていると、どうも海が遠く感じる。
と思っていたら、走る予定だった海沿いの道ではなく、島の中央を走る国道を走っていることがわかった。
わざわざ道を引き返すのも面倒なので、とりあえずそのまま走ることに。
どうせ、島を一周したら国道を走るつもりだったし、海沿いの道はあとで走ろう。
島にはコンビニがほとんどないので、スーパーで昼食を買い、海を見ながら食べる。
それにしても、今回の旅はやたら人から声がかかる。
さっきの休憩から1時間の間にも、孫とツーリング中のおじさん、スーパーのおねぇさん、港のおばあちゃん、などなど。
やはりキックボードというツールは、よほどインパクトがあるのだろう。
昼食後は、島の東を南下。
やたらアップダウンが激しく、道路の幅も狭い。
自転車でも、ウンザリするであろう道を、ヒーヒー言いながら走った。
先ほど声をかけてくれた、孫連れのおじさんとの再会が、唯一の癒やし。
こういう「その日限りの仲間」というのは、旅ならではで楽しい。
島を一周し終え、北へ進路を変えたころ、陽射しがゆるくなってきた。
そろそろ、夕方である。
野宿は確定なので、まわりにお店があるうちに、食糧の買い出しすることに。
夕食と明日の朝食を買い込み、リュックに荷物を詰めていると、スーパーの前にゴミが散乱していることに気がついた。
子供のおもちゃのゴミ、である。
子供に、教育できない親の神経が、まったくもって理解できない。
たまたまリュック内のゴミも整理していたので、ついでに片付けることに。
再出発してしばらくし、気がついた。
ない!
地図がない。
さっきゴミを捨てた際、あやまって捨ててしまったようだ。
たまに「いいことした!」と思えば、こんなふうに仇となる・・・
辛うじて、観光向けパンフレットがあるが、細かい道が書かれていない。
これから先、ものすごく不安である。
先ほど迷ったため行けなかった、海岸沿いの道を北上。
進むにつれ、みるみる山道となり、みるみるあたりが暗くなる。
昔であれば、暗くなる前に寝床を確保していないこの状況は、ひどく恐ろしかった。
今やすっかり慣れたもので、むしろ「今日はどんなとこ泊まんねやろ?」と、楽しみを覚えるほどである。
完全にあたりが真っ暗になったころ、ようやく人里に到着。
外灯がこうこうとつき、トイレが完備されたきれいな公園を見つけたので、迷わずそこで荷物を下ろす。
10分ほどゆっくりしていると、突如強い雨が降ってきた。
あと少しこの公園に来るのが遅れていたら、山道で泣きを見ていたことだろう。
雷鳴を聞きながら、東屋の下でとる夕食は、なんともスリリングである。
さて、先ほどからテントを張りたいのだが、東屋にある常設テーブル&いすが邪魔で、スペースがない。
東屋からはみ出した形でテントを張るのは可能だが、思いっきり雨がかかる。
この安物のテントは、とても雷雨に耐えうるシロモノでもないし。
いっそテーブルの下で、ザコ寝かな?
などと、地酒を浴びながら、他人事のように考えている最中である。
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