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人通りが多いと道は走りにくいが、逆にこのように
人通りのまったくない山道は、不安でいっぱいになる。
ちんどん屋、阿波踊り、花傘音頭、人形みこし・・・
あらゆる祭りが混同された、摩訶不思議なお祭り。
整備されたキャンプ場は、夜でも常設の明かりがあるため、
ついつい明るいほうに陣取りがち。虫の気持ちが少しわかる。
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けっきょく昨夜は運よく雨があがり、東屋の外にテントを張った。
安心して眠れる、と思っていたら、夜中に若者が公園でたむろ。
花火をしなかったことは幸いであるが、人の声が聞こえると、怖くて眠れない。
昨日に引き続き、非常に目覚めの悪い朝を迎える。
もっと寝たいところだが、すでに住民が公園を散歩しているので、そそくさと朝食をとって退散。
大島を脱出し、伯方島へ。
すると橋の途中で、島に降りられるようになっている。
「身近島」というこの島は、ガイドブックに載っていないほどの、小さな島である。
島に降りる途中と、降り切ったところに、それぞれキャンプ場がある。
前者は完全に廃墟化されており、後者はまだ比較的キャンプがしやすい。
すでに2人、ライダーが野宿していた。
他には何もなく、完全な無人島である。
こういう隠れ家的なところでの野宿は、気持ちいいだろうな。
橋へ戻り、伯方島をスルーして、しまなみ最大級の島・大三島へ。
ここも大島と同じく、民家が多い。
くもりがちな昨日とは違い、今日は朝から晴天。
暑くてたまらない!
それでいて、道のアップダウンが極端なので、のぼりでめちゃくちゃバテる。
逆に下りは長時間続くので、楽しい。
キックボードを横乗りして、スノーボードを乗るような格好で滑走する。
道をジグザグに走るため、ある程度スピード調整にもなる。
それでも慣性の法則は恐ろしく、けっきょくとんでもないスピードになるので、必死にブレーキ。
ある長い下りを終えたあと、キックボードから異音が聞こえる。
異音はやがて、ハンドルにも伝わるほどの振動へと変わった。
やってもうた。
後輪が変形した。
日陰と自販機のある場所までムリヤリ走り、タイヤ交換。
スペアを持ってきておいて、本当によかった。
この備えも、かつてタイヤが壊れてリタイアした経験あってのもの。
キックボードの設計上、ブレーキは基本的に、後輪を踏まなければならない。
長い下り坂だと、踏み続けることになるため、相当の負荷となる。
さらにジグザグ走行が、弱ったタイヤを変形される原因となったのだろう。
下り坂は、もっとゆっくり走ろう。
近くでお祭りの音が聞こえたので、休憩が終わってから見に行った。
路地に、仮装した人らが太鼓を叩き、そのまわりをはっぴ姿の人が踊っている。
お祭りというより、ちんどん屋のような風貌である。
伝統的な地域のお祭りかと思えば、流れる音楽が「2008年オリンピックを大阪に」をテーマにした演歌。
「2008年・北京オリンピック」が、先日終わったばかりなのに・・・
祭りのコンセプトが、まったくもって見えない。
次の生口島へ渡る橋が見えたのは、午後5時半。
大三島をほぼ一周できたし、先を急がず、このへんでゆっくりしよう。
近くに温泉があったので、2日ぶりのお風呂に入ることにした。
入浴料300円と破格ながら、大きめの浴槽である。
風呂を1時間以上堪能し、ついでに休憩所で、閉店の20時ギリギリまで居座った。
どっちみち暗い夜空の下で寝るのだから、少しでも明るい場所にいたいし。
橋のすぐ近くにキャンプ場があったので、寝床はそこに決定。
なんとすぐ近くに、コンビニがあるではないか!
冷えたビールを買い込み、中秋の名月を見上げ、乾杯。
これほどまでに、贅沢(ぜいたく)な野宿はあるだろうか。
唯一、団体キャンパーの発電機の音が、やけに耳障りである。
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