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キックボード京都→福井    【1日目】
● 2016年8月5日(金) はれ 京都府舞鶴市〜福井県小浜市




海上自衛隊基地にたくさん並ぶ護衛艦。
軍事マニアならずとも、見ていて心踊る。


海沿いに並ぶ「赤レンガ倉庫群」。異質な景色は、
映画のシーンに紛れ込んだかのような錯覚に陥る。



田園のまん中にポツンと存在する「逆さ杉」。
幹と根が逆に見えるからこの名がついたとか。


時間にだいぶ余裕を持たせていたはずが、かなり
遅れて宿に到着。タイヤの相次ぐ故障の影響だ。
ここ2か月ほど、仕事でイヤなことが続いていた。
さらに出発の前々日には、プライベートの飲み会でトラブルがあった。

そんなストレスは、旅で忘れよう!
と言いたいところだが、ただ走るだけという単純作業を繰り返す旅では、むしろ絶えず思い出してしまうのである。

などといったマイナス要素を抱えつつ、電車で移動。
京都駅から特急に乗り換えるときに、思った以上に乗り換えの時間が少なく、目の前で特急を1本乗り過ごす。
次の特急まで、1時間も待たないといけない。
序盤から、何とも幸先の悪いスタートである。


正午に西舞鶴駅へ到着し、旅開始。
お昼どきなので、まずは腹ごしらえ。
前回の旅で、行くか迷っていたラーメン屋へ。

こってり豚骨で好みなのだが、替え玉に5分もかかるのはいかがなものか。
素直に、前回の旅の最後に行った「とれとれセンター」で魚を食べるべきだった。


おなかを落ち着かせてからは、近くの神社で旅の無事を祈る。
最近は、出発時の神社参拝が、恒例となってきている。


改めて、旅を開始。
しかし、出発して30分ほどしたところで、タイヤが壊れる。
ちょっと早すぎないか?
出発早々にして、不安がよぎる。


まずは、東舞鶴まで向かう。
ショートカットすれば30分で行けるのだが、なるべく海沿いを走るルートを選んだら、2時間もかかってしまった。
電車に乗り遅れたことを考えれば、素直にショートカットしたほうがよかったかも。

途中、スーパーを横切っているときに、駐車場でおばちゃんに声をかけられる。
応援はうれしいのだが、その手にはB5サイズの小冊子。
「宗教とかじゃないから持って行き」と執拗にすすめられたが、明らかに宗教ものの小冊子である。
そもそも、確実に読まないものを、荷物にはできない。
気持ちだけ、いただくことにした。

また、水を買うため寄ったドラッグストアでは、女の店員さんにえらく気に入られた。
どうやら、お子さまがキックボードを持っている、というのが興味を持つきっかけだったようだ。
他のお客さんがいなかったため、レジ越しに旅の話で盛り上がった。


外は当然ながら、暑い。
しかし、暑さでいえば去年のほうがひどかった気がする。
去年は、新幹線から降りたとたんに、心が折れてしまったから。


ようやく東舞鶴へ来ると、舞鶴の観光地である「赤レンガ倉庫群」へ寄る。
明治・大正時代を通じて日本海軍に建てられたもので、国の重要文化財に指定されている。

倉庫がいい具合に廃れており、廃墟好きとしては見ていて飽きない。
しかし、これだけよい景観が続く場所に、人がほとんどいないのは悲しい。
まぁ、平日なので仕方ないのかも知れないが。


徐々に時間が押してきて、あせる。
しかし、その気持ちをあざ笑うかのように、タイヤが次々と壊れる。
今までにない、異常事態である。

ベアリングが悪いのか?
本体に異常があるのか?
太り過ぎか?

何と、1日で5個も壊れてしまった。
スペアのタイヤは、あと5個しかない。
単純計算しても、明日には旅が終わってしまう。

落ち込む気持ちと、どんどん押してくる時間に何とか抵抗し、ひたすら走る。


いったん午後7時に、小浜市にある宿の前に到着する。
しかし、宿のまわりに夕食をとれる場所がないため、そこから15分先にあるスーパーで買い出しをする。
結局、宿に着いたのが午後8時で、それから風呂と夕食である。
こんなにチェックインが遅くなったのは、過去にもなかなかない。

1日目にして、さんざんだった。
明日以降は何とか挽回したいところだけれど、タイヤの不安だけは、どうしても頭から離れない。


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