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海沿いの道は退屈に感じがちだが、時おり
ドキッとするきれいな景色に出会うことができる。
店も自販機もない直線が続く。歩道に日陰があり、
人通りが少ないので休憩できるのがありがたい。
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真夏の旅において、まったく警戒していなかったこと。
そんなことに、まさに直面しようとしている。
台風だ。
大型の台風5号が、よりによって日本縦断するという予報が発令され、今回の旅が一気に不安となる。
それでも、すっかり全行程の宿を予約しているし、家にいてもやることがないので、今さらやめるわけにはいかない。
また、今回の旅では1日あたりの走行距離が、いつもより短い。
だいたい1日70〜75kmを想定するのだが、今回は50〜65km。
台風や体力を考慮しているのではなく、70km間隔に宿がないのだ。
これは東北地方の集落が少ないというより、あえて国道をそれて海沿いの道を選んでいるためだ。
海沿いは町も観光地も少なく、これがモチベーションの低下につながらないかというのも、今回の旅の不安要素でもある。
さて、初日は午前5時半に起床し、電車→新幹線→新幹線→電車→タクシーを乗り継ぐ。
前回の旅の終着点までに、実に7時間も費やした。
それにしても暑い!
新潟は夏でも涼しいだろうと思っていたが、余裕で30度はあり、じっとしていても汗ばむ。
走って30分ほどで休憩するも、体のほてりが冷めるまでに30分かかる。
1日の走行距離が短いとはいえ、こんなペースで今回の旅は大丈夫なのだろうか。
案の定、再出発後もすぐにバテる。
もしかして、職場でクーラー漬けとなっているため、暑さに弱い体質になっているのだろうか。
また、暑いのですぐノドが乾くのだが、コンビニはおろか自動販売機すら見当たらない。
海沿いの道を選んだことが思いっきり仇となってしまっている。
旅の序盤だというのに、すっかりテンションが下がってしまう。
時おりビーチが続く道を抜け、左は防風林と空き地、右は田園を臨む道となる。
ますます水分補給が困難になったところで、あらかじめ持ってきていた1リットルの水が空になる。
このままでは、熱中症になりかねない。
休憩している時間にノドが渇くとどうしようもないので、バテてきても、ここは継続して走ることを選択する。
初日なのでスローペースで走りたかったのに、ここは仕方がない。
ようやく人の気配のある交差点を見つけ、曲がった先にある自動販売機で水を買う。
腰を下ろせるいい場所がないので、歩道に座り込んで水分補給と休憩をとる。
ここでもやはり、30分ほど動けなくなる。
そこからは暑さも緩和され、午後6時に宿へチェックイン。
周辺にいくつか居酒屋はあるらしいが、今回の旅ではちょっと高めの宿を2軒ほど抑えていることもあり、どうも贅沢する気持ちになれない。
スーパーのお惣菜を買って食べながら、初日からの暑さの洗礼を回顧する。
明日はもっと、ゆとりを持った旅をしたい。
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