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とにかく麺が絶品の酒田ラーメン。
この味が全国区にならないのが不思議。
古い温泉旅館にある間に合わせのゲームコーナー
みたいだが、一応立派なゲームセンターだ。
ケヤキ並木とのコントラストが美しい、
歴史ある米の保管庫「山居倉庫」。
昭和51年にあった大火後の振興のため作られた、
町の至る場所にある「酒田獅子頭」。
「北前横町」は今夜も大盛況。旅人と
意気投合し、ステキな夜を過ごす。
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ゆっくり寝ていてもいいのだが、睡眠のリズムを崩したくないので、午前6時に起きる。
窓の外では雨が斜めに降っており、雨だけでなく風も強いことがわかる。
数年前までなら、こんな環境でもムリやり走っていた気がする。
ベッドの上で、本を読んだり明日以降の宿を確保したり二度寝したり、ダラダラと過ごす。
昼食をとるため、昼前に外出。
雨は小粒ながら、依然風は強い。
ムリに走っていたら、かなり危険な状態だ。
改めて、連泊という判断が正しかったと感じる。
向かった先は、もちろん酒田ラーメンのお店。
天候が悪いので閉まっていたらどうしようかと思っていたが、運よく開いていた。
相変わらず、麺がとにかくうまい。
ただ、スープが薄く感じる。
湯切りが不十分なのかとも思ったのだが、「ラーメン=味濃い」と刷り込まれた僕のバカ舌のせいかも知れない。
入店前はガンコで怖そうに見えた店主も、とても温厚でやさしい方だった。
昔ながらの店構えも絶妙に居心地よく、満足度の高いランチタイムを過ごせた。
食後は散歩がてら、総合スーパーへ。
地方の総合スーパーのさびれ具合を見るのが好き、というちょっと変わった嗜好を持っているのだ。
しかし、意外に従業員もお客さんも多く、期待外れとなった。
一方、総合スーパーのすぐ隣にあるゲームセンターは、絶妙なさびれ具合を醸していた。
昔ながらのパンチングマシーンなどがあると思えば、奥に並べられたアーケード台は半数以上が「調整中」。
空いたスペースでは卓球台があるなど、さびれというより時代錯誤な感がある。
お客もほぼいないこの空間が、夜10時まで営業しているというのが何よりの驚きである。
さらにはホテル近くにある「山居倉庫」という観光地へ。
14棟からなるお米の倉庫で、明治時代に建設されたもの。
今でも一部が倉庫として使われており、また3棟が土産屋や民芸品の展示場として開放されている。
とにかく広く、いい時間つぶしになる。
もっとあちこち散策したいが、疲れもあるので体力を温存しなければ。
午後3時にはホテルへ戻り、しばらく仮眠をとる。
そして夕食。
さすがに連日散財するのは気が引けるので、スーパーのお惣菜で済ますか。
昨夜の楽しさを再び味わうべく、屋台村へ行くか。
さんざん迷ったあげく、向かった先は屋台村。
どうせ同じ時間を過ごすなら、楽しいに越したことはない。
昨夜よりも開いているお店が多く、活気づいている。
どうやら昨夜は、台風の影響で開店を見送るお店が多かったらしい。
ひととおりお店を物色し、品数が多そうな「居酒屋まるもん」へ入る。
女性店員と、店員の顔見知りらしい女性のお客さんがすでに入っている。
この2人が絶えず話をしており、孤立してしまう。
求めているのは、こうじゃない。
1杯だけ飲んで、違うお店に移動しよう。
1杯目のビールがあとひと口で空くというタイミングで、1人の男性客が入ってきた。
やがて女性客もお店を後にし、3人で話せる環境となった。
男性は千葉から来たそうで、山形県が大好きで足しげく通っているとのこと。
仕事で長期休暇はとりづらいが、土日を使って月に1度は来ているんだとか。
こうして、独自のテーマを持った旅人と語り合えることが、楽しくてたまらない。
まだまだ楽しめる雰囲気ではあったが、旅の途中であることは忘れず、早めに席を立った。
この1日の足止めが、気力・体力ともに、いいリフレッシュとなった。
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