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【NOB】方向オンチ・優柔不断・わがまま、と三重苦を抱えながら
リーダーをつとめる。道順や給油のタイミングを適度に指令した。
【大介】スピード大好きで、峠があれば、残り2人そっちのけで
ひたすら暴走する。中立的な性格が、幾度もの口論を抑えた。
【JJ】緑髪にピアスと、世間様からは嫌われがちな外観ながら、
社交的で、この旅のさまざまなトラブルを解決した、闇のリーダー。
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すべては、地元の某レストランから始まった。
不定期的に地元のレストランで、夜な夜な集まってはバカ話するという定例会を、友達3人でしていた。
この3人というのは、互いに同じ高校を卒業していて、かつ高2のころは同じクラスだった・・・にもかかわらず、当時はそんなに仲が良かったわけではなかった。
その3人が、どういうきっかけかこんな感じで仲良くなり、幾度もの定例会を開いていた、夏休みのある日のこと。
「なぁ、夏休みどっか行かへん?」
「そやなぁ・・・旅なんてええかもなぁ」
「ええやん、旅!でもどうせやったら、“普通そんなんせぇへんで”ゆうくらい、どぎついインパクトあるの、したいよなぁ?」
「紀伊半島周ろっか?ツーリング形式で」
「え、でも俺らバイクなんか・・・原チャしかないで」
「だから、原チャでやろうや」
「アホか、夏にそんなんしたらエンジン焼け焦げるわい」
「無謀やなぁ〜、それ」
「・・・でも、ええなぁそれ」
「オレも賛成」
「んまぁイヤとは言ってへんけど・・・」
誰から言い出したわけでもなかったが、唐突だった話が、いともたやすく意見がまとまった。
話にも出たとおり、もともと短距離走行用に作られた50ccバイク、通称”原チャ”で、真夏に3日も走るということは、ホントに無謀なことなのだ。
たいした計画もなく、地図とわずかな金銭を手にとり、無謀とも言えるこの旅。
いったい、どうなってしまうのだろうか?
ここで簡単に、旅をした、メンバーの紹介。
【NOB】
僕です。
3人の中でも特に仕切りたがり屋なので、一応リーダーということになる。
進路を全て任されるものの、いま1つ方向感覚が鈍い。
さらに優柔不断でわがままと来たものだ。
こんなリーダーらしからぬリーダーが先導を切る旅だ、先が思いやられる・・・
【大介(仮名)】
僕とは違い、“我”が人一倍弱い。
頼りないと言うべきか、オトナというべきか判断に苦しむが、モメ事があると、中立の立場で意見を言えることが彼の魅力。
ただ彼はスピード狂のため、峠があるものなら1人前に出て先々進んで行く、ちょっと困った性癖がある。
【JJ(仮名)】
僕とは高校時代「競馬友達」で、大介とは普通に仲が良かったという、3人のクラッチ的立場となる人物だ。
今回の旅では髪を緑色に染めている彼は芸術センスに優れ、旅で撮った写真の構図は、ほとんど彼が手がけている。
また、普段は僕と大介にイロイロな遊びを教えてくれ、言わば3人の中での“闇のリーダー”だ。
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