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ラジオ体操の第1・第2ならず、オリジナルな体操から、
大きなかけ声、笑い声など。沖縄の老人、恐るべし。
街なかの一等地に、広範囲の敷地を陣取る嘉手納基地。
日本がアメリカに敗戦したことは、これを見て思い知らされる。
嘉手納基地より飛び立つ、ジェット機。それを撮影しながら、
フライト時刻を記録するマニア(?)の横で、しばしの休憩。
灯台と断崖、そして奥に広がる海と空。
想像以上に見ごたえのある、残波岬。
ちんすこう製造工場。こういうの見ると、毎日いろんな
人に見られて働きにくいだろうなあ、としか思えない。
著名人の名前を勝手に使った、パラダイス
レストラン。どこ行っても、こんなんあるんやね。
暗闇をひたすら進む恐怖から解放されたのは、
宿泊先である、ファンキーすぎる建屋。
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昨夜はひどかった。
1日目にして「帰りたい!」と思ったのは、今まで何度も旅をしていて、はじめてではないだろうか。
まず、寝る直前。
部屋の電気を消したいのであるが、部屋に誰もいない。
が、他の3つのベッドは人が戻ってくるだろうから、電気を消すわけにもいかない。
あおむけで眠るとライトがまぶしいので、しぶしぶ横向けにならないといけない。
で、午前0時過ぎに、オーナーが帰ってきた。
もちろん物音で目覚めたのだが、こっちは完全に寝る体勢なので、わざわざ起きたくはない。
向こうはこちらをまったく意識していない。
それはいいのだが、こともあろうに、「暑い!」といってエアコンをアホみたいに効かせるのだ。
寒い!
ふとんはペラペラの1枚ものしかなく、寒さしのぎには不十分。
といって、ふとんにもぐりこもうにも、何ヶ月も干されていないだろう、湿気臭いふとんにもぐる勇気はない。
さらに、他の客も午前2時に帰ってきて、また目が覚める。
朝は朝で、誰かの目覚ましが午前6時に鳴り響き、当人は気づかない様子で眠っているため、誰も止められない。
結局、寝ている間に何度起こされたことか。
沖縄のゲストハウスがどこ行っても同じようなものなのであれば、すぐにでも大阪に帰りたい。
朝食は、宿から少し歩いた、海の見えるベンチ。
午前6時過ぎだというのに、高齢者はもちろん、外人さんらがウヨウヨ歩いている。
やがて始まったのは、高齢者によるラジオ体操。
体操はまぁ日本中どこでも見られるが、体操終了後、オリジナルのかけ声や笑い声があるのはビックリ。
さすが長寿の県、はかりしれない生命力を感じる。
再び宿に戻ると、やはり責任者は眠ったまま。
というか、責任者というか、ただのチャラいお兄ちゃんである。
まだお金を払っていないので、いったん起こして支払うべきか。
いやいや、起こしたら逆上しそうだし、失礼かも知れない。
といって、起きるのを待つには、時間がもったいない。
などという葛藤を何度も繰り返しているうちに、次第にハラがたってきた。
そもそも、宿の責任者が午前7時に眠ってるって、何やねん!
ベッドに宿代2,000円を置いて、逃げるように宿を後にした。
まずは、北上。
ただし、距離をかせぐのではなく、寄り道を意識しながら。
というのは、昨夜宿を調べていると、今回行く予定だった沖縄北部に宿がないことに気がつく。
実在はするのだが、沖縄に来る前の週に上陸した台風のせいで、休業が相次いでいるらしい。
なので、ぐるっと沖縄一周という当初の目標は泣く泣くあきらめ、観光も強化した旅にシフトチェンジすることとなったのだ。
まず向かったのは、やや進行方向から外れた場所にある、「道の駅 かでな」。
4階が展望台になっており、そこからは目の前にある米軍基地が一望できる。
朝早いというのに、すでに3名の先客がいる。
いずれも、どでかいカメラを持っている方々。
どうやら、基地から飛び立つジェット機を撮影している模様。
この人らが動くと、その数秒後にジェット機が飛び立つ。
おかげで、飛び立つ瞬間を見逃すことがない。
そこからは、当初パスしようと思っていた、半島の道を進む。
両側に畑がえんえん連なっていると思えば、途中、大きなレンガ造りの造形物がある。
「亀甲墓」と呼ばれる、昔のお墓である。
その大きさと存在感、畑の途中というロケーションは、普通に観光スポットとしてあっても不思議ではないくらい。
にもかかわらず、「そっとしておいてくれ」といわんばかりに、静かにたたずむ姿に、どこか力強さを感じる。
やがて、半島の先端「残波岬」へ到着。
断崖に広がるのは、青い海。
ここにきて、ようやく沖縄ならでわの青い海を堪能できる。
目の前にそびえる白く大きな灯台と、そのまわりにあるごつごつとした黒い岩、そして断崖絶壁など、見どころが盛りだくさん。
暑さをしのげる、屋根や日陰がないことが、唯一の難点である。
たっぷり絶景を楽しんだあとすぐ、昼食。
昨日に続き、沖縄そば。
今回は少し贅沢に、お肉の種類が3種類あるものを頼んだ。
3種類のお肉を食べ比べてみると、いちばん安い三枚肉が、いちばんおいしい。
それなら、はじめから三枚肉のそばを注文したほうがよかった。
食後は、すぐ隣にある土産屋へ。
試食が充実しており、デザートにはちょうどいい。
ついでに、昨日の教訓を生かし、早めに宿を確保した。
再出発後、やたらと時間に追われる。
時間的に余裕と思いきや、よくよく調べてみると、けっこう時間が押している。
あと気のせいか、キックボードの進みが遅く感じる。
左には青い海が続いているのだが、その美しさを楽しんでいる余裕がない。
急ぎたい気持ちとはうらはらに、暑さが尋常ではない。
ムリしようにも、1時間おきに休憩しないと、体力が持たない。
夕方、ようやく暑さがマシになる。
それにしても、やはりキックボードの遅さがぬぐえない。
ということで試しに後輪を変えてみると、明らかにスピードがあがった。
違和感を覚えたら、今度からもっと早めにタイヤ交換をしなければ。
と思って間もなく、今度は前輪にも重さを感じる。
前輪は今まで交換したことがなく、実に珍しい。
こちらも交換すると、やはりスピードがあがった。
もしかすると、キックボード自体に、ガタがあるのか?
タイヤの在庫ともども、不安が残る。
宿のまわりにお店がないらしく、あらかじめ買出しをしなくてはいけない。
といっても、早めに買いすぎても荷物が重くなるだけだし、ある程度近づいたら買おう。
と思っていたが、ある程度近づいたところで、コンビニもスーパーも見当たらない。
町の中心地まで戻って買おうにも、もう太陽は傾きだしており、時間がない。
国道から一本外れ、県道へさしかかったころには、すでに日没。
よりによって街頭がなく、足元は真っ暗である。
小石にぶつかるだけで転倒のおそれがあるキックボードには、危険すぎるシチュエーションである。
また、途中建物がなくなったくるし、宿の道しるべもないし、走っている道があっているかという不安もある。
突然、明かりに照らされた派手な看板を目にする。
ここが、今回泊まるゲストハウスだ。
少し待って出てきた責任者は、若い兄ちゃん。
ゲストハウスというのは、そういう人らが経営するシステムなのか?
ただ、見た目以上にていねいな接客で、ひと安心。
もちろん、夕食は抜き。
そして外では、このゲストハウスの名物である「毎日BBQ」が開催されている。
食材の都合上、事前予約でないと食べられないらしく、当然予約はしていない。
外でワイワイ楽しむ声を聞きながら、ロビーでただひたすら、孤独を感じるしかない。
昨夜同様、ゲストハウスでいろんな人と交流、という願望がかなわず、ただただ、さびしさを空腹に絶えるのみである。
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