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まさにアメリカンスタイル。いや、メキシカンかな?
この雰囲気は、日本人の感性では出せない。
ただひたすら、えんえんと続く直線道路。
風景が変わらないほど苦痛なものはない。
まさに沖縄のイメージどおりの家屋が並ぶ、
浜比嘉島の住宅地。沖縄の風景はこうでないと。
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いつも目覚ましを使わなくても午前6時には目覚めるのに、今朝は1時間も寝坊した。
やはり昨日は、精神的にも体力的にも、過酷だったのだろう。
出発してしばらく、アップダウンが続く。
坂を登ると山道で、下ると港町の集落が続くことはよくあるが、その逆。
丘にのぼるほど集落が多いという、珍しい光景が続く。
相変わらず暑く、1時間ごとにたっぷり休憩をする。
ある休憩場所は公園だったのだが、どうやら城跡らしい。
レンガ造りの骨組みが広範囲に広がる姿は、圧巻である。
廃墟好きとしても、造形美がたまらない。
また、この公園ではあちこちで、おじさんらの小さなグループが見られる。
いずれも、午前中だというのに、泡盛で酒盛りをしている。
いかにも沖縄っぽい光景で、少しうらやましい。
正午過ぎに、空腹感を覚える。
が、そういうときに限って、集落のない場所を走っている。
旅では、よくあることだ。
次に見つけた飲食店には必ず入る、と心に決めて、空腹状態で30分。
米軍基地のすぐ近くにある、タコス屋さんへ入る。
さすがは米軍基地近く、店内のカウンターのパネル、ネオン、ポスターなどが、すべてアメリカンスタイル。
壁一面に張り巡らされた、お客さんの写真も色あせていて、味がある。
タコスは、もちろんうまい!
食後はじゅうぶん水分補給をしつつ、いちばん暑い時間帯を避けるべく、1時間ほど居座る。
再出発すると、空には厚い雲がかかる。
いつ降り出しても、おかしくない雰囲気。
ふと、昨日の悪夢が頭をよぎる。
不安を覚えつつも走っていると、いつしか雲はどこかへ消え、再び快晴となる。
安心感よりも、暑い!
休憩をこまめにとりながら、ひたすら走る。
沖縄本島より東にある離島、「平安座(へんざ)島」へ到着。
離島とはいえ、本島と橋渡しにあるためか、そこそこ栄えている。
そこからは、南の橋を渡ると今日の宿がある「浜比嘉(はまひが)島」へ行ける。
が、まだ宿へ行くには時間が早い。
平安座島を、そのまま北東へと進む。
左に石油基地、右に防波堤という形式が、えんえんと続く。
30分くらい、まったく景色が変わらない、どえらい直線である。
やがて直線の道は終わり、小さい川を隔てた宮城島に到着してから、休憩。
そこからもう少し進むと、さらにもう1つ離島があるのだが、体力が持たずに断念。
暑さのせいか、旅中の乱れた食生活のせいか、どうも「もう少しがんばろう!」という意欲がわいて来ない。
平安座島へ戻り、商店で食料を買い出し。
ガマンできず、ビールを1本空けてから、浜比嘉島へ。
リゾート地かと思いきや、実に素朴な集落。
これぞ沖縄、といわんばかりに、オレンジ色の瓦屋根にレンガで囲まれた家々が立ち並ぶ。
民家の密集地を抜け、島の奥へ入っていったところに、今日泊まるゲストハウスがある。
通された部屋は、ゲストハウスだというのに個室の4畳半で、きれい。
風呂でさっぱりしてから、キッチンで夕食。
カップラーメンをすすっていると、宿の人が、もずく・もずく天ぷら・たこぶつを、おすそわけしてくれた。
特にもずくは、酸味が少なく味がしっかりしており、今まで食べてきたものとは比べものにならないくらい、おいしい。
キッチンには、他のお客さんも1名。
お宿のご両親ともども、会話を交わして楽しいひとときを過ごす。
ようやく、理想としていたゲストハウスライフが楽しめた。
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