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キックボード能登半島一周    【1日目】
● 2009年9月19日(土) はれときどきくもり 石川県金沢市〜石川県羽咋市
旅の目的

富山県羽咋市より北に位置し、日本海側に突き出た形をした、能登半島。
全長約400kmの半島を、西を基点に北→東へと、キックボードで一周することがおもな目的。

と目的を設定したはいいが、距離的な把握もできていなければ、具体的なルートも決めていない。
なかば行き当たりばったり、かつ長丁場となる旅は、果たして目的達成できるのだろうか。



サイクリングターミナルの展望台から、能登の大自然を一望。
毎日こんな風景見てたら、ストレスもなくなるやろうなぁ。


右手に有料道路、左手に海岸の広がる、サイクリングロード。
砂をかぶった道は、キックボードでは走りにくくてたまらない。
はじめて能登半島への旅を考えたのは、皮肉にも2年前。
まさに「能登地震」が起きる、ほんの直前のことであった。
被災後すぐに旅するなんて、当然できるわけがなく、プランはお蔵入りとなった。

2年の間に、キックボード旅に興味を持てたことは、ある意味では運がよかったかも知れない。
当初ママチャリでの旅を考えていたが、ママチャリだと能登半島までの移動だけで、往復3日が必要となるためだ。


特急「サンダーバード」に乗り込んでから、必死に地図とにらめっこをする。
ここ1ヶ月ほど仕事が忙しく、地図を見る時間すらとれなかった。
能登半島一周の距離もわからなければ、5日でまわれるかどうかすらわからない。
いつも以上に無計画な旅は、不安と睡眠不足を抱えながら、幕が開いた。


午前10時に金沢駅に到着し、すぐさま出発。
ママチャリ日本一周のときにも感じたことだが、金沢という街は、妙に都会じみている。
都心を抜け、能登半島西側の海沿いを、北上するルートをとる。

えんえんと新興住宅地が続く。
当然、いずれの住宅も新しく、見た目がきれいである。
こういう場所では、文化というかその土地の“匂い”をまったく感じられない。
いくら便利な場所とはいえ、個人的にこういう場所では、生活ができそうにない。


出発してから走りっぱなしだったので、展望台のあるサイクリングターミナルで、休憩。
西に日本海、東に山脈と田園風景をのぞみながら、ふと時間を見ると午後1時半!
あまり空腹感はないし、道中そんなに店がなかったし、食べなくても大丈夫だろう。

再出発後は、有料道路脇にある、サイクリングロードを走る。
途中、未整備でジャングルみたいになっていたり、道が砂でおおわれていたりして、実に走りにくい。
また、道のまわりには民家がほとんどない。
当然、すれ違う人はおらず、極度な孤独感に襲われる。

そんなとき、急激に空腹感に襲われる。
おなかが空いたところで、まわりに店がないので、食べ物を調達できない。
孤独感と空腹感は、精神をグイグイと圧迫してくる。

キックボードで何日も1人で走る行為が、バカげて見えてくる。
今すぐにでも、帰りたい。


人のいる町へ出たのは、午後4時ごろ。
そんなに時間は経ってないはずなのに、長時間の孤独から開放された気分。
人がいるというだけで、こんなにも安心できるものなのか。
空腹感はあれど、今食べると中途半端なので、けっきょく晩飯までガマン。

以降、日が暮れはじめてから、野宿できる場所を探す。
海辺にはいくらでも寝られそうな場所はあるのだが、明るいうちはどうもテントを張る気になれない。
けっきょく、完全に日の暮れた午後7時半に、海岸で腰を下ろす。

だだっ広い海岸ながら、よく見ると広範囲の砂浜が濡れている。
これは満潮時に恐ろしいことになる、と感じ、あえて砂の乾いた場所を陣取る。

砂浜から海側に、釣り場か漁港か、夜なのに明るい場所がある。
意外にも人通りが多く、砂浜で夕食をとっている間じゅう、何台となく目の前を車が行き交う。


それにしても、やけに風が強い。
砂がサラサラなので、さっきからテントのメッシュ地から、ひっきりなしに砂が入ってくる。
砂まみれになって眠らなければいけないと思うと、気が滅入る。
悲しき野宿の宿命である。


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