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歩道に水たまりができるほどの雨。寒さも
重なり折れまくる心を保つだけで精一杯である。
見た目が雄大な帆船「海王丸」。しかし特に
動くわけでもなく、意外にすぐ飽きてしまう。
わずか5分、無料の渡船とのことで小さな船を
想像していたが、意外に立派なので驚き。
車道の隣に車道と同じ幅の遊歩道が。
昔に電車が通っていた面影がありありだ。
駅前にわき水が。誰も汲まないのが不思議。
家庭の水道からもきれいな水が出るのか?
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天気予報よ、外れてくれ。
という願いも虚しく、朝から雨が降っている。
小雨であることがせめてもの救いである。
午前7時に宿を後にし、レインコートを着込んで走る。
寒い!
昨日とは大違いである。
レインコートを着込んでいなければ、寒くてとても走れたものではないだろう。
出発後は、チェーン店が立ち並ぶ国道が続く。
全国どこにでもある風景なので、走っていてもあまり楽しめない。
雨は一時的に強くなる。
休憩がてら高速の高架下へ逃げ込み、雨宿りをする。
依然風が冷たいうえ、強めに吹いてくるので、寒い!
このままだと風邪をひきそうだ。
どこかお店に入って退避したいところだが、まだ朝早いのでどこも開いていない。
体を動かして温めるという手もあるが、疲れもあるし、何より雨が強くて動く気力がわかない。
体を震わせうずくまりながら、下がる気持ちを懸命になだめる。
雨が少し弱まったところで再出発する。
途中、歩道が完全に水たまりとなっている場所があり、キックボードをかついだ状態で靴を水たまりに埋めながら歩く。
こうなると、もう心を無にして進むしかない。
ようやく建物の中で休憩できたのは「道の駅 新湊」。
やはり空調の整った室内で、風雨をしのげるのは快適である。
ゆっくり休憩した後は、土産屋コーナーへ。
こんなこと言うのはよくないが、試食は旅人にとって重要な栄養素である。
やがて雨も止み、再出発。
30分ほど移動したところにある「海王丸パーク」に立ち寄る。
大きな帆船「海王丸」が停泊しており、観光客も多い。
しかしながら、特に土産屋が充実しているわけでもなく、なぜこんなに人がいるのかがわからない。
昼時だったので食堂で海鮮丼をいただき、少し長めに休憩。
そこから東へ進むと、富山新港にぶつかる。
ここから先は、「富山県営渡船」という無料の船で渡る。
ひんぱんに往来しているのかな、と勝手に思っていたが、1時間に2本程度しか運行していない。
さっき十分な休憩をとったにもかかわらず15分の足止めを食らってしまうが、時間に余裕があるのであせることもない。
ようやく来た渡船は意外にも大きく、最大112人まで乗れるらしい。
しかし客は、僕を含めて2人。
スタッフが客を上回り3人もいるのは、何とも申し訳なく感じる。
わずか5分ほどだが、海を渡るという行為は、旅人心をくすぐられるというか、何となくワクワクした気分になる。
下船後、スタッフさんに「こんなんで旅してるのか?」と声をかけられ、さらに気分が上がる。
道を進むと、すぐ右手に遊歩道が並列して整備されている。
そんなに車通りがあるわけでないのに、この不自然な遊歩道というのは、廃線跡を利用したものだろう。
せっかくなので遊歩道を進みたかったが、アスファルトがガタガタなので走りにくく、あえなく断念。
遊歩道をチラチラ見ながら、そこが線路だったころの妄想を膨らませながら走る。
それにしても、暑い!
いつしか太陽が出ていて、午前中とはうって変わってグングンと気温が上がる。
午後2時を過ぎてから、普通なら気温が下がるところなのに。
やがて「しんきろうロード」という自転車道を進む。
車を気にしなくていいので、快適である。
何より、3日目にしてようやく海が望める。
道の名前にもなっている蜃気楼は、残念ながら見ることはできない。
午後4時を過ぎたあたりで、急激に寒くなる。
1日の温度差が極端すぎる!
走っていても体温が奪われてしまうほどで、あわててジャージを着込む。
朝以外で、こうしてジャージを来ながらキックボードをけるのは、おそらく旅史上はじめてではないだろうか。
さらに、強い向かい風が容赦なく吹いてくる。
気分が下がってくるのを感じながら、まわりの田園風景などに気をそらし、心を落ち着かせることに専念しながら進む。
午後6時前、ホテルの最寄り駅である「魚津駅」へ寄る。
駅前に、わき水がわいているのだ。
これだけ水の豊富な地域だったら、ミネラルウォーターなんて売れないだろうな。
やがてホテルにチェックインし、夕食を買いにスーパーへ。
そこで知ったのだが、どうやらこの魚津は、ホタルイカで有名だそうな。
ちょうど旬のようだったので、迷わずホタルイカを購入。
うまい!
身がプリップリしていて、味も濃厚で、今まで食べてきたものの中でダントツにうまい。
こんなおいしいご当地グルメを、安価で楽しめてしあわせである。
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