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たまたま寄ったお店でいただく、伊勢うどん。モッチモチの麺と
濃いダシのバランスが最高!意外とおなかが満たされる。
いくら家財道具が揃っているとはいえ、やはりどう見ても
カラオケボックス。一泊ならいいが、毎日は暮らせない。
鳥居より先は撮影厳禁、さらに門より先は入場禁止。
まさしく聖域。旅の安全を祈り、心をぐっと引き締める。
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8ヶ月ぶりの旅。
ブランクが長いと、例年なら不安になりがちだが、今回はやたらとワクワクした。
何と言っても、キックボードで7日間という、キックボード旅としては最長の旅となるのだ。
長丁場のうえ、山道が多いことを考え、今回はすべての日程において、宿を予約した。
さすがに従来どおりテント・手袋を持参すると、荷物が重くて大変だろうし、何より危険である。
宿があるという安心感も、この旅におけるワクワクを増大しているのかも知れない。
期待感と、少しばかりの不安感を抱きながら電車にゆられ、出発点となる伊勢中川駅で降車。
国道は風景が退屈そうだったので、あえて国道とは違う道を走る。
素朴な田園の風景と住宅地は、どんな観光地よりも「旅をしている」という気持ちになる。
紀伊半島の東の起点となる櫛田川を渡っている最中、おじさんに声をかけられ、写真を撮られた。
旅の最中に声をかけられることは珍しくはないが、出発して1時間もしないうちに声をかけられるのは、はじめてである。
まだ汗も出ていないころに「すごい」と言われるのは、若干申し訳なさを感じる。
午後1時、大型スーパーに併設された食堂街に寄る。
食堂街といっても、店が数件並んでいる、小ぢんまりとしたものだ。
最近できました、と言わんばかりのおしゃれなうどん屋が、圧倒的に人気である。
が、それよりも「伊勢うどん」という名前を前面に押し出した、2つ隣の喫茶店に入ることにした。
常連さんしか寄らないような、ごく小さな喫茶店。
案の定、昼食時だというのに、明らかに常連とわかる人が1人いるだけである。
店に入るや、いきなりその常連さんに、キックボードのことをいろいろ聞かれた。
それから店員さんや後から入ってきた常連さんも交え、気がつけば非常にアットホームな雰囲気となっている。
注文した伊勢うどんは、めちゃくちゃうまい!
太くモチモチした麺に、濃いめのうどんダシがよくからみ、箸が止まらない。
ちょっと少ないかな、と思っていたが、おなかはじゅうぶん満たされた。
さらに、デザートをおまけしてくださり、本当に楽しい時間を過ごすことができた。
昼からは、住宅地に面した国道をひたすら走る。
天気はずっとくもり空で、汗ばむことのない心地よい気温。
風が強かったが、追い風のため走りやすい。
絶好のコンディションを感じながら、午後3時に伊勢市街へ。
国道から市街地へ入り、宿へと向かうが、意外に街が入り組んでいて迷う。
けっきょく1時間も迷ってしまった。
これが遅い時間だったら、あたりが暗くなるころにパニックになっていただろう。
えっ、ここって・・・宿?
受付の後、案内された場所は、雑居ビルの1フロア。
「ビジネスホテル」とは書いているものの、どう見ても人が住むような雰囲気ではない。
部屋は、がっちりタバコの臭いがしみついており、窓は手の届かない場所に小さなものが1つあるのみ。
なんでも、カラオケボックスを改装した場所らしい。
なるほど、テレビの下側に、かなり古いカラオケ用デッキが置かれていることがうなずける。
少し休憩してから、まだ明るいうちに、観光をすることに。
行き先は当然、伊勢神宮。
キックボードで5分あれば行ける「外宮」には、大きな杉があちこちで生い茂っている。
境内には、いくつものお宮が点在する。
これほど敷地の広い神社は、はじめてである。
中には、20年間足を踏み入れることができないという、文字どおりの「神域」まである。
途中までバシャバシャ写真を撮りまくっていたが、その行為自体が無礼なことだと感じるようになり、カメラをポケットにしまいこんだ。
さらに時間があまったので、駅周辺を散策。
商店街が、いくつか点在する。
が、ほとんどのお店のシャッターが下りていて、まったく活気がない。
まわりに家が、たくさん立ち並んでいるのに・・・
街の規模と活気の反比例さが、ただただ不思議でならなかった。
長丁場となる旅の初日だから、走行距離は控えめに。
と思っていたが、夕方の散策はキックボードでずっと走り続けていたので、けっきょくかなり長時間走ったことになる。
初日ながら、脚の疲労が心配である。
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