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縦長い岩が、海岸沿いにずらっと並ぶ、橋杭岩。
どうやってできたんだろ?本当に神秘的である。
本州最北端の地、潮岬灯台。地球の丸さを感じられるほど
水平線がワイドビューに眺められるのに、あいにくの悪天候。
広大な芝生公園に、センサーで童話が流れる銅像のある、
日本童謡の国。このご時世、無料開放してて元とれるのか?
世界で唯一の、エビとカニの水族館。建物の大きさを考え
たら、大阪の大型水族館のほうが、エビとカニの量多そう。
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特に急ぐ理由はないのに、出発して3時間、休憩なしで走る。
その活力の源は、出発時にまた宿のおねえさんと話したこと、というのは、くだらないながらも本当である。
男というのは、それだけ単純なものなのである。
とはいえ、さすがに朝から山道続きだったので、バテる。
休憩先に選んだところは、「橋杭岩」が見える場所。
海岸に並行して、縦長の岩が40個ほど、一直線に整列している。
学校で、「隆起」やら「侵食」やらいう現象は習った。
しかし、目の前の現象がどうやってできたのかが、それらの知識ではまったく想像ができない。
純粋に神秘的な光景を、長めに休憩をとりながらじっくり鑑賞した。
お昼前に、串本町へ到着。
そのまま先を進んでもよかったのだが、あえて遠回りとなる、潮岬へと向かうことに。
ただこれが、とんでもない坂道!
バテバテになりながら、ようやくたどり着いたのが、本州最南端にそびえ建つ潮岬灯台。
しかし灯台のふもとへ行くには、途中から有料となっている。
観光を交えた旅、を心がけているとはいえ、ちょろっと風景を見るだけのために、お金を使いたくない。
空もくもっていて、たいした風景も見えないだろう・・・と、あっさり引き返すことに。
そこからは、比較的短いスパンで、上りと下りが連続する。
体力的にはしんどいながら、左手に見える海と岩の風景がきれいで、ずいぶん和まされる。
黒っぽい岩が棚のように平らに敷かれているさまは、このあたりでしか見たことがない。
途中、雨が降り出す。
そういえば、天気予報ではにわか雨の可能性があると言っていた。
ドライブインがあったので、ゆっくり雨がやむまで休憩。
夕方4時に、宿の近くへ到着。
そんな早くチェックインする必要もないし、近くを観光することに。
ふと目にとまったのが、「日本童謡の国」という看板。
広めの敷地に、いくつか銅像が建っている。
その銅像に近づくと、センサーが働き民謡が1曲流れる、というもの。
施設の維持だけでもお金がかかるだろうものを、駅もなく交通量もそうない場所で、よくも管理できるものだ。
ちなみに、敷地内に「エビとカニの水族館」なるものがある。
なんでも、エビとカニを専門とする水族館は、世界でもここだけらしい。
ただ、水族館内は有料だったので、諦めた。
おなかもすきそうだったし。
公園を出たところで、雨が本降りに。
念のため携帯電話で天気を確認すると、いつの間にやら予報が変わり、夕方から雨となっている。
とりあえず宿のすぐ近くに来たはいいが、集落に商店も食堂も、何もない。
小さい民宿に素泊まりで予約したので、もちろん今からごはんを注文するなんてことはできない。
さて、困った。
空腹感が強いので、どうしても食料にありつきたい。
そういえば、ここに来るまでに商店が1つあったが、30分以上も戻らないといけないし、峠を2つも越えないと行けない。
増してこんなどしゃぶりの中、わざわざ戻るか?
といって、先へ進んで店を探すにも、この先すぐに店が見つかるという保証はない。
葛藤の末、けっきょく商店へ引き戻すことに。
心を無にして、ひたすら走ることだけに集中し、商店へ到着。
一応食料はあるのだが・・・米とパンがない!
泣く泣く、カップラーメンとビールを購入。
ただ、商店のおっちゃんがキックボード旅に強く興味を抱いてくれたことが、唯一の救いである。
心地よい会話によって、再び宿へ戻る精神的なエネルギーを補給できた。
宿へ到着すると、何よりもまずビールを飲んだ。
一応ビールは、お風呂に入って夕食を広げてから、と決めていたのに。
のどがかわいたというより、緊迫した状況から開放されたという、安心感によるものだろう。
マナー違反で申し訳ないが、お湯は持参したアウトドア用コンロを、部屋で使ってわかした。
カップラーメンを食べた後は、トイレに行くこともおっくうに思えるくらい、ぐったり。
夕方の雨をしのいだ達成感よりも、明日はこの旅でいちばん距離が長いことに対する、不安感ばかりが頭をよぎる。
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