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めちゃくちゃ地味な集落に、まさかの派手なオブジェ!
都会にもこういうノリが欲しい。ちなみに保険屋さん。
こんなんキックボードで走るところやない、と峠を走るとき
いつも思う。路肩が狭いため、風景を楽しむヒマもない。
期待値以上にスケールの大きい、α橋。一気に高台へ
移動できるこの道、できた当初はさぞ町民も喜んだことだろう。
可動式の道路、江ノ浦橋。道がもち上がって船がその
下を通る姿を見たかったが、雨の中さすがに待てない。
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意外にも、恐れていた騒音被害はまったくなく、昨夜はゆっくり眠れた。
さすがスポーツマン、マナー教育はしっかりされているようだ。
今日は終日雨、という天気予報は見事に外れ、太陽が顔を出すよい天気。
もしかして、とんでもない晴れ男?
などと自画自賛しながらも、朝から続く上り坂で汗をダラダラと流す。
こんだけ暑いなら、ちょっとくらい天気が悪いほうがマシである。
坂は容赦なく続き、とんでもない高さまで上りつめる。
歩道もなく路肩もせまい場所で、車がバンバン走ってくるのは本当にこわい。
大きなトンネルを越えてすぐのところで、ひと休憩。
雨を想定して今日1日の走行距離は短めに設定をしているが、なかなかいいペースである。
これなら、昼過ぎには宿に到着するのではないか?
休憩後、30分もしないうちに、雨がパラついてきた。
しまった、今日は1日降らないと錯覚していた。
案の定、雨は徐々に強くなる。
どこかで雨宿りをしたいところであるが、山道なので屋根のある場所がない。
唯一、雨をしのげるといえばトンネルである。
さすがに本降りになり、耐え切れずトンネルで待機することに。
待機といっても、歩道のスペースがせまく、腰を下ろすような悠長なことはできない。
それどころか、風が吹き抜けてゆくため、寒い!
どしゃぶりの雨の中、坂道を走るには危険すぎる。
といっても、体温はグングン奪われてゆくため、これはこれで生命の危険を感じる。
こうなっては、もう行くしかない!
意を決し、カバンからレインコートを取り出し、着替え始めた。
皮肉なもので、着替え終わって荷造りが完了したころには、雨はすっかり小雨になっている。
何か、天気にバカにされている気分である。
着替えなおすのも面倒なので、レインコートを着たまま再出発。
通気性のないレインコートのせいで、体がすぐさま熱くなり、いつも以上に汗ダクになる。
久しぶりに、人里へ着いたのは正午過ぎ。
スーパーでごはんを買い、近くの駅の待合所で、雨宿りがてらランチをとる。
内側はぐっしょりなのに、外側がほとんど濡れていないレインコートが、何だか憎たらしく感じる。
昼食の間、雨は小雨ながらも降り続く。
完全にやんでから再出発しよう、としばらく待機をしたが、やむ気配がまったくなかったので、仕方なく再びレインコートを着て出発。
途中で本降りになるが、レインコートのおかげでまったく気にならない。
今さらながら、レインコートの偉大さに気がつく。
依然、時間に余裕があるので、地図で確認できる限りの観光をすることに。
しかし、地理が入り組んでおり、手元の地図の縮尺では確認しにくく、道に迷う。
迷っているうちに、雨が強くなってくる。
いくら時間があるとはいえ、気分が下がってしまう。
ようやくたどり着いた、「α橋」。
橋がループして高台へ行けるというものだが、思ったより高低差があり圧巻。
上ってやろうと思っていたが、あまりに坂の勾配がきつくて、断念。
次に訪れた「江ノ浦橋」は、船がとおるときに橋が持ち上がるという、可動式のもの。
残念ながら、橋が持ち上がるさまを見ることはできなかった。
それでも、踏み切りでもないのに遮断機が設置されている光景は、新鮮さを覚える。
なおも降りしきる雨の中、なおも山道が続く。
しかし夕方になるにつれ、雨が弱くなり、やがて完全にやむ。
やむんだったらもっと、昼間ゆっくり雨宿りしとけばよかった。
宿に着いたのは、夕方4時。
受付のおばちゃんは、方言がきついながらも、非常に愛想がよい人である。
旅の話を、とても興味深く聞いてくれる。
孤独の心には、こういった対応がめちゃくちゃ癒やされる。
ビジネスホテル、というよりは、誰か人んちの一室を借りているようなイメージ。
部屋にしみついたタバコの臭いに、山積みされた雑誌の数々。
極め付きは、壁に貼り付けられた、アイドルの巨大ポスター。
きれいだが無機質な都会のビジネスホテルよりは、不思議とこのほうが落ち着く。
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