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トンネルを抜けると、そこにはまたトンネルが。
上り坂だけでなく、路肩の狭さも疲れの要因。
川の向こうにある小高い丘と、その頂にそびえる大洲城。
城はレプリカでも、風景は昔ながら変わっていないだろう。
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午前5時に目覚めるも、今日は天気予報のとおり、雨。
勢いがそう強いわけではないが、今日はそんなに走る距離はないし、無理して出発する必要もない。
天気予報とにらめっこしながら、二度寝をしてのんびり過ごす。
チェックアウトの時間ギリギリまで待機し、午前10時にレインコートを着用して出発。
あいかわらずレインコートはサウナのように暑く、朝から汗が止まらない。
そんな状況なのに、朝から峠越えである。
ひと山越えて、雨が上がってからは、さらに難所の「宇和街道」。
ひたすら続く上り坂は路肩が狭く、トンネルが10個も続く。
1つ目のトンネルの手前に、反射素材を使ったたすきが「ご自由にお使いください」と準備されている。
こんな道でも歩行者が多い、お遍路文化のあるこの島ならではの心づかいである。
たすきを着けている、というだけで、トンネルに入ったときの安心感が違う。
途中、車の人に呼び止められる。
いったん僕の姿を見て、わざわざ引き返してくれたそうな。
この道は危ないから、よかったら車に乗らないかという、逆ヒッチである。
本当にありがたいが、最後まで自分の足で走りたいという気持ちがあるので、申し訳ないけどお断りした。
かつて自転車で上ったときは、力尽きて途中の路肩で野宿したほどの難所。
と腹をくくっていたが、思っていたほどバテなかった。
雲が厚く、涼しかったせいだろうか。
最後のトンネルで何度も横滑りしながらも、ようやく峠。
谷のすき間から海が見える絶景・・・は、やはり雲のおかげで眺めることができず。
汗を流した後のごほうびくらい、味わいたいというのに。
間もなくして、大洲の町へ到着。
あいかわらず到着時間が早く、少し散策。
町でひときわ目立っている、大洲城へと向かう。
城といえば普通、天守閣までえんえん上り坂が続きがちだが、比較的低い場所にある。
とはいえ、城のすぐ下にある大きな川と、富士山のようにきれいな形をした山があり、なかなかの絶景を楽しめる。
ホテルへチェックインしてからは、買い出し。
駅前へ出向くが、たくさん民家はあるものの、開いているお店がほとんどなく、静か。
この旅でいちばん静かな町かも。
にぎやかすぎるのも風情がなく味気ないが、散歩のしがいがないというのも、困りものである。
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