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道の駅「北浦街道 豊北」でいただく、しらす丼。ふだん昼食も
コンビニやスーパーに頼りがちなので、ぜいたくに感じる。
道の駅に徘徊していた、ゆるキャラ。頭が
でかく、あちこちでつっかえる姿がかわいらしい。
ひとり旅ではまず泊まらない、1泊1万円の温泉旅館。
コインランドリーがないという不便さが意外である。
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昨夜、ふと目が覚めてから、しばらく寝つけなくなった。
さんざん疲れているはずなのに。
しっかりとクーラーをきかせているのに、やたらと暑さを感じるのだ。
連日、体を炎天下にさらしているので、何かしら変調をきたしているのかも知れない。
出発して間もなく、またもタイヤが壊れる。
9個持っていたスペアが、残り3個に。
このままのペースだと、タイヤが原因で途中リタイヤ、という事態になりかねない。
今回は壊れるペースが速く、毎回発生するこの不安感も、いつも以上に高まる。
ふと、太陽が雲に隠れる。
旅が始まり5日目、くもりなんてのは、はじめてのことである。
このままでいてくれたら、日中だいぶ走りやすくなるだろうな。
などという希望ははかなく、ものの1時間もすれば、再び日光が容赦なく照り続ける。
やがて、峠越え。
そういえば、峠越えは今回の旅ではじめて。
高さこそあまりないが、暑さのせいか、やたらしんどく感じる。
それからは、海岸沿いの道となる。
風景としてはきれいなのだが、建物がない。
ちょうど空腹を感じる昼食どきなので、余計に困る。
何とかジュースを飲んでお腹をごまかし、気持ちを落ち着かせながら走ることを心がける。
ようやく昼食にありつけたのは、午後2時。
道の駅「北浦街道 豊北」で、しらす丼を食べる。
うまい!
スーパーの魚もいいが、やはり食堂で食べる魚類は、ひときわ鮮度が高い気がする。
食後しばらくフードコートで休憩していると、ゾロゾロと外国人さんがやって来た。
「世界スカウトジャンボリー」という大会に出場していた人々らしい。
この大会は、世界レベルでのボーイスカウトの祭典、だそうな。
詳しい内容はわからないが、いかにも「ボーイスカウトです」という服装が印象的である。
にしても、他に空いているテーブルがたくさんあるのに、わざわざ僕の座っている10人がけ席が占領されたり。
はたまた、多くの場所で、飲食ごみをテーブルに置きっぱなしにしたり。
最低限のマナーも守れず、何がボーイスカウトやねん!
やや立腹しつつも、アップダウンが続く道を、海岸を臨みながら進む。
すると、またもやタイヤが破損。
あと3日走らないといけないのに、スペアがあと1つ。
いよいよ、本気でリタイヤが視野に入る。
感情がたかぶったり、落ち込んだりと、忙しい。
午後5時半、宿のすぐ前へ到着する。
しかし、宿の近くには商店がなく、ビールの買い出しができない。
1日走りまくった唯一のごほうびを、抜くわけには行かない。
ということで、道中に見つけた酒屋へ、わざわざ来た道を10分も引き返し、ビール3本とおつまみを買う。
さて、チェックイン。
何と、夕食なし・朝食ありで1万円もする、温泉宿である。
いつも素泊まり3,000〜4,000円くらいの部屋なので、こんな高価な宿に1人で泊まるのは、はじめてである。
旅程の都合上、どうしてもここに泊まることが、都合よかったのだ。
受け付け後にロビーでお茶をもらったり、仲居さんに部屋まで案内してもらったりと、格好に不釣り合いなもてなしが、何とも申し訳なく感じる。
部屋は洋室で、ベッドがムダに2つもあり、実にぜいたくな気分になる。
ただ、ビジネスホテルのようにコインランドリーがないので、不便である。
ビールを1本空け、いざ温泉へ。
露天風呂で、沈む夕日をゆっくり眺めながら過ごす時間は、実にゆったりしており、幸福感につつまれる。
風呂上りは、ホテル内の和食レストランへ。
生ビールを飲みつつ、海鮮丼をいただく。
これまた、優雅でぜいたくな時間の過ごし方である。
旅でお金を使うことが好きではないが、これはこれで、いいものである。
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