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南港に比べたら、待合所の規模が圧倒的に小さい
新居浜東港フェリーセンター。なぜか犬がやたら多い。
製麺工場の敷地内にある「さぬき萬城屋」。うどんを手打ちで
作る学校を開催したり、隣に“うどん神社”があったりする。
チェーン店なのに、個人経営っぽい古さがある「ふくや」。
夜は居酒屋になる。こういう店が家の近所にあったらなぁ。
雨宿り場所として、たまたま寄った「日枝神社」。門に座ると
思わずほおのにきびを気にしたくなる、文学的趣がある。
「まるいち」はとにかく店が広い!これだけ広いのに、店内で
ひとりぼっちだった。ごはん時はちゃんと繁盛するのかな?
駐車場も広けきゃ、看板もでかい「やしま第一健康ランド」。
休憩室は、毛布だけ敷いて場所取りしてもすぐ撤去される。
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目覚めると、すぐ目の前に大勢の人が立っていた。
一瞬びっくりしたが、自分がロビーにあるソファーで眠っていたことを思い出した。
眠っている間に、みんなは下船待ちをしていたのだ。
あわてて借りていた毛布を返し、顔を洗って荷物をまとめたころ、あることに気がついた。
ここは東予港。
僕が降りるのは、新居浜港。
新居浜港への到着は、まだ2時間も先だ。
時間は午前6時。
2時間もあれば二度寝もできるだろうに、顔を洗ってすっかり目覚めてしまったし、毛布は返却したし、ロビーは他の客が洗顔やら入浴でバタバタしだしたので、とても寝られない。
ソファーの上で、何をするでもなくボーっとして下船を待った。
昨夜の天気予報で雨となっていて、「今日は動けんな」と思っていたら、案の定フェリーから外を見ると雨が降っていた。
しかし外へ出てみると、意外と小雨。
本降りになる前に、少しでも距離をかせごう。
そう思い、荷物をビニール袋にくるんで、思い切って出発した。
時折やや強めに降ったかと思えば、また小雨に戻るような天気が続いた。
おかげで、足を止めることなく走れた。
涼しくて快適ではあるのだが、絶えず路面や前方に注意しないといけないので、風景を楽しめないのが残念。
フェリーでカロリーメイトを朝食として食べたのに、午前10時におなかがすいた。
視界に入ってくるコンビニを見ては何度も寄りたくなったが、「こんな中途半端な時間に食べたら太る!」と変な心配してしまい、ガマンした。
それに、もうすぐ香川である。
香川といえば、数年前にブームを起こした“さぬきうどん”がある。
よし、さぬきうどん屋があるまで、耐えてみせる!
ガマンすること1時間、ようやく1件のうどん屋を見つけた。
製麺工場の敷地内に、お店が設けられている。
入ってみると、店員はやって来ない。
どうやら「セルフ」のお店らしい。
セルフはいいけど、どうやら麺も自分であたためなければならない。
こんなシステムははじめてなので、ちょっとためらってしまった。
麺をあたため、しばらくしてから、
「これ、どのくらい温めるんですか?」
と聞いてみたところ、
「10秒くらいでサッとあげてください」
と答えが返ってきた。
このときすでに30秒は経っていたので、あわてて麺をあげた。
そういう大事なことは、わかりやすくどっかに書くなりしてくれよ!
大盛りのかけうどん、210円。
さすがに安い!
待ちに待ったうどん、おなかもすいてるし、もうめっちゃくちゃうまい・・・あれ?
そうでもないぞ。
なんか、大阪で駅前うどんを食べてるのとあまり変わらない。
最近大阪でもさぬきうどんチェーンなんかがあるんで、下が肥えてしまったか?
たいした感動もないままお店を出ると、外は本降りになっていた。
これでは走れない。
しかし、こんな場所で雨宿りも悪いので、とりあえず場を離れてみた。
すると、すぐ近くに別のうどん屋が。
まぁ、うどん1杯では満腹になってないし、食ってる間に雨もやむだろうと思い、雨宿りがてら立ち寄ることにした。
で、ここのうどんはうまい!
やはり製麺所で作ったものより、手打ちのほうがうまいということか?
小雨になったころに外へ出たが、すぐに本降りとなった。
今度は近くのコンビニへ移動し、待機した。
コンビニ内にいすとテーブルがあるシステムのお店だったので、缶コーヒー1本で1時間ほど粘った。
お店の人は、こんな薄汚い人間に長時間いられて、さぞかし迷惑だっただろう。
再度小雨になったと思い外へ出たら、まだまだ本降りだった。
しかし、まさかまたコンビニ内へ引き返すなんて恥ずかしいこと、できるわけがない。
とりあえず雨をしのげる場所を探すため、走ってみた。
すると少ししたところに神社があったので、今度はそこへ待機。
お寺と隣接しているところで、すぐ近くに管理者らしき人の家があった。
本堂で待つのは申し訳ない気がしたんで、神社の手前にある門で休んだ。
日本をまわっていたときは、雨が降り続くとまるでそれが永遠に降り続き、宿が見つからずにこの場で凍え死にするのではないか・・・などと本気で思ったりもしたものだ。
ところが今は、雨宿りをそれなりに楽しんで過ごせるし、全然テンションが下がらない。
旅人として、成長したってことかな?
午後2時を過ぎたあたりで、急に雨が弱まった。
ここぞとばかりに、出発した。
以降は午前と同じく、降ってはやむの繰り返し。
途中、さらに2件のうどん屋へ寄った。
これじゃあまるで、グルメ紀行だな。
午後4時ごろに、ようやく雨がやんだ。
太陽が出たと同時に、高くもなく低くもなかったテンションが、一気に高まった!
許されるのであれば、このままず〜っと走り続けたい、と本気で思った。
高松の市街についたころに虹がかかり、思わず「おおっ!」と感嘆の声を上げてしまった。
今日の宿は、市街地から少し外れた健康ランド「やしま第一健康ランド」。
場所が地味なのに、広い敷地に車がけっこう泊っていた。
中はそれなりにきれいで、お風呂も広い。
ただ、このご時世に温泉が出ていないというのが残念。
そして寝床は、昨日に引き続いてザコ寝。
休憩所らしき場所があり、毛布を貸してくれるのだが、休憩所にあるテレビの音がうるさい。
まわりのお客さんも、ワイワイ騒いでいてうるさい。
何より、照明がめちゃくちゃまぶしい。
こんなところで本当に、眠れるのだろうか?
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