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キックボード青森→宮城    【7日目】
● 2019年8月9日(金) くもりときどきはれ 岩手県釜石市〜岩手県陸前高田市


海に向かって佇む「釜石大観音」。道路と真逆に
向いていて正面を拝めないのが残念だ。

さすがにもう人はいない仮設住宅。路地ごとに
「さくら通り」など名前がついているのがステキ。

東北の東側に設置されたトンネルは基本的に歩道も
路肩もない。トラックが通るたびに恐怖を感じる。

旅の最中たまに遭遇する、放牧された家畜。
柵があるとはいえ、にらまれると結構恐い。

自然に戻りつつある廃線の光景はいいものだ。
厳密には運休中で、将来的に復旧するとか。
昨日と同じく、朝から道に迷う。
道が複雑というよりは、歩道が通行止めになっており迂回したことが原因だ。
結局、通行止めの未舗装路を気づかないふりして歩く。
すぐそばで工事関係者が朝礼をしており、複数の人ににらまれながら。


走ってすぐ左手に「釜石大観音」が見える。
近くに寄りたかったが、国道からけっこう離れているためあきらめる。

相変わらずアップダウンの道が続き、トンネルには路肩なし。
特に刺激のないまま走っていたが、ある下り坂で団体の小学生から悲鳴のような歓声があがる。
一瞬で通り過ぎたわけだが、こういうリアクションをもらうのは楽しい。


はじめの休憩は出発2時間後で、その後は3時間以上ぶっ通しで走る。
疲れはあるが、空がくもっており暑さがマシなのと、午前中に少しでも距離を稼ぎたいという気持ちがあるため、がんばった。

午前11時ごろ、ランチをとろうと事前に思っていた道の駅に差しかかるも、まだ時間が早いと思い、スルー。
しかしそこからは建物がほとんどない上り坂が続き、徐々に空腹感に襲われ、ものすごく心が折れる。

何で休みの日に、こんな辛い思いをしているのだろうか?
と、キックボード旅をしていてたまによぎるネガティブな気持ちが増大される。


三陸トンネルを越えてからは、長い下り坂。
近くで開通している三陸自動車道のおかげで車通りがほとんどないため、思いっきりスピードをあげて下る。

途中、明らかに日本一周をしているであろう自転車旅人が立ち止まっていた。
ふだんなら足を止めて話をするところだが、スピードに乗ってハイテンションになっていることや、少しでもご飯にありつきたいという空腹感から、通りすがりに挨拶をする程度にとどまる。

ようやくコンビニにたどり着き、昼食後はゆっくりと休憩をとる。


再出発後すぐ、大きめの雨粒が落ちてくる。
といっても空は明るく、いわゆる天気雨。
本降りになりそうな勢いで降ってきたと思えば、少しやんだりして不安定な状態が続く。

レインコートを着るべきかどうか悩んでいるうちに、やんでくれた。
ひと安心する一方で、猛烈に蒸し暑くなる。

そこからは多少のアップダウンはあるが、市街地が続いて妙な安心感を得る。


国道をそのまま走ると、勾配のきつい峠がある。
さすがに峠はこりごりなので、距離は長くなるが迂回路となる県道を進む。
広田半島の道の左右は、言わずもがな復興中である。

東屋があったので休憩をとる。
建物も人通りも少なく見通しのよい空間は、皮肉にものどかで心地がよい。


再び走り出すと、狭く車通りの多い上り坂が続く。
あまりに坂が続くので、これなら素直に国道を走ったほうがよかったのでは?と後悔をする。

坂を越えてからは防波堤沿いの道。
先ほどとは一変して、車通りがほとんどない。
廃線跡なんかも残っていて、ノスタルジックな雰囲気を感じられる。


宿は繁華街から離れた場所にある民宿。
宿の人は非常に愛想がよい。
これなら夕食のときにもいろいろお話しできるのかな?
と期待するも、夕食時の食堂に宿の人はおらず、結局孤独に食事をとる。

宿周辺は特に徘徊できる場所もないので、部屋でゆっくりする。
広めできれいな和室は、とても落ち着く。
やはり宿は、ビジネスホテルの洋室よりも畳敷きがいい。


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