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キックボード大阪→東京    【1日目】
● 2011年8月12日(金) はれときどきくもり 大阪府交野市〜三重県伊賀市
旅の目的

キックボードで、大阪から東京まで走る。

大阪の起点は、実家。
東京の終点は、東京駅。
長旅なので、野宿はなし。



川の向こうに点在するのは、数多くのキャンプ客。
楽しそうな声とBBQの匂いは、孤独を痛感する悪い刺激。


車1台分の幅で、川面スレスレに架かった、小さな橋。
決して観光地ではないが、こういうちょっとした風景が好き。


これ、本当に宿?門をまたいで大丈夫?
敷居の高い料亭にも見える、薫楽荘の玄関。


まさしく、昭和のたたずまい。扇風機からテレビ・
エアコンまで、徹底的に古く、趣がある。
「旅」という言葉には、自分磨きであるとか、冒険であるとか、どこか心躍る印象がある。
日常とは異なる風景と体験が、そうさせるのであろう。

ただ、そんな理想が1つもない旅もある・・・


大阪から東京まで、キックボードで走破!
奇跡的にも、会社から10連休という長期休暇をいただいたので、思い切って挑戦することにした。
キックボード旅史上、最長距離にして、最長期間。

さすがに、途中棄権するのではないか。
いつになく弱気な気持ちに襲われながら、午前8時半に家を発った。


だめだ、しんどい!
心が折れたのは、出発してわずか10分足らず。
猛烈な暑さに、普段の運動不足。
すぐにでも引き返そう、という気持ちが、頭をよぎる。

そんな精神状態の中、いきなり上り坂。
上り切ったころには、心臓のバクバクがまったく止まらない。
出発して30分しか経っていないというのに、まるで1日走り切った後のような、激しい疲労感。
こんなペースで、本当に東京まで行けるのか?


しかし、再出発後は太陽が雲で覆われ、暑さがやわらぐ。
坂も少なく、先ほどとはうって変わって、快適。
先ほどまでの激しいしんどさは、「気を引き締めろ!」という警告だったのかも知れない。


午前11時、休憩がてら何となくタイヤを見てみた。
すると、タイヤとホイール部分が、分離している。
新品だったのに、半日も持たずに潰れてしまうとは!

スペアは7個用意しているけれど、こんなペースで壊れては、とても東京まで持たない。
早くも、大きな不安要素にぶち当たる。

さらに1時間後、昼食休憩をしようとコンビニに立ち寄った矢先、急激なおなかの不調に襲われる。
汚い表現で申し訳ないが、いわゆるゲリである。
しかも、今までの人生で体験したこともない、激しいもの。

猛暑・タイヤの故障・そして体調不良・・・
わずか半日で、こんなに苦悩が続くものだろうか。


引き返そう!
とても継続なんて、ムリである。

ただ、残りの夏休みはどう過ごそう?
これだけ大それた旅を友達みんなに言いふらして、どれだけバカにされるだろう?
どこで電車に乗ったらいいだろう?

引き返すにあたっての要件をいろいろ考え、とりあえず今晩だけは予定どおり上野の宿へ泊まることにした。

再出発しようにも、雲がなくなっていて暑い。
時間的にも、いちばん暑い時間である。
とりあえず休憩しようと、昼寝した。


1時間ほど寝ただろうか?
おなかの調子が、ウソのように治っている。
おまけに、帰りたいという気持ちも、スッキリなくなった。
これで、思いっきり旅を再開できる!

そこからは、夕方になるにつれ、どんどん気温が下がる。
坂道がひたすら続くものの、午前中のバテ方に比べると、断然ラクである。
なるほど、この旅は昼間ゆっくり休んで、夕方に走るというペースを続ければいいな。
この時期は、午後7時くらいまでは明るいし。


午後6時過ぎ、ようやく宿のある伊賀上野へ到着。
しかし、印刷してきた宿の地図では、場所がわかりにくい!

そこで取り出したのが、最近購入した、スマートフォン。
ナビ機能で宿を検索すると、めちゃくちゃ詳細に場所がわかる。
今さらながら、スマートフォンの便利さに驚く。
今後の旅でも、おおいに活躍しそうである。

無事にたどり着いた「薫楽荘 」は、玄関先が老舗の料亭かと思えるほど、古めかしいたたずまい。
なんでも大正時代からあるそうで、部屋は思わず平成であることを忘れさせる、ノスタルジックな和室。

建物の雰囲気もさながら、わざわざ女将さんがあいさつに来てくれる、ということがすばらしい。
4,000円の宿で、こんなサービスはまずない。
キックボードの旅にもすごく食いついてくださって、とてもお話上手な方である。
今日1日のさまざまな不安が、一気に癒やされる。


波乱万丈な初日であったが、果たして明日以降、無事に旅は続けられるのだろうか。


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