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道を走ってたまたま見つけた「賢治の水」。
夏は水分をよく摂るので、わき水はありがたい。
枝が広範囲に広がる「逆カシワ」。枝を
支えるたくさんの柱も合わせて絵になる。
きれいに整備されつつ自然も残る「イギリス海岸」。
名前に反して日本らしい景色を感じられる。
旧家が残る「同心屋敷」。レプリカのようにきれい
だが、しっかり廃墟のようなにおいを感じる。
「宮沢賢治碑」のある広場。「雨ニモマケズ」の
当人直筆手帳が飾られ、ファンにはたまらない。
「帰帆場公園」のわき水。残念ながら飲用に汲め
ないが、公園全体的に植物が多く居心地がいい。
名前の響きが何となく気になった「こまい」を注文。
旅の最中でなければ、日本酒何杯でもいけそう。
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午前7時に出発し、給水のため昨日寄った湧き水を目指す。
しかし、途中で「賢治の水」なる湧き水があったので、そこで済ませる。
どうやらこの界隈は、あちこちで水が湧いているようだ。
ちなみに、「賢治」とは宮沢賢治のことで、かつて当人がこの水を使っていたそうな。
空はくもっていて涼しく、道は平坦。
タイヤも絶好調で、2時間ぶっ通しで走る。
はじめに立ち寄ったのは、「勝源院」というお寺。
境内には「逆カシワ」という、枝が根のように複雑に分かれた木がある。
かつて別の場所にも、同じような木を見たっけ。
最近は大木が好きなので木を見ながら休憩しようとしたが、残念ながら木の近くはやたら蚊が多い。
なので、お寺の門に戻って、門の影で座り込んで休憩をとった。
再出発後は太陽が出て、暑い!
道は軽くアップダウンする程度で、絶えず建物があって安心感がある。
内陸の道はもっと山だらけだとイメージしていたので、意外である。
無理せず、1時間おきに休憩をとりながら進む。
昼食は、キックボード旅では珍しくガストへ。
目的はドリンクバーで、水分と糖分の補給のために飲みまくる。
しかしファミレスの雰囲気というのは俗っぽくて、今自分が旅の最中であることを忘れてしまう。
あと、まわりは主婦の小さな団体さんが多く、マスクもつけずにトークで盛り上がっている。
コロナは恐くないのか?
1時間ほど休んで再出発するも、このままだと宿に早く着きすぎる。
地図で寄り道先を探し、足を運んだのが「イギリス海岸」。
川底がゴツゴツしていて、それがイギリスのドーバー海峡に似ているのが名前の由来だとか。
残念ながら、水位が高くてゴツゴツがほとんど確認できない。
しかし、川岸は自然を残しつつきれいに整備されていて、じゅうぶん見ごたえがある。
次に「同心屋敷」へ。
江戸末期に建てられた家屋が2軒、並んでいる。
見た目が美しく、近づくと昔の家屋の匂いが残る。
中に入るには事前の予約が必要らしく、外観のみをただただ楽しんだ。
さらに5分ほど進んだ先に、「宮沢賢治碑」のある広場へ。
石碑を眺めていると、おじさんに声をかけられ、解説をしてくれる。
ここはかつて宮沢賢治が住んでいた教会の跡地であり、広場から見下ろすと広がる田畑は、かつて宮沢家が保有していた場所らしい。
また石碑の文字は、石川啄木の筆跡だという。
ちなみにこのおじさんは、ここに宮沢賢治の家の跡を再現し残したいという願望があり、とにかく宮沢賢治のことを後世に残そうと活動されているそうだ。
熱い気持ちを、えんえん30分ほど話してくれた。
宿に着く前に、もうひと散歩をしよう。
スマホを確認し、湧き水があるという「帰帆場公園」を見つけ、寄ってみることに。
住宅地にある公園は、こぢんまりとしながらも植物がたくさん植えられている。
公園のまわりを囲むように水路があり、隅に水源がある。
水源では子ども達が行水をして遊んでいる。
子どもが去った後に近づき、よくよく近くで見てみると、落ち葉や虫が浮いている。
とてもではないが、飲用として汲めそうにない。
たくさん寄り道したが、宿に到着したのは午後4時半。
最近では午後6時ぐらいが平均的な時間なので、かなり早めである。
ゆっくり風呂に入って、ゆっくりベッドで休憩。
のんびり過ごすこの感じ、実にいい!
午後6時に外出し、辺りを散策。
駅前は居酒屋とスナックが並び、あまり昔ながらの文化などは感じられない。
夕食のお店を探すが、どこも値段がわからないので入りづらい。
さんざん悩んで入ったお店は、照明が明るくジャズが流れ、あまり居酒屋らしくないところ。
料理は魚も野菜も絶品でうまい!
ただ、お客さんもまばらで誰とも話ができず、照明も明るいのであまり落ち着かず、早めにお店を出る。
向かいに、赤ちょうちんを掲げたいかにも「居酒屋」っぽいお店があったので、そこに入る。
店内は常連さんだらけでにぎわっている。
メニューは鶏が主体で、あまり地産のものが見当たらない。
その中で「こまい」という白身魚の焼きがあったので注文。
白身魚の割に味がしっかりしていて、酒のアテに最高である。
お店の雰囲気もよく、アテにも恵まれているものの、店員さんがずっと常連さんと話しまくっているので、とんでもないアウェイ感に襲われる。
ゆっくり居座ろうと思っていたが、結局ビール1杯だけでお店を出る。
別に旅の最中に出会いを求めているつもりはないけど、やはり旅も5日目となると人との会話が恋しくなる。
昔はそんなことを気にもならず、飲み歩くことなくスーパーのお惣菜を部屋で食べていたものだが。
孤独に耐えられないのは、もしかすると歳のせいなのかもしれない。
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