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井戸に網がかぶせられた「桂葉清水」。
虫や葉が浮いていてとても生では飲めない。
廃墟の整地「化女沼レジャーランド」。
これでも管理されており再生の可能性アリ。
浮草に覆われた「化女沼ダム」の湖面。
コロナのせいでダムカードはいただけず。
2軒目を探しているときに見つけた「東台横丁」。
屋台村は酒飲みのパラダイス、心が踊る。
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朝、宿を出ると、昨夜隣で飲んでいた人を見かける。
しかし、がっつり旅の装備をした状態で声をかけるのも恥ずかしいので、スルーしてしまった。
空は厚い雲で覆われている。
雨が降る前に、できるだけ距離をかせいでおきたい。
道はほんのり上り坂だが、涼しいので走りやすい。
ひと山越えたところで、雨が降り出した。
本降りになる手前でやみ、またしばらくすると小雨が降る、の繰り返し。
今日は1日、こんな天気が続くのだろうか?
しばらく走ったところで、スーパーのフードコートで休憩。
気がつけば、3時間ぶっ通しで走っていた。
小雨のタイミングで再出発したら、すぐに本降りとなる。
慌てて近くに避難し、雨雲レーダーを確認すると、10分後にはやむみたい。
さらに10分待ったが、いっこうにやむ気配がない。
もう10分待ってもやまず、しびれを切らして進むと、その10分後にやむ。
何だかもう、天気に遊ばれているような気分である。
寄り道をしようと湧き水を探し、「桂葉清水」へ。
ここは全国名水百選にも選ばれている、由緒ある湧き水である。
水は井戸からひしゃくでくみ上げる仕組みになっている。
しかし井戸を見ると、虫やチリが浮いている。
「この湧水を飲用する場合は、必ず煮沸してください」と書いてあるが、煮沸したとて飲めそうにない。
何か連日のように、湧き水でハズレを引いている気がする。
コンビニで昼食をとり、他に寄り道できる場所がないかをスマホのナビで探す。
すると思わず、手が震える。
表示されたのは、廃墟マニアなら誰もが知っている聖地、「化女沼レジャーランド」だ。
こんなところにあったのか!
僕も廃墟は相当好きで、いつか行きたいけれども行くことはないだろうと思っていた場所である。
こんな機会に、訪問できるとは。
遠回りになりながらも、裏道をひたすら進んでいくと、やがて小さな観覧車が見えてくる。
この時点でもう、興奮度MAXである。
門の前まで行くと、何と門が開いている。
一応この観覧車は管理されているので、もしかすると管理者が手入れ中なのかもしれない。
少し躊躇(ちゅうちょ)したが、せっかくなので入ることにした。
観覧車だけでなく、メリーゴーランドやコーヒーカップも残っている。
ただ、アトラクションまでの道は雑草が壁となって踏み入ることができない。
ひととおり眺めてから、早々に退散。
1人では、あまり長く楽しむことができない。
それからは近くの「化女沼ダム観光資料館」へ行き、休憩をとる。
資料館のすぐ目の前には化女沼ダムがあったので、休憩が済むとダム界隈を散策。
ダムには浮き草がびっしり生えており、その光景が美しく幻想的である。
宿に着いたのは、午後4時前。
こんな早い時間に宿に着くのは珍しい。
宿でゆっくり過ごしてから、大崎市の街を散策。
派手さはないが、素朴すぎずにほどよい栄え具合。
小さな複合テナントビルがいくつかあるが、いずれも空きだらけ。
以前はもう少し栄えていたのだろうことを感じる。
1時間ほど散策してからは、居酒屋へ。
何となく雰囲気のよさげなお店へ入ると、店員さんがみんな若くて愛嬌があり、なかなか楽しそう。
しかし、店内がヒマになると店員さんがずっと常連さんと話をする始末。
それでも、何か話す機会ができれば盛り上がれそうだとタイミングを伺っていたが、全然きっかけを与えてくれない。
しびれを切らして、ある程度お腹が満たされたところで外に出る。
居酒屋の期待値が高かったこともあり、何とも消化不良な気分。
どこかいい雰囲気の場所はないかと散策すると、「東台横丁」という屋台村を発見する。
そうそう、こういうとこ!
しっかり散策したつもりだったのに、なぜここを見落としていたのだろう。
お店は10軒ほどで、居酒屋だけでなくバーやラーメン屋もある。
ひととおり巡って入ったのは、昔ながらの常連しか入らないような居酒屋さん。
中はおばちゃんが1人で切り盛りしており、客は僕ともう1人。
おでんが名物のようだが、残念ながらこのシーズンではやっていない。
フードメニューは少なめだが、飲み物がショットバーばりに充実しており、お店の雰囲気とミスマッチで面白い。
それにしても、おばちゃんの話が面白い!
基本的に一方通行な話なのだが、まったくイヤではなくスイスイと話が入ってくる。
とても居心地がよく、ついつい日本酒を2杯いただき、すっかりできあがってしまう。
結局宿へは、少し遅めの帰宅となった。
日本酒も飲んだし、疲れもたまってきているし、明日はちゃんと起きられるのだろうか。
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