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工事用一輪車で旅する「岬の風 寅次郎」さん。
年齢に関係なく旅を追求するさまは尊敬に値する!
値段こそ高いが、魚介の数には納得の海鮮丼。
昼食に高いもの食べるなんて、今まであまりていない。
多伎の名産を使った「いちじくソフト」。
強風にさらすと、驚く早さで溶け出す。
スーパーで半額のお惣菜を漁るのも、旅の密かな
楽しみ。という感覚は、実家ぐらしならではかな?
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宿は、朝食バイキング付き。
長距離走行に備え、これでもかというくらい食べまくる。
昨日は道が平坦だったが、朝からなだらかなアップダウンが続く。
朝のうちに少しでも距離をかせぎたいので、休憩は2時間おきに設定。
少し高さのある坂を上りきり、トンネルを抜けたところに、工事用の一輪車を押している人が見える。
工事の人か?
と思ったが、荷物に銀マットがあることで、これは旅人だと察知。
向こうも、こちらの姿を見るや、片手をあげて交流を求めてくる。
「岬の風 寅次郎」という旅ネーム?を持つ男性は、何と65歳だという。
ふだんはバイクなんかで旅することが多いそうだが、今回は思いつきでこのような変わった旅をしているそうな。
もともとは工事用の二輪車だったが、途中で壊れてしまったため、急遽一輪車を購入した、とのこと。
特徴的なのは、荷物の上部にある、大きなソーラーパネル。
充電した電力は、夕食時に炊飯器で米を炊くのに使うそうな。
「やっぱり米は炊飯器で炊くのがいちばん!」というのは、アウトドアを一巡させた人間にしか言えない、最高級なユーモアである。
また、こちらのキックボード旅にも、ひどく食いついてくださった。
トンネルのほとりで、互いの旅自慢に盛り上がる姿は、はたからどう見られていただろうか。
とにかく、この年齢で、このアイデアと行動力には脱帽である。
最後はしっかり握手をし、互いに何度も振り返りながら別れをした。
いい気分で進んでいると、歩道がなく路肩も狭い道で、後ろから白バイがやって来る。
去りぎわ、「歩行者の方は危ないので車道を走らないで」と、バスケのドリブルみたいなしぐさとともに、アナウンスされる。
いやいや、ではどこを走れと?
あたりを見回しても、特に歩行者専用道や迂回路がない。
最近やたら、警察のバカげた注意を受ける。
いつもならイライラがしばらく残るところだが、先ほどの素敵な出会いもあってか、軽くいなせる。
キックボードという媒体上、注意を受けて当然だという開き直りも、最近できるようになったせいでもある。
正午を過ぎても、おなかが空かない。
朝食をがっつり食べたおかげである。
昼食は午後1時半、「道の駅 キララ多伎」の食堂。
注文した海鮮丼は、1,700円もする。
今までの旅なら、とても出せる金額ではない。
しかし今回は、地元のものを食べられるなら、ある程度値段は出そうと考えている。
海鮮の種類が多く、いずれもネタが新鮮で、さすがにうまい!
が、値段の割にはちょっと量が少ないかな、という不満はある。
まぁ、あまり空腹感がないので、問題はないが。
朝からずっと強い追い風が吹いていたおかげか、かなりハイペースで進めている。
ということで、道の駅でもう少し休憩することに。
「いちじくソフト」を買い、海を見ながら食べようと、外へ出る。
しかし、風が強すぎて、ソフトがみるみる溶ける。
風の不快さもあり、すぐさま屋内へ退避。
売店で土産を見たり、観光パンフレットを見たりと時間をつぶし、いよいよ出発!
と思ったときに、グローブがないことに気がつく。
屋内の立ち寄った箇所をくまなく探しても、見当たらない。
グローブくらいなら、なくても問題ないか。
と、なかば諦めつつも屋外へ。
念のため、ソフトを食べたベンチを見てみると、グローブだけでなく、財布も置きっぱなしだった!
下手すれば、この後の旅はおろか、日常生活にも影響を及ぼすほどの失態である。
自己嫌悪に陥りつつも、長時間ずっと放置されていたという、日本の安全さにビックリした。
再出発後も、やはり進むペースは速く、どこかで時間をつぶしたくなる。
が、地図を見ても、道路標識を見ても、寄れそうなスポットは見当たらず。
結局、午後4時半という早い時間に宿へ着いた。
出雲駅からひと駅の、西出雲駅。
驚くことに、駅前近くに観光地はおろか、居酒屋もスーパーもない。
さすがに、ひとりの時間を持て余してしまう。
とりあえずキックボードで片道15分のスーパーへ行き、夕食とビールを買い込む。
ビールでさびしさを紛らわせつつ、お風呂をゆっくり、2度も入る。
あらかじめ宿周辺の情報も調べておくべきだな、と反省である。
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